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SSDW2020特集 Nazuki

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アンダーグラウンドシーンのみならず、安室奈美恵、BOA、Crystal Kay、東方神起など、国内外の名だたるアーティストのバックダンサーとして活躍してきたNazuki。現在は、出産、子育ての経験から考案した〝発育ダンス〟を提唱し、レッスンだけではなく講師育成にも力を入れている。今年の11月に開催されるSSDW2020でも発育ダンスの講師を務める事になった彼女に、脳育ダンス考案のきっかけや、コロナ自粛を経て変わった価値観などを聞いた。

 


 

 

  • Nazuki

Crystal kayをはじめ、安室奈美恵BOA東方神起などバックダンサーを務め、海外アーティストではFargie、NELLY、Flo Rideなどのバックダンスにも携わる。現在は、多数のアーティストの振り付けも手掛けるダンサー。2017年に男の子を出産し、ベビトレヨガ、乳幼児教育アドバイザーの資格を取得し、0歳からの発育ダンスのレッスンがスタート!
0歳から発育ダンスの講師資格も自身で作り、育成なども手掛けている。

instagram:@nazuki_08


■出産をきっかけに着想した発育ダンス

 

TDM:発育ダンスを考案したきっかけは?

Nazuki産後にママさん向けのトレーニングをやり始めたのがきっかけです。ダンサーでヨガのインストラクターでもあるotaeと、産後の骨盤矯正なども含めたワークショップを一緒にやったら、今は子育て中の昔ダンスをやってた子や生徒たちや、私と同じくらいの子を持つお母さんたちが来てくれて、定期的にやって欲しいという声が多くて、月に1回子連れOKのママさん向けのトレーニングを始めたんです。

1年くらい続いて、受けてくれるママの子供たちも1歳くらいになってきた頃に「子供にもダンスをやらせたい」という声が増えてきたんですけど、一般的に習い事としてのダンスは、だいたい3歳くらいからなので、月齢の子がやれるのはリトミックなどしかなかったんです。「だったらやってみようかな」と思ってやり始めたら、まぁ…本当に大変だったんですよ(笑)。ほぼ保育士さん。

子供の心を掴む所から始めなきゃいけないから、ダンスのダの字も教えられない。「これは今までやってきたレッスンとはわけが違うな」と痛感して、もっと子供の事を勉強しないと教えられないと思いました。

TDM:そこからどのように構築していったのですか?

Nazukiレッスンを始める前に、子供とママに向けた〝べビトレヨガ〟という資格は取っていたんです。そのメソッドを自分なりにピックアップしてママさんトレーニングに取り入れていた事もあって、もう1つ、子供の食育や五感、発育、脳育、ママの心理学などいろいろな事を勉強できる〝乳幼児教育アドバイザー〟という資格も取ったのですが、勉強しているうちに、子供のレッスンでやっている事が脳の発達のために凄くいい事に気づいたんです。

「こうしていくともっと発育にアプローチ出来るかも」という事を自分の中で考えて、取り入れていったら、他にやっている人がいないので、自分のオリジナルに特化したものが出来ていきました。いわゆるダンスを教えるわけではないから、いい意味で誰でも出来るような〝発育ダンス〟というのを自分の資格として作って、ダンスをしててママになったけど、出産後もまたダンスに関わった仕事をしたいという人の育成も出来たらいいなと思っています。

TDM:実際に発育ダンスのレッスンを始めてどれくらいですか?

Nazuki2年目です。コロナ前には一度に15人くらい集まって、大人15人は慣れてますけど、子供15人はカオスで(笑)、1人では見切れなくなったので講師を育てつつアシスタントを…と思っていた矢先にコロナで一旦振り出しに戻ってオンラインだけになってしまいましたが、今は少しづつ復活しています。

今年の9月から、仙台、広島、奈良、横浜などで資格を取ってくれた各講師が教えることになったので、このまま継続して自分のブランドを全国に広めていきたいですね。次回、第2期募集は年明けになるかなと思っています。

 

 

 

■無意識でやってる事を具現化して分かりやすく伝える

 

TDM:そもそも発育ダンスとはどういうものなのでしょうか?

