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Shiori Murayama

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世界を舞台に日本人ダンサーの活躍が目覚ましい昨今、コロナ禍から活気を取り戻し始めた世界のエンタメ界に挑戦しようとしているダンサーがいる。2022年の暮れにGENERATIONSの全国ツアー27公演を終えたばかりのダンサーShioriだ。幼少期からEXPGで学んだダンスと、留学先のL.Aで培った確かな実力を武器に、さらに大きな舞台を目指す彼女に、ダンス観や今後の夢を語ってもらった。

これから世界を目指すダンサー、夢を持つキッズたちにもぜひ読んで欲しい。


 

・Shior Murayama

6歳の時ダンスを始め、2007年から2013年までEXILEライブツアーやテレビなど多数出演。2016年単身渡米し、2017年に一回目の挑戦でMonsters of Hiphopのキャストに選ばれショーに出演。その後アメリカの有名な振付師のアシスタントをしながら多数のショーに出演。2019年 Puma x Balmainライブイベント、2020年 H.E.R.とMissy Elliott のPepsi Super bowl コマーシャルでリードダンサーを務める。J Balvin “ROSA” MV など多数。日本に帰国後はBoAやGENERATIONSのライブに参加する他、さまざまな場面で活躍中。

Instagram:@seeee26


 

■9歳でEXPGの特待生に

 

TDM:ダンスを始めたきっかけを教えてください。

Shiori:ダンスを始めたのは、EXILEさんが紅白でキッズダンサーをたくさん使ってパフォーマンスしてたのを見たことですね。何度もビデオを見てテレビの前で真似して(笑)。そこからスポーツクラブのキッズダンスから始めて、小学校1年くらいから地元の横浜のダンススタジオに通っていました。そのときの先生がEXPGに移動することになって声かけていただいたことがきっかけで、9歳のときにEXPGに入り、その年の特待生オーディションで特待生となりました。そこから高校生までEXPGでダンスを学んで、「めちゃイケ」などのメディアにも出させていただいたり、ライブに出演する機会もたくさんあったので、そういうのに出れるのが嬉しくてがむしゃらにやっていました。

TDM:EXPGを卒業した理由は何だったのでしょう?

Shiori:中学生の頃、ガールズグループのオーディションにもチャレンジして、専念したんですけど、結果ダメで、それがすっごく悔しかったと同時に、「私は、ガールズグループとしてデビューするのではなくて、もっとダンサーとしてやっていきたいのかも…」という気持ちに気づいたんです。

それまでも海外ダンサーのワークショップなどは受けていましたが、他のダンスシーンや、もっと外の世界を知りたいと思いEXPGを卒業することにしました。その時期にちょうどできた渋谷のEn Dance Studioをはじめとする多くのダンススタジオでレッスンやワークショップを受けまくるという日々が始まりました。

TDM:外の世界に出てみてどうでしたか?

Shiori:「自分よりダンスの上手い子めっちゃいるじゃん!」と思いました。自分は長年ダンスをやってきたので正直自信はあったのに「あれ?」みたいな。人と比べるのは良くないけどこの頃の自分はそう思っていました(笑)。皆個性もあるし、純粋にダンスに向き合って楽しんでいる子たちに会って、また違う刺激を受けたんです。

 

 

ダンスをボディランゲージとして通じ合えた

 

TDM:誰のレッスンを受けていましたか?

Shiori:AkanenさんやMiki Emuraさんです。Mikiさんは、ちょうどL.Aから一時帰国していたタイミングで、IZUMI COMPANY主催のPALETTEで、Lee Danielというダンサーが初めて日本で出したナンバーに一緒に出たのをきっかけに知り合って、レッスンを受けてみたんですが「こんなにも(自分と)ダンスが合う人がいるなんて!」と衝撃的でした。初めて受けたレッスンでいきなり「じゃ、Shioriちゃん1人で踊って」と言われて、「え!?1人で!?」と動揺しちゃって、それまでは普通に踊れていた振りが、1人になった瞬間頭から飛んでしまって何も踊れなかったんです。それが悔しくて、「この人からもっと学びたい」と思って、Mikiさんのレッスンに通っていました。彼女のダンスやクラスの雰囲気を通して、L.Aのグルーヴやパッションを勝手に感じとっていた感覚があります。もともとHIP HOPが大好きだったのもあって、私もL.Aで学びたいと思って、いろいろ調べたり、高校時代から留学の準備をしていました。

TDM:留学の準備はどのようなことをしていたんですか?

