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DABDAB特集 SHOHEI×MIHO BROWN ~ Multiplication. ~

Off 923

関西を代表する最強ストリートダンサー8名によるダンス集団WRECKING CREW ORCHESTRA。そのひとりSHOHEIとMIHO BROWNが本日11月27日(木)に渋谷SOUND MUSEUM VISIONで開催されるDABDABにてスペシャル共演する。そのきっかけや、大阪と東京のシーンの今を2人に語ってもらった。誰かと踊りたいと思う気持ちや、「一緒に踊ろう!」とオファーする気持ちには、純粋なエネルギーが満ち溢れているし、そこから生まれたショーはこの目に焼き付けなければと心から思うのだ。

 

 

きっかけはMIHO BROWNからのひとめぼれ。

TDM
今回DABDABで共演することになったきっかけは?

 

MIHO BROWN
MIHO BROWN今年8月に東京でWRECKING CREW ORCHESTRA(以下WCO)さんの公演「BEAT BUMPER」を観に行く機会があって、そこで私がSHOHEIさんに一目惚れしたんです。自分がずっとやりたかったダンスエンターテイメントがやれるんじゃないか、一緒に是非踊りたいな~と。でも、その前に、まず、「習いたい!」「WCOさんのエンターテイメントの方向性を知りたい!」と思いました。

 

TDM
私の周りでも「BEAT BUMPER」はシンプルにダンスにこだわった公演だったとすごく好評でした。SHOHEIさん的にはどういう公演でしたか?

 

SHOHEI
MIHO BROWNもともと「BEAT BUMPER」は、去年8月に大阪でやらせてもらいました。ダンサーへのメッセージを込めたシンプルなダンスだけの作りにしたのが好評でしたね。 去年10月には「COSMIC BEAT」という大型の舞台を東京と大阪でやらせてもらったんですが、ネット上でたくさんの方に見てもらっているEL SQUADを目玉として、一般の方にも楽しんで頂けるストーリーを組みました。ダンサーからの評価はさまざまでしたが、「BEAT BUMPER」との違いが出ましたね。EL SQUAD:
ELワイヤーを全身に纏い、曲や振付にシンクロした光によりCGと見間違うような異次元空間を表現したWCOオリジナルのダンス演目。2012年2月にYouTubeにアップされると、2ヶ月で500万ビュー、HQ版など再アップを含めて総計2500万ビューを超える再生数を誇る。(2014年11月現在)
個人的には大阪と東京の違いは感じましたので、今年8月に東京で「BEAT BUMPER」をやらないかというお話をいただいた時、東京はメディアや芸能関係の人たちの目にも触れる機会はあるだろうということで、そこへの意識を持ちながら挑みました。

 

TDM
大阪と東京の違いはどういうところで感じますか?

 

SHOHEI
東京の方が、反応が新鮮ですね。クールなイメージがあるんですが、笑ってくれたりする瞬間は「あ、これでオモロイんや。」と感じました。大阪はボケとツッコミがベーシックにあるので笑いに関してのハードルは高いですからね(笑)。

 

ストリートダンスの見せ方の限界

 

MIHO BROWN
さらにストリートダンスの可能性を広げようと思ったのは、何を感じられてですか?

 

SHOHEI
MIHO BROWN大阪と東京でのダンサーのあり方は全然違っていて、大阪でのダンサーの最高レベルはレッスンプロ。レッスンの数が多ければ多いほど収入もあるし、そこで生きていける。でも、そこには限界があって、テレビやMVに出られるわけでもなく、一般人の人と触れる機会がまったく無いので、そこが動機だったかもしれません。自分たちは舞台をやることに対して、一般人の方に見てもらえる環境作りだと考えました。

 

TDM
大阪には梅田芸術劇場がありますが、そこで大阪のダンサーたちの舞台が開催されたりはしていないんですか?

 

SHOHEI
あまり印象にないですね。でも、ここ近年、僕たち以外にもHilty&Bosch、OUTSET、GANG MANISH、BUSTA JAKK BOOGIEなどが出てきましたね。もちろん東京にはいっぱいいると思うんですが、舞台を作る大阪のストリートダンスのチームがやっと多くなりました。おそらく、ストリートダンスの舞台は大阪と東京の2都市でやることに意味があると思うんです。大阪だけだと自己満足で終わってしまう。やはり東京でやることにも意味がある。

 

MIHO BROWN
「BEAT BUMPER」もう1回観たいなー。あの演技をしながらの音ハメダンスは、ドセンで好きですし、あんなふうに表現できるダンサーさんは東京にはなかなかいないですよ!

 

SHOHEI
よぉ見てるね~!

 

MIHO BROWN
MIHO BROWN好きすぎて観ちゃいます!もっと観たい!

 

TDM
WCOの皆さんはダンサーとしてレッスンやショーをやりながら、メンバーで集まって制作するというスタンスが多いのですか?

 

SHOHEI
そうですね。例えばドミさん(DOMINIQUE)でしたら、DO-UPというスタジオを経営しながら、WCOの舞台構築もしながら、練習しながら、育児もしながら・・・ですね。 大変だと思います。

 

TDM
大阪のシーンの今と昔の変化はありますか?