Nazuki例えば、冷たいアイスコーヒーを〝冷たい〟と思って飲むと「冷たくて美味しい!」と思うけど、〝温かい〟と思って飲むと「あれ!?」ってなるじゃないですか。そのように、人間の動きは全て脳から指令を出しているんです。大元は子供の頃から作られていて、人は生きている中で、いろんなものを見たり触ったりして人間形成が出来ている。それが赤ちゃんはまっさらなんですよ。だからお母さんがする事、お母さんにされる事全てが人間形成の元になって脳が発達していくんです。

ダンスのレッスンで大人は普通に先生の真似してますけど、あれは子供にとってはすっごく大事なことで、人と同じ事をするという模範力が付くんです。大人もそうですが、脳を使って身体で覚える。右左前後が分からなくても「みぎ、みぎ」と言ってたら「こっちが右なんだ」とかダンスを使って覚えていけるんです。

そして五感も鍛えられる。とにかく、お友だちと手を繋いだりする触覚や、先生の動きを見る視覚、音楽を聴く聴覚などですね。音楽の種類は何でもいいんですけど、いろんな音を聴かせて、音を感じることで、リズム感も養う事が出来るんです。

TDM:それは子供の脳にとってはとてもよさそうですね。

Nazuki脳だけではなく、体幹力も付きます。レッスンでは2歳前から逆立ちやブリッジをやらせるし、ふにゃふにゃしてる所、例えばお母さんの太ももなどを一生懸命歩くことによっても体幹力が付いたり、目のトレーニングをするだけでも体幹力が付くので、いろんな事をします。

無意識でやってる事をもっと具現化して、それを子供に分かりやすく「じゃあ今日はグーパーの練習ね」とか〝頭を使いながら身体で覚えていく〟という事をします。

脳には、前頭葉、後頭葉、側頭葉などあって、結局、身体作りも筋肉作りもそこを使って脳から指令を出してるから、全て頭を使うので、脳にいいイコール発育に役立つんです。そういった、主に脳の発達にアプローチしてるダンスレッスンです。

TDM:大人のレッスンとは違うと思いますが、一番気を付けている事は何ですか?

Nazuki教え方ですね。全て大きくフルアウト(笑)。大きくやらないと分からないので力抜けないです。あと、声のトーンもハリのある声を出すように気を付けています。子供心を掴むために自分が子供に寄り添う。でも、だからといって子供軸になるというわけではなく、とにかく全力でやる。それがイコール子供に寄り添うという事だと思うので。

でも、子供との距離感を縮めるのは結構大変で、全員が私に馴染むわけではないから、今はあげてないですけど、最初は休憩タイムにお菓子あげたり試行錯誤でした。

 

 

TDM:子供を集中させるのは大変そうですね…。

Nazuki子供の集中力は最初はほぼ途中で切れますよ。「疲れた~」みたいな。でも、それでもいいと思っていて、ダンスを絶対やらなきゃいけないという事ではなく「ここにくれば楽しい事が出来るんだ」くらいから始められればOKかなと思っています。だからママさん達にはいつも「期待しないで来てください」と言っているんです(笑)。

「うちの子はテレビの前でガンガン踊ってるから、きっとダンスが好きなんです」という子ほど全然やらない(笑)。でも、そこで「『うちの子ダンスに興味がないんだ』という考えにすぐ持っていかないでください」と言ってて、最初は皆そうだし、大人でもダンス教室にポンと連れて来られても出来ない方が当たり前なので、それと一緒です。親御さんとしては期待しちゃうんですよね。でも、「絶対出来ないから大丈夫です」と言っています(笑)。

TDM:今年のSSDW2020では、その発育ダンスをオンラインでレッスンされるという事ですが、オンラインという事で何か変わりますか?

Nazuki今までもコロナ禍ではオンラインでやっていたので、オンラインでも十分楽しめると思います。コロナになって初めてオンラインでやった時は、最初テレビの中のお姉さんみたいな感じで皆戸惑っていたんですけど、やっていくと慣れで「これはレッスンなんだ、NAZUKI先生なんだ」というのが分かってきてくれて、オンラインでも集中してやってくれます。自分で言うのもなんですけど、ママも見てて楽しいと思うし、子供が楽しんでやってくれるだけで、成長にとってはすごくいいと思います!

 

■自粛期間は人生を見直すいい機会だった

 

TDM:コロナの自粛期間を経て何か変わりました?

Nazuki私はたまたまコロナの前からこの発育ダンスの資格を作る事を考えていて、今年の3月からやる予定だったので、オンラインに切り替えて出来たからラッキーな部分もありましたが、やっぱり一度エンターテインメントがゼロになっちゃった事ですごく考えさせられました。

ダンサーって、今を生きているというか、今ある仕事を頑張って未来に繋げようという人が多かったと思うんですけど、それが決して悪いわけじゃないし、私もそうやって頑張ってきたんだけど、そうではなくて、本当に自分の人生の先を見て、逆算して今やるべき事をやっていかないとダメだなと再認識しました。そういう意味では自分の人生を見直すいい機会でしたね。日々先が見えなくて、1カ月先さえ見えない中で、どうしていったら幸せなのかを考えて、ワクワクするようなやりたい事を形にしたいと強く思うようになりましたね。

TDM:具体的には何をして過ごされていましたか?

