01.interview, People

「A O SHOW」「THE MIST」特集 トゥアン・レー / タン・ロク

Off 18994

ベトナムのパフォーミング・アーツ・カンパニー、ルーン・プロダクションがまもなく2作品を神奈川で上演する。日本初公開の『The Mist』(ザ・ミスト)はタン・ロク氏、再演となる『A O SHOW』(アー・オー・ショー)はトゥアン・レー氏が演出を担当。ベトナムの人々・生活・自然の風景を表しながらもエンタテイメントとして観客をその世界に引き込む独特な世界観が話題となっている。ベトナムの魅力の詰まった新感覚の2作品に関して、2人の演出家にメッセージや、創作活動の上での率直な感想を聞いた。

 


 

  • トゥアン・レー(Tuan Le)
    TuanLe_BW
    「A O SHOW」ショー・ディレクター。6歳でジャグラーとして初舞台に立つ。彼の素養を見出した兄がテニスボールを使ってジャグリングを教え、そのスキルは、6歳とは思えないほどのレベルに達した。14歳のときにドイツで兄と再会し、ジャグリングのアーティストとしてufaFabrik Berlinに所属。1997年にシュトゥットガルトにて開催されたタレント・コンペテイションで一等賞、2004年にワイズバーデンで開催された若手アーティストの欧州フェスティバルにて金賞を受賞。ベトナムでただ一人のソロ・アーティストとして、シルク・ド・ソレイユと長期契約を結びブロード・ウェイ Beacon Theaterやトロント Cannon Theaterで活躍。また、アジア人としてはじめてIJA(国際ジャグラー協会)から優秀賞を受賞した。サーカス・ディナー・シアター Teatro ZinZanni(アメリカ)で「Dinner & Dream」の演出やシルク・ド・ソレイユで 「Banana Shpeel」を演出。近年シルク・ド・ソレイユの“Toruk, – The First Flight” (Inspired by James Cameron’s AVATAR)の振付を担当。ベトナム帰国後の2005年、ヌーボー・シルク公演「Lang Toi(私の村)」(ハノイ市)を創作。2012年に「A O Show(アー・オー・ショー)」(ホーチミン市)を創作、国内外で絶賛される。2016年に新作「The Dar」を発表。

     


▲「A O SHOW」トレーラー

 

■“芸術”を通して、想像力にあふれた世界を創りたい

 

TDM: 演出を始めたきっかけを教えてください。

 

トゥアン:私は芸術一家に育ちました。私の母も演出家でしたので、今私がやっていることは母がかつてやっていたことを、ごく自然に、続けているという感じです。私にとって、“人と自然”は作品を創作するための最も重要な要素です。

 

言葉の壁を乗り越えて世界にメッセージを伝えることのできる想像性のある“芸術作品”創りたいと思っていました。私が創作した作品には、常に自分自身が見ている世界感や、感情、視点があります。作品は、エンターテインメントという言葉でくくられるのではなく、観客にインスピレーションを与えるものだと思っています。 私は、芸術的な創作者、ショー・ディレクターの責任において、この世界を変えることができると信じています。

 

TDM : 自分の演出のこだわり、強みは何だと思いますか。

 

トゥアン

A O Show 8_M

私が創作するために大切にしていることは、決まった物語を語ることではありません。伝統というものは新しい物語を探求し、想像するための土台に過ぎません。演出するときの具体的なアイディアは、俳優の特性を生かし、それをパフォーマンスへと昇華させていくことです。

 

■ベトナムの日常生活で使用している道具を巧みに使用

 

TDM:「A O SHOW」の見どころを教えてください。

 

トゥアン

A O Show 7_m

ベトナムの人々が日常の生活で使用している道具を使い、俳優一人一人の個性が、作品の物語を構築していきます。また、アジアでは馴染みの深い竹を使ったパフォーマンスが、ベトナム発の新しいシルク(サーカス)のアイデンティティとなっていることです。

 

TDM:舞台、パフォーマーのレベルや意識に関して、ベトナムと世界の違いを感じることがあれば教えてください。

 

トゥアン:私のミッションは、言葉を必要としない芸術的な架け橋を構築することですが、ベトナムと世界との間には大きな隔たりがあります。特にベトナム人アーティストが舞台芸術に取り組む場合 ”働いている!” という気持ちで舞台上に立っているのではなく、”生きている!”または”遊んでいる!”という思いがあるからです。それはアーティストの心の中に子どもっぽい部分が残っているからではないでしょうか。ここが根本的な違いだと思います。

 

TDM:近い未来の目標と長期的な目標を教えてください。

 

トゥアン:近い未来の目標は、観客一人一人が自分が抱えている心配事や問題を忘れ晴れ晴れとした気持ちで劇場を出てもらえること。そして奇跡が必ず起きることを信じてくれること。長期的な願いは、この舞台芸術コンセプトを世界に広めることです。

 

TDM:日本の観客へのメッセージをお願いします。

 

トゥアン:日本のお客さまには、私たちの作品を理解していただくだけでなく、感性と想像力を働かせて感じていただければと思います。

 

Next→「The Mist」演出「A O SHOW」振付グエン・タン・ロク氏インタビュー


 

関連リンク;世界で大評判!ベトナムオリジナルのパフォーマンス!Lune Production「A O SHOW(アー・オー・ショー)〜 The Mist (ザ・ミスト) 〜」

About the author / 

tokyodancemagazine

Related Posts

Post Tab

最新イベント