 

SHOHEI
全国どこでもそうだと思うんですけど、昔は1シーンの仲間として認知しながらもライバル視してました。今は、そういう小さな円がひとつの円になって、それがいろんなところにあって、みんながそこにいる形だと思います。 良くも悪くも平和なシーンになりつつあり、刺激が薄れてきたのかなという感じもしますが、みんなでシーンを盛り上げているという感じはすごくあり、大切なことですよね。

 

TDM
ここ数年で、大阪のダンサーが東京に出てきている印象がありますね。

 

SHOHEI
僕の生徒も何人か上京してますよ。バックダンサーや振付師を目指してる子はどんどん東京に行ってますね。東京に集まって、何か自分の持っているもので挑戦したい気持ちは全国のダンサーが持ってるでしょうね。

 

DABDAB特集<br /><br /><br /> SHOHEI×MIHO BROWN ~ Multiplication. ~
 

人との化学反応で作品が生まれる。

 

TDM
WCOほどの大人数で、舞台公演を自主的にできるカンパニーとしては、東京含めても活動歴が最長だと思います。メンバーは8名で、結成11年目になりますが、その人数と歴史があって、海外でも公演したり、今でも精力的な動きをしていますね。

 

MIHO BROWN
確かに!皆さん純粋なストリートダンサーさんで、しかも、ポッピン、ロッキン、ハウス、ヒップホップ、全部のジャンルに長けていらっしゃる団体は類を見ないですね。

 

TDM
好きなダンサーや、気になっているカンパニーはありますか?

 

MIHO BROWN
私は、フレッド・アステア、ジーン・ケリーが好きで、彼らは歌って踊って、ドラマを表現していて、その手法はジャズダンスやタップがメイン。私はそこにストリートダンスや今自分が踊れるジャンルをミックスして踊り、表現していきたいです。だから、「BEAT BUMPER」を観た時に、この人たちもそういうのを見てるのかな?と思ったんです。セリフがなくてもドラマを表現し、ダンスのスキルもあって、笑いもあってロマンもある。今回のDABDABを誘う時に、SHOHEIさんに「ストーリーが見えてドラマを感じ、芝居に偏り過ぎず、ダンスメインでそれを表現したいんです!」って、だいぶ熱く、長~い文章で話してしまいましたが(笑)1週間ぐらいしてですが、快くOKしてくださいました。そういう感覚になっているのには何が影響していると思いますか?

 

SHOHEI
WCO8人でやる時は8人でしかできないこと、色があるし、僕とYOKOIくんやったら、僕とYOKOIくんでしかできない作品がある。人によって変わるから、今回MIHOちゃんのやりたいことを聞いた時に、「あ、これはエロと切なさやな」という表現がポンっとイメージできました(笑)。僕の場合は、人との化学反応で作品が生まれてくるのかなと思います。

 

TDM
WCOの大事にしていることは?

 

SHOHEI
お客さんに楽しんでもらって、喜んでもらえることが一番ですが、やっぱり、ストリートダンスというブラックカルチャーに触れて、自分たちが「これがかっこいい!」と思ったので、それを自分たちの表現のひとつとして「ストリートダンスってこんな表現もできるんだ。やっぱりかっこいいね!」と思ってもらいたいし、プラス、関西出身として笑いも狙いのひとつです。そういう、二枚目と三枚目を織り交ぜていけるのが、WCOの魅力かなと思います。

 

MIHOちゃんの熱意にやられました(笑)。

 

TDM
MIHOちゃんとの共演のように、WCO以外の方との共演は今までありますか?

 

SHOHEI
個人的には、こんな風にオファーを受けて、女性の方とのコラボするのは初めてなんです。MIHOちゃんの熱意にやられました(笑)。でも、MIHOちゃんにはどこか通ずるものを感じますね。この間、MIHOちゃんのソロの動画を見せてもらったんですが、その時に立ち振る舞いがすごく素敵で、スタイルが完成されていました。

 

MIHO BROWN
まだYouTubeにはアップされてないやつです…SHOHEI先生から好評をいただけて大変嬉しいです!

 

SHOHEI
MIHOちゃんが雑に踊ったり、雑に音を拾う人だったら今回の話はなかったかもしれません(笑)。

 

MIHO BROWN
MIHO BROWN…ヤバい!頑張らなきゃ!(笑)。私のスタイルは、黒人の女の子が音楽聴いてたら、ノっちゃう感じと、マイケルみたいなステップだったりスタイルがあって、そこにもう少しストリートダンスを入れたいんです。

 

SHOHEI
なるほど。ホンマMIHOちゃんってマルチだよね。それは僕にはない。できるものは限られてるよ。それを追求して武器にはしてるけど、MIHOちゃんの方がアンテナの数は多いし、そこが魅力的だと思う。本当に今回はいいきっかけで、なかなか東京でショーをやる機会はないので、ありがたいです!