Shiori:ずっと留学すると決めていたので、日本で開催されるダンスキャンプとか、海外ダンサーのワークショップは顔見知りになっておくためにもできる限り受けるようにしました。高校3年生のときに、下調べとして2週間程短期でL.Aに行ったときにも、いろいろな先生のクラスを受けて覚えてもらうようにしました。日本でワークショップを受けたことのある先生が憶えていてくれて「一緒に踊ろう」って言ってくれたり、知ってもらうと最初からちゃんと見てくれるんですよね。

留学してからも、高校生の間に一緒に踊ってきた経験があったから先生たちが覚えてくれていたし、知り合いがいるということが気持ち的に楽だったので、そのことはかなり下地にはなりました。

他には、自分の中で〝英検2級とったら留学にいける〟という目標を立てて合格までがんばりました。知り合いに英会話を習ったり、できるだけ英語に触れるようにして準備していたんですけど、向こうに行ったら全然違いましたね。英語のスピードが速いし、どんなに書けても結局は耳と口だから、最初は慣れるのに必死でした。

TDM:言葉の壁はどうやって克服したんですか?

Shiori:3カ月くらいで耳は慣れたので、できるだけ向こうの人に話しかけて、友達を作ることをがんばりました。レッスンの後に自分から話しかけてみたり、名前を聞いてもすぐに覚えられないと思ったので、インスタのアカウントを聞いて、アカウント名のスペルで正しい名前を把握して、次に会ったときにその子の名前をちゃんと呼べるようにしました。スペルで「この子の名前こんな感じだったんだ!」と、耳で聞いたのと全然違ったりするんですよね(笑)。そうやって友達を積極的にたくさん作るようにしました。言葉がたどたどしくても、向こうの人たちは気質的にフレンドリーだし、ダンスという共通点があるから仲良くなれましたね。先生たちにピックアップしてもらって踊ったり、皆にダンスを見てもらうことでコミュニケーションに繋がったりもしました。

TDM:ダンスで一目置かれることで、コミュニケーションもスムーズになったんですね。

Shiori:それはあるかもしれません。ダンスをボディランゲージとして通じ合えた部分はとても大きかったです。言葉が通じなくても、ダンスを通してパッションなどは伝わるから「ナイスだね」とか温かい言葉をかけてもらったりもしたし、それはとても大きかったですね。

 

 

■オーディションでは、とにかく自分を出す!審査員の目を見て踊る!

 

TDM:Shioriさんが感じたL.Aと日本のダンスシーンの違いはどんなところですか

Shiori:クラスの雰囲気が全然違いますね。日本では完璧に振りを間違えないようにとか、先生の真似をして踊るとか、真剣に先生に習いにきている感じで、L.Aは、とにかく自分の色を前面に出してセッションしている感じ。明るくて皆ノリがよくて、レッスンを受けるというよりはシェアする感覚に近いです。それに比べると日本のレッスンは静かでみんな学んでるって感じですね。先生と生徒というのがはっきり分かれてる。その差はすごく感じました。日本人特有の真面目さもあり、トレーニングをし、基礎があるダンサーが多く、振り覚えもとっても早い印象です。

TDM:L.Aでダンスの仕事はしていたのですか?

Shiori:学生のうちは働けなかったのですが、オーディションはたまには行ってみました。でも、そういうときは向こうの人って「私が一番!」っていうオーラ剥き出しで戦闘モードだから、最初はSAY HI!と仲良くしてくれるけど、そこからはライバル。その雰囲気に慣れていなかった時は「もっとこういうことした方がよかったのかな」とか自分を失いつつオーディション受けていたので、もちろんいい結果はでなかったです。

TDM:ふっきれたきっかけは?

Shiori:L.Aに4年弱居たので、慣れもあります。カレッジでは、ダンスメジャー(専攻)だったので、メジャーを修了するとOPTというビザがおりて、そのメジャーに合った仕事は1年間インターンシップみたいな感覚で仕事ができるという期間があります。その間にオーディションを受けまくりました。今まで仕事ができなかった葛藤をぶつけた1年でしたね(笑)。

TDM:オーディションの秘訣はありますか?

