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公演「Wonderful Clunker -素晴らしきポンコツ-」特集 s**t kingz

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2010年のインタビューで「ワンマンショーをやってみたい」と語っていたs**t kingzは、今、3回目となるワンマン公演「Wonderful Clunker-素晴らしきポンコツ-」の制作活動で大忙し。この6年の間に、成長し、世界的影響力を高め、THE“シッキン”ブランドを確立した様に見えるのだが…?本作は追加公演も決まり、ダンス公演としては異例の全国6都市を巡る事が決定。この4人の才能と無限の可能性から目が離せない。

 

  • s**t kingz図1

2007年10月結成。shoji, kazuki, NOPPO, oguriの4人によるダンスチーム。アメリカ・カリフォルニアにて開催されたダンスコンテスト、BODY ROCKにおいて、2010年・2011年と二年連続優勝を果たす。国内外を問わず、数多くのアーティストの振付やバックダンスなど、著名なアーティストと競演するとともに、10カ国を廻るヨーロッパツアーをはじめ、アメリカ、アジア、オセアニア等、世界各地でワークショップやパフォーマンスを行っている。
2013年には、初の単独公演となるTHIS SHOW IS s**tを開催。初演は30分でソールドアウトとなり、再演を含め延べ5000人以上の動員を記録した。
2014年には、WEEKDAY PLAYDAYを東京と大阪の2都市開催を実現させた。
2015年には、フィリピンにて短編作品を公開、更には音楽フェスa-nationに出演する等活動の幅を広げている。

 

 

僕たちで考える世界をはるかに上回る壮大な作品。

 

TDM 今回「Wonderful Clunker~素晴らしきポンコツ~」のズバリ、見所は?

 

shoji 物語は、1人のサラリーマンがあまりにもポンコツ過ぎて、職場から逃げ出し、公衆トイレにたどり着くところから始まります。s**t kingzの今までの作品との違いは、主役がいること。今までは4人並列な関係だったんですが、公演全体を通して1人が主役の作品は初めてなので、作品の創り方や見せ方が今までとは違います。主役以外にも、いろんなキャラクターが出てきますので、それも見所ですね。今までのものに比べるとヤマザキさんの脚本によって作品に深みと厚みが出ていますし、シッキンの目指す楽しい部分もあるので、とにかく何も考えずに楽しみに来ていただければと思います。

 

 

TDM 今回、テルマエ・ロマエの原作者でも知られるヤマザキマリさん書き下ろしの脚本ということですが、どういった経緯だったのでしょうか?

 

 

shoji
p06まず、どんな設定がいいかを話し合った時に、Oguriが「ドアで仕切られたトイレが4つ舞台上にあって、皆が出たり入ったりしたらおもしろくない?」というアイデアを出して、皆で「それいいね!」となりました。また、今までの公演は、作品内容を全部自分たちで考えていたんですが、今回は違う視点から物事を描いてもらい、それをs**t kingzが表現することに挑戦したいと思っていたので、脚本をどなたかにお願いすることにしました。「どなたにお願いすれば、s**t kingzらしさを残しつつ、いい作品が作れるだろう」と考えた時に、全員漫画が大好きなので、漫画家さんが良いんじゃないかと。そして、今回の舞台設定は“トイレ”でいきたいし、“水回り”のことだったら…と、ヤマザキマリさんの名前が挙がり、ダメもとでお声を掛けさせて頂きました。すると、「まず、会いましょう」とすぐに返事が頂けました。

 

ヤマザキさんはイタリアに住んでいらっしゃるので、日本に来るタイミングで、お会いできました。すごくフランクで素敵な方で、ざっくばらんに互いにやりたいことを話した結果、脚本をお引き受けして頂きました。すごく嬉しかったです!

 

 

TDM
できあがった脚本を読んでいかがでしたか?

 

 

Oguri oguri僕たちが考える世界をはるかに上回っていました。僕たちだけだと、舞台で描けることを優先に話を考えがちなんですけど、そういうのは一切関係なく、思い切り壮大な作品を渡して頂いたので、正直、ワクワクしつつも、「これを4人でどう表現すればいいんだろう」と不安も感じました。その後、こちらからの希望も出させてもらいながら、最終的な脚本になりました。どう表現できるか、挑戦でもあります!