 

MIHO BROWN
WCOは世界での認知度は高いですし、さらに、そしてもっと日本全国の皆さんの目に身近に触れるべきエンターテイメント。もっと露出されて欲しいです。

 

SHOHEI
MIHOちゃんと話してるとものすごく背中を押してもらってる部分があって、自分は大阪であぐらかいて、殻にこもってるなと感じたので、もっともっと挑戦していかなアカンなと思うきっかけをくれました。

 

MIHO BROWN
すごく良いものってなかなか売れなかったりするし、うまく時代の流れに乗りながらグッとフォーカスされたらいいですよね。

 

「やっぱこいつらと踊ってたらすごく楽しいわ!」

 

TDM
SHOEHIさんが今興味あることは?

 

SHOHEI
技術も知識もないですが、音楽制作は興味ありますね。今までは既存の曲でインスピレーションもらいながら、踊ってましたけど、今度は自分の鼓動を感じながら、自分の音楽がいつか出せたらいいなと、最近すごく興味があります。

 

MIHO BROWN
SHOHEIさんのソロの選曲も好きなんです。ドラマチックでエロい(笑)。SHOHEIさんが、トラックメイカーさんに「こういう音が欲しい!」って言いながらディレクションしていくのもできそう!

 

TDM
WCOだったから得られたこと、苦しかったことなどの思い出はありますか?

 

SHOHEI
MIHO BROWN苦しかったことは常にありますが(笑)、嬉しかったことの1番は、WCOのメンバーと舞台上からお客さんの拍手をもらう瞬間は何よりも代え難いです。香港やシンガポールでスタンディングオベーションをもらえた時は、これはWCOでしか起こせないことだなと感じましたし、自分の中の財産ですね。あと、どれだけ言い合っても、踊ってしまえば、やっぱりこのメンバーと踊ると最高な気分になれるのも魅力ですね。

 

MIHO BROWN
やはりディスカッションは濃いめなのですね。

 

SHOHEI
ケンカはないけど、ディスカッションは濃い~ですよ。

 

MIHO BROWN
皆さん素敵に大人ですよね。

 

SHOHEI
いやいやいや、いい意味で純粋な子供ですよ(笑)。今回、MIHOちゃんから声かかった時に「踊りたい!」と思ったからできるし、この環境を整えてくれる人たちがいることにも感謝してます。この歳になってやりたいことができていなければ、今までやってきたことはなんやったんや!ってなりますからね。これからはワガママにやりたいことをやっていこうかなと思ってます。

 

MIHO BROWN
逆に今まで思わなかったのはなぜ?

 

SHOHEI
もちろんWCOの舞台でも、自分にとって違和感のある作品や、もっと自分のスタイルを出せたらなぁ~とか思う時もあります。言ってしまえば、もともとELECTRIC TROUBLEという4人チームが自分の基盤にあって、それはWCOよりも人数は少なく、意見もまとまりやすいので、やりたいことがダイレクトにできることはあります。現在もELECTRIC TROUBLEも活動していますが、WCOの方が忙しくなって来ましたね。でも、4人だけで年に何回か制作する時間も僕にとってはとても大切です。僕個人としては、ELECTRIC TROUBLEがあって、花井伸二の2人もTAKEちゃんもSAWADAくんの活動もあってWCOがあると思うので、それらが集まった集大成がWCOでありたい。

 

TDM
今回のショーはどんな感じになりそうですか?

 

MIHO BROWN
ヒップホップとR&Bを入れて、“from WCO”のSHOHEIさんと、昔のやんちゃなMIHO BROWNを見せちゃおうかなと。お互いマイケルが好きなところと、ダンスのセッションであって短編映画を見てるような感じにしたいですね。まだ探り合いではありますが、お互いの良さがケミストリーになるように、練習を楽しみたいです!

 

SHOHEI
2日しかないからね~(笑)。

 

TDM
最後にメッセージをお願いします!

 

SHOHEI
MIHO BROWN今回は、女性ダンサーとのコラボが初めてなんですが、男役、女役、男の中の弱さ、女の中の強さとかを出せたらいいのかなと。新たな作品が生まれるように頑張ります!!全国のダンサー人口はおよそ400万人と言われていますが、その中で、MIHOちゃんと踊れるのも奇跡だし、タイミングだったと思うので、僕は今まで培ってきたスタイルを、MIHOちゃんもMIHO BROWNスタイル復活!ということでやっていきますので、これからもよろしくお願いします!

 

MIHO BROWN
あと、来年の告知しなくていいんですか!?

 

SHOHEI
あ!MIHOちゃんええこと言うや~ん!!皆さん、来年4月3日から4月12日までの全9回公演、六本木のブルーシアターでWCOの最新作の舞台「DOOODLIN’」をやりますので、そちらも是非観にいらしてください!ストリートダンスと、最新のプロジェクションマッピングとのコラボレーションもあり、楽しんで頂ける内容になっておりますので、是非お越しください!よろしくお願いします!

 

MIHO BROWN
私ももちろん観に行きます!今からワクワクがとまらないです!ものすごく楽しみです! DABDABもよろしくお願いします!

 

TDM
こちらこそ楽しみにしてます!今日はありがとうございました。

 

interview by AKIKO
Edit by imu

’14/11/27 UPDATE

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tokyodancemagazine

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