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結成10周年記念公演「The Library」特集 s**t kingz

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まもなくs**t kingzが結成10周年記念に届けてくれる新たなエンタテイメント「The Library」が全国7都市で上演される。高いスキルを持ち、国内外問わず、老若男女ハッピーな気持ちにしてくれる彼らの魅力が、本作にグッと凝縮。彼ららしくブレずに歩んできたこの10年。数々の奇跡や縁は、彼らの努力とピュアなダンス愛こそが惹きつけた魅力であり、これから先も魅了し続けていくだろう。未来に何の不安もないと語る4つの笑顔を見ていると、こちらまでパワーがみなぎってきた。彼らのパワーが溢れ出る、新作公演にぜひ足を運んでみてほしい。

 


 

  • s**t kingz

    stkgz2017_profilephoto2017年10月に結成10周年を迎えたダンス界のパイオニア的パフォーマンスチーム。アメリカ最大級のダンスコンテスト「BODY ROCK」にて、 2010年・2011年と2年連続優勝を果たし、世界のダンスシーンから注目を浴びる存在となる。世界各地でパフォーマンスやワークショップを行い、これまでに訪れた国は20ヵ国以上。2013年より舞台公演をスタートし、2016年の単独公演「Wonderful Clunker- 素晴らしきポンコツ- 」では初のロングラン公演を達成。東京・大阪を含む全国6都市での開催を果たし、約20,000人の動員を記録した。

    近年では世界屈指のビッグメゾンHERMESのファッションショーでのパフォーマンスや、音楽フェス「WEST GIGANTIC CITY LAND」への出演、MBS主催の「音舞台」にて夜の金閣寺を舞台にパフォーマンスを行うなど、活動の幅を広げている。また、Sonyの「Motion Sonic Project」の公式パートナーとして1年間にわたるプロジェクトに参加し、世界最大のテクノロジーフェス「SXSW」にてパフォーマンスを行う。同プロジェクトは世界一の広告賞である「カンヌ国際広告祭」のデザイン部門でブロンズ賞を獲得した。今後もBillboard LIVEでのパフォーマンスなど、これまで以上に活動の枠を広げていく彼らから目が離せない。


 


■祝10周年。今は、内定もらいまくりな就活生!

 

▲【s**t kingz(シットキングス)】新作舞台『The Library』PV (Music by. s**t kingz × starRo feat.Duckwrth)

 

TDM:まずは、結成10周年、おめでとうございます!率直に今のお気持ちはいかがですか?

 

 

shojis**t kingzありがとうございます。昨年10月に、10周年を迎えましたが、すぐに今回の「The Library」の公演準備を始めたので、あまり噛み締められてはいないです(笑)。ただ、進めていく中で、いろんな会場でたくさんの公演回数をやらせて頂けることが決まったり、starRoさんによるオリジナル楽曲や、公演に向けた素敵なスタッフさんとのPV作りなどができているのは、10年間続けることができたからなんだろうなと思います。10年前の自分たちには想像もできなかったことが実現できています。

 

 

TDM過去のインタビューで、チームの状況を2010年が小学生、2016年が高校生くらいと表現されていたんですが、そうなると、今回は大学生~社会人になったという感じでしょうか?

 

 

kazukis**t kingz今は、内定もらいまくりな就活生という状態ですかね(笑)。10周年だからなのか、アミューズさんと業務提携をしたからなのか、去年あたりから、やったことのないチャレンジがとても多いです。Billboard Live(東京/大阪)でのワンマンライブや、夏の音楽フェス「WEST GIGANTIC CITY LAND」にダンサーとして出演したり、メンバー全員30歳を超えてからの、新しいことに挑戦させてもらうのはなかなかできないことだと思うので、有難いですね。これからもいろんな経験をしていくんだろうなという未来と、もっといろいろやっていきたいという気持ちが強まりました。結成当初、一夜限りのユニットとして組んだので、10年経った今、さらにs**t kingzとしてやりたい思いが強まるなんて思ってなかったです。そして、意外にも自分たちはこういうこともできるんだなと新たな発見がたくさんあります。まったくしゃべれないと思っていた4人でトークショーを3年も続けさせてもらっているし、最近ではラジオ番組のレギュラーも持たせて頂けるなんて…人間やればできるんだなと思います。

 

 

TDM:5月からFMヨコハマで毎週月曜放送26:30~27:00「踊る門には福来たる」レギュラー開始もおめでとうございます。ラジオはいかがですか?

 

shoji:すごく楽しいです!毎日やりたいくらい(笑)。

 

kazuki : イベントを頻繁にやっている方ではないので、毎週聞いてもらえるのは嬉しいですね。

 

TDM:応援してくださるファンの方たちも増えてきたのでは?