 

shoji 「せっかくヤマザキさんとコラボするんだったら、こういうこともやってみたい!」という意見を踏まえながら脚本のやり取りを進めたので、ヤマザキさんらしさも出ているし、s**t kingzらしさも出ている作品になっています。

 

 

TDM
その後、ダンスの振付などを進めていく中で、ヤマザキさんにビデオで見てもらったり、どのようなやり取りがあったのですか?

 

 

kazuki
ダンスの内容は全部僕たちで決めていきましたが、セットについての相談はヤマザキさんにしました。

 

 

shoji 主にトイレ相談ですね。ヤマザキさんは世界中のトイレに詳しいんですよ(笑)。

 

TDM トイレを舞台にしてストリートダンス公演をやろうと思うのは、s**t kingzさんだけかもしれないですね。

 

 

Oguri 僕たち、シッキン(=失禁)なんで。そこは一度やっておきたいなと(笑)。

 

 

■6年で変わったこと、変わらないこと。

 

TDM シッキンというチーム名になった経緯は、前回のインタビューで答えて頂きました。あれから6年経ちますね。あのインタビュー以降、会社を創設されたり、舞台公演をはじめたり、いろんな活動をされてきていますが、ご自身として何か変化を感じますか?

 

 

shoji
p02すごく変わりましたね。あの時が小学生だとしたら、今は高校生くらいになっている感覚です。あの時は、クラブイベントに出たり、チームでレッスンをしたり、海外に呼ばれはじめたり、s**t kingz 4人での活動が盛んになってきて、4人の関わりが強くなり始めた時期でしたね。当時の自分たちのダンスを表現する場所は、クラブがメインでした。今ではワンマンで舞台公演を3回もやらせて頂いたり、音楽フェスに出させて頂いたり、いろんな企業とおもしろいことができる機会も増えてきました。この6年で、いろんな人たちからチャンスを頂いて、格段に広がりましたね。「ワンマンショーやりたい」と言っていたあのインタビューの頃に、まさか本当にこうしてブルーシアターで10日間公演をやるなんて思ってないと思うので、今、じんわり感動してます(笑)。

 

 

Oguri
「もう6年。でも、まだ6年。」という感じもしますね。もちろん、考え方や、踊り方も、別人なくらい変わった部分もありますが、いろんなことがあり過ぎて、毎年一瞬で1年が終わるので。でも、4人の居方はこの時と変わってないですね。今もひとつひとつ、時間はかかっても、いちいち4人で話し合って考えていくやり方です。そこが変わったら、s**t kingzとして居なかったかもしれないです。これからもそこは、いちいち、します。この時も今もじゃんけんでいろいろ決めるしね。

 

 

shoji そうそう(笑)。きっと根本は変わらないね。
NOPPO ホント、それだよね。踊る場所は変わるけど、やり方は変わってない。

 

 

kazuki kazukiでも、あの頃よりは、4人で話し合ってひとつのものを作る様になったよね。前はそれぞれに割り振って、考えてきたものを持ち寄ることが多かったけど、舞台をやるようになってから、それぞれに割り振ると作れないものが出てきて、4人で動きながら作った方がいいものになることが増えました。

 

 

■僕たちは変わり者です(笑)。

 

TDM
踊り方が変わったとおっしゃっていましたが、理由は何だと思いますか?

 

 

Oguri
やっぱりいろんなものを観て、いいものは取り入れるように無意識にしていますけど…、歳をとるからかな。

 

shoji shoji日本だけのダンスを観ていた時は、「これはこうあるべき」と自分の中でルールがあったんですが、海外のダンサーたちの踊りを見ると、「こんなのアリなんだ!」という気付きがあります。舞台を観た時でも「こういう曖昧さは許されるんだ。」とダンス以外のものに触れることで、発見できることもあります。

 

TDM 自分たちらしいダンスの特徴として何か意識しているポイントなどはあるのでしょうか?