Shiori:とにかく「自分を出す!」ということです。あとは「審査員の目を見て踊る!」皆、個性が強いから、とにかく目を惹き付けるということはすごく大事だなと思いました。向こうの体格のいい人たちの中で、自分はヒョロヒョロでかなわないと思って、ジムに通ってできるだけ筋肉をつけるようにもしました。

あとは、フリースタイルをあまり得意としていなかったんですけど、オーディションでは、振付を踊ったあとに「ストップっていうまでフリースタイルで踊り続けて」と言われることが結構多くて、そうなるとアガっちゃって、「いい動きできてなかったな」と思うことが多かったので、帰国していたコロナの自粛期間に、家の駐車場で自分の好きな曲をかけてずっとフリースタイルで踊って、ある程度克服しました。

TDM:コロナの自粛期間は日本に帰国されてたんですね。どのように過ごしていましたか?

Shiori:ちょうどビザも切れたタイミングだったので、帰国していました。帰国後すぐ日本で仕事が決まっていましたがリハも本番もキャンセルになってしまったけど、発信を止めちゃいけないなと思って、海外のダンサーが上げている振付動画を見て覚えて、踊った動画をポストすることを繰り返していました。人の振りを踊るのが好きだし、動画だと自分のペースで振付を覚えられるので、意外に得意だなと思って、難しそうなコレオにも挑戦していました。周りから「コロナ期間中、一番踊ってたよね」と言われるくらい踊っていましたね(笑)。

仕事としては、GENERATIONSのオンラインライブに出たり、ダンススタジオが解禁になってからは代行したりして、2022年には、GENERATIONSのライブや、BoAさんの20周年ライブに出させていただいたり、DリーグのSEPTENI RAPTURESの作品や、NBAのハーフタイムショーに出たりしていましたね。

BoAさんの20周年ライブは、周りのダンサーもレジェンドしかいないし、こんなところで踊れるなんて!と嬉しい反面、とにかく渡された動画を確実に覚えていくレベルで対応しなきゃダメだと思って、脳みそフル回転で挑みました。でも、「また皆さんとご一緒できるように頑張らなきゃ!」と思った素晴らしい現場でした。どの現場もそうですけど、本当にいい環境でダンスができて感謝しかないです。

 

 

 

■ワールドツアーで日本に凱旋して家族に見てもらうのが夢

 

TDM:パフォーマーとして活動する中で、大事にしていることはなんですか?

Shiori:基本的にスケジュールが合えばなんでもやりたいタイプなので「何でもやります!」というスタンスです。ダンスに対して発信できたり、繋がれることはできるだけ繋がっていきたいんです。とにかく人前でパフォーマンスするのが好きなので、規模の大きい小さいとか、お金の良し悪しとかは関係なく、自分のダンスを見てもらえる機会があるならやるべきだなと思っています。

TDM:今後の目標を教えてください。

Shiori:とにかくツアーやステージが好きなので、誰もが知ってるようなアーティストのワールドツアーのダンサーとして日本に凱旋して、家族に見てもらうというのがずっと昔からの夢です。両親は、「Shioriの夢が家族の夢でもあるから、夢を諦めないでがんばってね」と言ってくれていて、兄も「お前、夢があってカッコイイな」と言ってくれていたりと、この夢を応援し続けてくれている家族に、ダンスを通して恩返しできたらいいなと思っています。

そして、モデル兼ダンサーみたいなこともしていきたいですね。ムービーや写真でも、いろいろな自分を表現できたらいいなと思っています。もちろんこれからもいい時も悪い時もあると思いますが、やりたいことを貫いて、さらに磨きあげて進んでいけたらいいなと思います。

TDM:最後に、同じようにこれから世界を目指していきたい若いダンサーたちにメッセージをお願いします!

Shiori:とにかく行動と、知識を得ることが大事!もちろん環境などで難しい場合もあるけど、いろいろ考えればやり方は必ずあって、今はSNSというプラットフォームが充実してるから、タグ付けてアップしていれば、うまくいけば見てもらえて繋がれたりもするので、やりたいことを見つけられたら、それに向かってひたすら調べて、行動して、というのを繰り返して欲しい。そして、きっと皆ダンスを好きでやっているはずだから、その「好き」という気持ちを忘れないで欲しいですね。

TDM:これからの活躍も期待しています!本日はありがとうございました!

 

photo by AKIKO

interview&edit by Yuri Aoyagi

’23/1/11 UPDATE

 

 

 

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tokyodancemagazine

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