 

shoji : ダンサー以外の人たちでs**t kingzのことを知ってくださる方が増えてきている感じはしますね。

 

kazuki : でも、いわゆるアイドル的な反応ではなく、しっかりとダンスを楽しみに見てくださっている方ばかりなので、それも僕らとしては有難く、嬉しい反応です。

 

shoji s**t kingz最近4人でショータイムに出る機会は減ってしまったんですが、今度、4人でワークショップをやらせて頂きます。最近は、舞台やラジオやテレビにも出させてもらっていますが、遠く離れた世界にいるわけではなく、s**t kingzがやっていることを、ダンスシーンにもいる人たちにも見てほしいし、若い人たちともコミュニケーションをとっていきたいので、普段同じシーンにいる人間がそういう活動もしているんだよってことを、ワークショップなども通じて伝えていきたいですね。

 

TDM : 10年たった今でも、90分以上の舞台作品同様、短い5分のショータイムでもじっくりこだわって作っているのでは?サラッと作る時もありますか?

 

shoji :ネタによりますね。サラッとノリで作るバージョンもありますよ。見た人の反応としても、すごく作りこんだネタが「いいね!」と言われることもあれば、サラッと作ったものがすごく好評な時もある。ガチガチに決めずに、音楽に身を任せて作ったものが、その時の自然なs**t kingzが出る時もあるんです。だから、どっちの作り方も大事にしていきたいと思っています。

 

■見どころは360度のセンターステージと完全オリジナルストーリー!

 

 

TDM:新作公演は過去最大規模の7都市ツアーということですが、今回の挑戦はどんなことですか?

 

NOPPONOPPO挑戦のひとつは、横浜赤レンガ倉庫での公演で行う360度のセンターステージです。360度に見合った新しい面白い見せ方をするために、日々みんなで話し合っています。そして、そっちを見た人がホール公演を見にいらしても、飽きないようにする工夫をしなくてはいけないのも挑戦です。

 

shoji : どの角度から見ても、s**t kingzのお尻を見ながらでも(笑)、平等に面白く、でも角度によって見え方が違うように試行錯誤中です。今、物語の流れは全部決まっていて、全編オリジナル楽曲になれるように、絶賛楽曲制作中です。

 

TDM :「The Library」の見どころは?

 

shoji :ストーリーとしては、図書館に集まる仲のいい4人組がいて、普段は本を読んだり勉強をして真面目に過ごしつつ、4人が集まるとどうしても騒いだりふざけてしまって、周りから迷惑がられています。その中に1人、図書館にいるのに、本を読まない人がいて、なぜ彼が本を開かないのか…?というお話です。でも、どなたでも、何も考えずに見てもシンプルに楽しめる作品になるように作っています。

 

TDM:作り方について、2年前のインタビューで、個人割り振りではなく、みんなで一緒に作ったほうがいいシーンが増えてきたり、何かを決める時はじゃんけんで決めることもあるとおっしゃっていましたが、それは今回も変わらずですか?

 

shoji : そうですね、相変わらず、日々じゃんけんをしています(笑)。ただ、今回、今までと違うところとなると、今までで一番、考える時間が多いと思います。最初に打ち合わせしたのが、今年の1月なんですが、約6カ月たった今でも、ストーリーについて、日々細かい変更が出ている状態です。一度ストーリーが途中までできていましたが、ゼロになった時もありました。いいものを見せるために、納得できるまで作っています。

 

kazuki : 前回の「Wonderful Clunker-素晴らしきポンコツ-」では脚本としてヤマザキマリさんに入って頂いたんですが、今回はストーリーも自分たちで考えているので、やはり時間はかかっていますね。

 

shoji : とはいえ、複雑になりすぎず、観客の皆さんが一生懸命ストーリーを追わなくてもいいようにみんなで考えています。

 

TDM : 今回の作品を作る上では、どんな役割を分担してますか?

 

shoji shoji今回は、最初にストーリーのたたきを4人で決めたんですけど、それをダンスだけで表現するとなったら分かりにくいということで、一度白紙になり、その後、1人1企画ずつ持ち寄ったんです。ただ、誰か1人の企画が通ったというわけではなく、それぞれの企画から面白い要素を抜きつつ、新しいアイデアも入れながら、今回のあらすじを決めていきました。今回はいつも以上に4人で話し合っていて、2時間でもいいから会って、話して、でも、結局何も決まらずに落ち込んで帰ることもありますね。だからこそ、ストーリーが決まるのに半年かかりました。他の人が考えてくれたらどれだけ楽だろうとも思いますが、10周年記念公演で、どうすれば自分たちが今まで培ってきたものを一番よく表現できて、自分たちが見せたいダンスが見せれるかを考えた時に、人に考えてもらった話ではなく自分たちが考えたものをいろんな方からアドバイスを頂きながらより良くしていく方が、今回の自分たちに合ってるんじゃないかなという想いがあります。取っ組み合いのけんかはありませんが「こっちの方が面白い!」「いや、こっち!」という話し合いはしょっちゅうありますね。

 

■アミューズとの業務提携で広がった自分たちの可能性

 

TDM:高いスキルを持ちつつ、シンプルなところで思わずプッと笑わせてくれるのがs**t kingzの皆さんの魅力だと思います。ストーリーを作っていくために、それぞれが参考にしているものなどはありますか?