 

 

NOPPO noppo周りから見たらあるかもしれないですが、自分たちには「これだからs**t kingzぽいよね」という意識はないですね。僕たちそれぞれずっと同じ道を走るのは好きじゃないので、毎回毎回いろいろ変化させながら作っています。最初は、僕らも外国人に憧れて、いろんなものを観て、作り方や踊り方も変わっていって、僕ら4人それぞれ踊りのバックグラウンドが違うことも取り入れて、曲を大切にしつつ、いい意味でごちゃまぜな今の作り方ができました。たとえば、ただ頭を抱えるだけとか、日常のちょっとした仕草で歌詞にかっこよくハメていたり、身体の使い方が面白いダンスを見ると影響を受けることがあります。すると、ダンサー以外の人に、わかりやすくなったのか、ダンスを「かっこいい」と言ってもらえるようになりました。

 

 

Oguri
僕たちとして確立している感覚は無くて、だからこそ変わり続けられています。もちろん、それぞれ好みはあるので、良くも悪くも毎回似たポイントはあると思いますが、そこにこだわらずに常に好き放題やっている感覚です。

 

NOPPO
僕たちは変わり者です(笑)。かっこいいダンスをするのも好きなんですけど、人と違ったこと、誰もやらないことにもワクワクします。

 

 

■次なる目標は、自家用ジェット!!! 

 

TDM 将来、例えばまた6年後、2022年には皆さんはどうなっているでしょうね。
 
shoji
あ、またここで喋ったことが、6年後には叶ったりするかもしれないから何か言っておこう(笑)。

 

 

kazuki p04うん、トウキョウダンスマガジンで話すと叶うかもしれない…。じゃ、自家用ジェットで海外行きたい放題になって、「明日アメリカでやるワークショップに来て。」って言われたら、行ける生活になっています。
全員 (笑)。

 

 

shoji あと、2022年には世界中で僕らの公演をやっているので、PARCOさんにジェットを買ってもらって、飛び回りたいですね(笑)。

 

Oguri
僕は、健康でいられればいいです。6年後は36歳なので、今より身体が動いてて、若々しくいれたらいいですね。ビールが好きなので、痛風に気をつけます。あとは、自家用ジェットがあればいいです。

 

 

全員 (笑)。

 

 

NOPPO
s**t kingz×○○という感じで、ダンスにこだわらず、例えばファッションでもアートでも、みんながワクワクするようなコラボレーションがいっぱいやりたいですね。…やってます。

 

kazuki 東京オリンピックでも何かやった後だろうしね。

shoji p05うんうん。あとは、2020年はドバイの万博もあるから、その日本ブースも担当してるね(笑)。あと、アメリカのダンスドラマの主役もやっています。

 

 

Oguri ブロードウェイはもう出てるかな?

 

 

shoji
うん、出てる。今は「ライオン・キング」をやってますけど、2022年はs**t kingzがやってます。

 

kazuki
「シット・キング」だね。

 

 

全員 (笑)。

 

 

TDM 夢はまだまだ膨らむということですね!最後に、なんと、地方での追加公演も決定したとのことで、各地で会えるみなさんにメッセージをお願いします。
 
Oguri
今まで、遠くて観ることが出来ないという声を目にするたびに胸を痛めていたんですが、ついに皆のところに行けることになったので、この機会を逃さず会いに来てほしいと思います。

 

 

kazuki 作品内容は同じではありますが、各会場のお客さんによって空気はきっと変わるので、それによって僕らのアドリブも変わると思います。是非、もし時間と余裕があればいろんな会場でご覧になってもらえたらと嬉しいです!

 

shoji 地方の方も、東京でのチケットを買ってくださった方は「こっち来るんかい!」と思ってらっしゃるかも知れませんが、東京で観た後でも「これはまた観たい!友達100人連れていく!」と思ってもらえるように、全力で制作していますので、何度も何度も観てもらえたらと思います。あと、公演ごとにウォールステッカーが違うので、全種類コレクションしてもらえたら嬉しいですね。今回もいろんなグッズを用意しているのでそちらも楽しみにしていてください。頑張ります!!

 

 

NOPPO
・・・です!!!

 

 

全員 (笑)。

 

 

TDM
6年経っても変わらぬナイスコンビネーションでしたね。新作公演も楽しみにしています!ありがとうございました!

all

 

[PICK UP]s**t kingz 新作公演「Wonderful Clunker -素晴らしきポンコツ-」

 

 interview & photo by imu

’16/09/02 UPDATE

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tokyodancemagazine

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