Nazukiオンラインレッスンの他は、掃除とか家の事ばっかりしてましたね。あとは、自分と向き合う事ですね。自粛中に出会ったチャクラ()の講座をオンラインで受けたりしていました。21日間の講座で、子供の寝ている間に朝の8時から。子供が起きてきたらご飯作りながら聞いたり、アーカイブでまた聞き直したり。宿題や課題が多くてすごく大変だったんですけど、勉強してすごくよかったです。

 

)チャクラ:アーユルヴェーダやヨガにおける概念の中で、身体の生命エネルギーの中枢となる部位。

 

TDM:どうしてチャクラだったんですか?

Nazuki結婚して、子供が出来て、離婚して、2人だけの生活になって、とジェットコースターみたいな自分の人生の中で、表向きは華やかな仕事をしてても、悩んだり、どこかで「強くなきゃいけない」「こうでなきゃいけない」という思いに縛られちゃって、自己肯定感が低かったんです。

でも、そういう「私よ!」みたいな感じじゃないと生き残っていけない世界だったし、だからこそ、ここまでやって来れたんだとは思いますが、そういう自分に疲れちゃって、発育ダンスをやるにしても、人に教えるにあたって自分が変わりたいなって思ったのと、ちょうど自粛のきっかけもあったので…。結局、心と身体は一緒だから、身体のトレーニングも自分との向き合いだし、心もトレーニングしていきたいと思ったんです。

TDM:ご自身で変化はありましたか?

Nazuki変わりましたけど、これで生きてきちゃってるから、やっぱり何かに直面するとまた心の癖が出て引き戻されちゃうので、その度に「戻さなきゃ」ってリセットしたりの、繰り返しです。右利きだったのを左利きに直すみたいな感覚で、無意識・意識を繰り返しながら、いずれ無意識でも出来るようになるんじゃないかな。

 

 

■ゆくゆくはNAZUKI塾を作りあげたい

 

TDM:以前TDMでインタビューをさせていただいたのは10年前なのですが、この10年はどんな10年でしたか?

Nazuki怒涛でしたね(笑)。結婚、出産、離婚、子育て。30代後半はずっとそんな感じで生きてた。ダンスはずっと続けていたけど、ダンスでスランプっていうのは感じた事はなかったかな。そういう思考がないのかもしれない。妊娠する前に、PInO君とMASAKI君とKEITAと私の4人で盛大にHARLEMでショーをしたのを最後に、妊活します宣言をしてクラブのショータイムとかは一切辞めました。何かを手放さないと何かを得られないと思ったんです。去年からクラブでのショーも少しずつ復活して、MIHO BROWNさんと一緒に踊ったり、GOTOさんと踊ったりしました。子育ての合間を縫って年に2~3回くらいですけどね。

TDM:今後の目標を教えてください!

Nazuki発育ダンスを第2期生、3期生と続けていき、講師を全国的に増やして確立していきたいなと思っています。ゆくゆくはNAZUKI塾みたいなものを作り上げたいです。私は塾長で校長先生のような感じで、講師を育てながら自分もやれる限りやりたいです。

ママさん向けの産後のボディメイクトレーニングをやるようになってから、ボディメイクにも興味があって、ダンスをやった事のない50代の方なども受けてくれたりしているので、〝ダンス〟と枠を括るのではなく、幅広く心と身体と向き合うトレーニングを自分なりに作っていきたいですね。

ただ痩せるとかだけじゃなくて、肩や腰が痛いという人が「整骨院に行かなくなった」とか聞くとすごく嬉しいし、そういう経過も見ていきたいので、もっと自分なりのメソッドを創りあげるために、身体の事をもっと勉強しようと思っています。そして、シニアや障害者向けのトレーニングもやりたいなと思っています。

レッスンに来てるママさんたちと交流すると「これうちのおばあちゃんにもいいかも!」という声を聞くんです。そういうちょっとしたママトークが「確かにいいかも!」とヒントになったりもしますね。夢のまた夢の話ですけど、いつかそういう事も出来ればいいなって思っています。

TDM:SSDWの発育レッスン、そしていつかNAZUKI塾の開校も楽しみにしています!本日はありがとうございました!

 

interview &edit by Yuri Aoyagi
photo by AKIKO
’20/10/16 UPDATE

 

 

★Nazukiの発育ダンスが無料で体験できるSSDW2020はコチラ!

 

SSDW公式HP:https://www.streetdanceweek.jp/

Instagram:@shibuyastreetdanceweek

Facebook:@Shibuya StreetDance Week

Twitter:@SSDW_official

 

 

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