 

kazuki:もともとそれぞれが趣味で見てきた映画や本、舞台やライブで実際に経験したことなどからインスピレーションを受ける事もあります。あとは、個々の活動の経験が生かされてますね。

 

TDM:過去10年でのいろんな経験をされてきたと思いますが、大きな転機は?

 

shoji : まずはs**t kingzの結成したこと。次に、ヨーロッパにワークショップに行ったこと、BODY ROCKで2年連続優勝できたこと、これらはほぼ同時期なんですが、自分たちの活動の場が広がっていくという意味ですごく大きな転機でした。その後、4人だけで初めて舞台公演をやったこと、そして、最近アミューズさんと業務提携をしたことで、今まで自分たちがチャレンジできなかったところに足を踏み込めるようになって、大きな転機となりました。

 

TDM : そもそも、アミューズさんと提携することになったきっかけは?

 

shoji : 前作の舞台「Wonderful Clunker-素晴らしきポンコツ-」を役員の方に見に来て頂いたことがきっかけです。もともとアミューズの社員の方や、台湾のアミューズ所属アーティストの方が日本に見に来くれていたことを、聞いて興味を持って頂けたようです。提携後に徐々に自分たちの可能性が広がることを感じてきて、とても有難い関係だなと感じてきました。

 

提携するタイミングもすごくよかったと思います。多分、もう少し僕らが若かったら、自分たちのやりたいことやかっこいいと思うものだけをやっていたかったと思うんです。でも、10年の活動の中で、一旦自分たちのかっこいいと思うことはある程度やらせてもらったし、自分たちが「それって大丈夫?」と思うことでも、周りの方に「やってみたらいいんじゃない?」と言われて、実際にやってみたらいい方向に出ることもあります。自分たちが思うかっこよさと周りが見ているカッコよさは違ったりするんですよね。「この人たちはきっとこれをやったらかっこいいだろうに」って傍から思ってもらえる視点は、自分たちだけだとわからない。

 

アミューズさんという今までいろんな人たちを見てきた方たちから言われた時に、「じゃあ、やってみようかな」と受け入れることができます。その一例として、昨年は「音舞台」というイベントで京都・金閣寺で踊らせて頂く機会も頂きました。まさか、オペラの方やバレエダンサーの方がオーケストラの演奏で踊る場に、ストリートダンサーが参加するなんて想像もつかなかったけれど、提案して頂けて、参加できて、本当に光栄でした。金閣寺でパフォーマンスを見てくれた方々からも、ストリートダンサーってこんなこともできるんだと気づいてもらえた機会にもなりました。自分たちがこういう面白いことや、誰もやったことのないことをもっと続けて、結果として、僕らの後に続く若い人たちの道を作っていけることにもなれたら嬉しいですね。

 

TDM : 今後、会ってみたい人はいますか?

 

Oguri Oguriいっぱいいるなぁ…。NOPPOが教えてくれた、Netflixにアート・オブ・デザインというドキュメンタリーがあって、そこに出ていた舞台美術を手掛けるデザイナーのエス・デブリンさんは、ビヨンセやカニエ・ウェストなどのステージも手掛けている人で、いつか関われたらすごいだろうなと思います。

 

shoji :今回アートワークでデザイナーの吉田ユニさんはずっと出会いたかった人でした。テレビで吉田さんの特集番組を見て「なんてクリエイティブな人だ!」と思って、Instagramもフォローしていた方で、一生交わることのない人だと思っていました。ダメもとでオファーしたところ、お会いできることになって、OKを頂けました。まさか、s**t kingzのチラシを作って頂けるなんて、本当に嬉しかったです!気を使わせない、リラックスをしてお話しさせて頂ける、やわらかい印象のとても素敵な人でした。

 

kazuki : 僕らのラジオを担当してくれている構成作家の永井ふわふわさんもバナナマンさんや、おぎやはぎさんのラジオも担当していて、前々から知っていた方で、一緒にお仕事させてもらって、とても勉強になっています。

 

NOPPO : そうそう、永井さんの目線はs**t kingzに対して今までの目線といい意味で違ってくれるので、僕らも発見があるし、トークショーの企画なども面白いんですよ。

 

Oguri : 今回のPV撮影でお世話になった映像監督・針生悠司さんやカメラマンさんもとても刺激を頂けますし、そういったクリエイティブなモノづくりな人たちとこれからももっともっとご一緒していきたいですね。そういう皆さんが僕らを調理してくれて、それに僕たちがどう反応できるのかは、自分たちも知らないs**t kingzを引き出してもらえるので面白いです。

 

kazuki : 芸人さんとかもコラボしてみたいね。無言劇とかを一緒にやれたら面白いかも!誰とコラボしてみたい?

 

Oguri :俺はシソンヌさん。

 

kazuki : 僕はバカリズムさん。ドラマの脚本も書かれているし、賢いですよね。

 

NOPPO : 俺もバカリズムさんとか、小林賢太郎さんとか。

 

shoji : 僕は、千鳥さんかな。いちいちツッコミを入れてもらいたい(笑)。

 

全員:いーねー!

 

 

■10年後もs**t kingzらしく自分の想像を超えていきたい

 

 

TDM : 最近聞いてる音楽、おすすめはありますか?

 

NOPPO : 最近ずっとリピートしています。宇多田ヒカル&小袋成彬さんの「丸ノ内サディスティックです。オブクロ(小袋成彬)さんにハマってます。

 

Oguri : NOPPOと先日中国でショーをした時に使ったのがRADWIMPSの「G行為」。結構ぶっ飛んだ歌詞ですが。日本でやる機会があればぜひ披露したいです(笑)。

 

shoji NHKの「びじゅチューン」という番組が好きで、そのサントラです!移動中によく聞いてます。

 

kazuki Sweet Wiliamの「Art?」。クラシックな始まり方するけど途中からアがります。向井太一くんとかCEROも好きです。日本人ばかりになりましたね(笑)。

 

Oguri:でも、最近日本人のアーティスト、おしゃれな音楽作る人が増えてきたよね。

 

TDM : ありがとうございました!では、最後に、10年後の目標は?

 

shoji : 10年後は43歳!ダンスが自分のためだけになるんだったら、スタジオやクラブのフロアで踊るだけでいいと思っています。ダンスはずっと好きだと思うので。でも、自分の踊りが誰からも必要とされてなさそうだなとなったら踊らなくなるのかな…。

 

ただ、その時の自分にしか魅せれない踊りがあることを期待しています。あとは、10年後もまったく同じことをしていることにはしたくない。10年前の23歳の自分は、サラリーマンでしたし(笑)、今の自分を絶対想像できないので。10年後も、今自分が考えつかない自分がいいと思います。

 

kazuki kazuki41歳だ。無理して踊り続けたいとは思わなくなっています。s**t kingzとして何かを続けられてたらいいな。もちろんもっと活躍した状態で、ステージには立ちたいですけど。今年生まれた子供も10歳になっていますし、今と同じ生活よりはグレードアップして、研ぎ澄まされたライフを過ごせてたらいいですね。

 

Oguri : 俺は、もう少し気持ちに余裕を持って生活できてたらいいですね。プレッシャーを今以上に楽しみながら、「ちゃんとやらなきゃ!」と思いすぎずに、面白いことができているようなマインドを作り上げていきたい。

 

shoji : でも、Oguriは追い込むタイプだから、余裕ができればできるほど、そこの隙間に何かを詰め込んでいきそう(笑)。

 

Oguri : そっか…確かに(笑)。ダンスも楽しいと思う限り続けますが、しんどいと思ったら一度離れるかもしれない。だからこそ、ずっとダンスも人生も楽しんでいきたいです。

 

NOPPO s**t kingz10年後のダンスとしては、s**t kingzが踊ったら味や生き様が出るね、と言われたり、シンプルな表情で踊ってるのに、涙が出てくるとか、その見せ方のできる領域にいきたいですね。これだけ長く踊ってきて、チーム活動も続けているので、そういう味が10年後には出てきてるんじゃないかなと。しかも、そこをひけらかすのではなく、無理をせず、自然に出てたらいいですね。

 

最近は新たなチャレンジでいい意味で自分に刺激になる程度の無理もしていますが、4人の関係性はまったく変わっていないので、良さは変えずに、いつも通りいけばうまくいくんじゃないかなと常に思っています。s**t kingzのイメージや関係性が崩れるような無理はしたくない。そこのバランスはずっとうまくやってこれている気がするし、だから10年もやっていけると思います。これから先も不安がないですね。

 

TDM : 素敵な絆を感じるお時間でした!本番を楽しみにしています!ありがとうございました!

 

■関連リンク:[PICK UP]結成 10 周年記念 s**t kingz 新作公演「The Library」過去最大規模の全国7都市開催!

 

interview & photo by AKIKO & imu
edit by imu
’18/08/09 UPDATE

 

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tokyodancemagazine

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