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すずきゆうすけ「WDC 2020 SPECIAL EDITION」特集

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オンラインでも伝わる臨場感、胸を熱くする感動が存在する。新型コロナウィルスの影響を受け、オンラインで観覧・参加するダンスイベントが増える中、9月30日に開催される「WDC 2020 SPECIAL EDITION」に注目したい。事実上今年の通常開催は中止となってしまったWDCだが、今回だけの特別な形で濃厚なダンスコンテンツを届けてくれる。主催するfeelin’メンバーのすずきゆうすけ氏に今回の見どころや自身のダンスライフについて聞いた。この時期だからこそ出来る事は何なのか、ポジティブなスタンスから勇気をもらえたインタビュー。


 

  • すずきゆうすけ関東を代表するLOCKDANCETEAM 『DOWNTOWNBOUNCE』そして日本全国の主要メンバーで構成される『BRO of MADE IN FUNK』のメンバーとして活躍。独特のシルエットと抜群のリズムセンスで、バトル、コンテスト、振付等各方面で高い成績を残しており、日本国内にとどまらず、海外からの評価も高い。また自身の使用曲はシーンに絶大な影響を与えており、SHOW、バトルシーンにて使用するチームが多数。後進も育てており、都内を中心にゲストショーや、インストラクター、振付、ジャッジとして活躍中。日本開催の世界大会WDC、SUPER FRIDAY等feelin’のディレクション担当。<経歴>
    HOOKUP LOCK 優勝
    SUPER FRIDAY 優勝
    FUNKY CHICKEN 優勝
    OLDSKOOL NIGHT BEST4
    WDC LOCK 関東優勝
    WDC FREESTYLE1on1 world final BEST4
    FRANCE UNIVERSAL DANCERS 準優勝
    R16 WORLD FINAL in KOREA BEST4
    JAPAN DANCE DELIGHT FINALIST
    WCO舞台 『ID』『FAKEST』出演
    田口淳之介 PV 出演

■ダンサー・すずきゆうすけ

 

TDM:まず、ダンスを始めたきっかけから教えてください。

ゆうすけ:静岡県出身で、大学進学時に関東に出てきまして、それまでは全くダンスをしておらず、大学のダンスサークルがきっかけで踊るようになりました。TRFのサポートダンサーをしていたTAKUMIさんやRIKAさんのダンスを見て、楽しそうだなと思い順天堂大学のJUDに入りました。

 

同じ頃、通いやすい距離にRSC MASAMI STUDIOがあり、そこに「いかつい髭の外国人が教えに来るらしい」と知って受けたのがMR.Wigglesでしたね(笑)。そういったいろんな出会いがあって、だんだんダンスにハマっていきました。その後チームメイトになるSORIと会ったのは大学2年生の時でした。同年代の仲間は、大体、中学や高校から踊っている人が多く、皆ダンスが上手でした。地方から出てきて大学からダンスを始めた僕は「なにくそ!」という根性でここまで来ました(笑)。

 

TDM:最初から、ソウルやロックを選んでいたんですか?

 

ゆうすけ:そうですね。好きな音楽のジャンルがそっち系でした。

 

TDM:就職は悩まなかったですか?

 

ゆうすけ:せっかく大学まで行かせてもらったので、一度就職をし、幼稚園や保育園の体育の先生をやってました。ダンサーにはなりたかったんですが、当時はインストラクターのイメージしか無く、どうせバイトしながら踊るなら、ある程度稼げて時間を計算出来る環境にいた方がいいと思い、3年働いて、25歳で「よし、ダンサーになるぞ!」と、仕事を辞めました。

 

それまではコンテストやショーケースじゃないとダンサーとして名前が売れないイメージでしたが、ちょうどその頃、ダンスバトルがコンテンツとして流行り始めました。周りの仲間は仕事が増え、チームを組める状況ではなかったのと、バトルなら1人で出れるからちょうどいいと思い、バトルに出始めました。大阪のHOOK UP!というバトルに出て優勝した時に、急にひらがなでフルネームの聞いた事もない奴が誌面に載ったので、いろんな方に名前を知ってもらえるようになりました。

 

■「関東にもこんな奴がおるんや」

 

TDM:ずばりソウル、ロックの魅力は何ですか?

ゆうすけ:どちらも単純にかっこいい。そして、どちらも、とてもシンプルに分かりやすく思いの丈を人に伝えられるダンスだと思います。学生の頃からBE BOP CREWのSUSUMUさんとKAGIYAさんを見てきました。お2人ともサラッと踊ってるように見えて、よく見ると一つ一つに情熱が乗っかっている踊りをされているので、自分もそうなりたいと思いました。

 

上手く説明するのが難しいんですが、ロックはエネルギーを外に放出する感じで、ソウルは内側にある感じですね。例えば、ロックはバーで面と向かって熱く話していて、ソウルは横に並んで語っている感じですかね…僕なりの感覚ですが(笑)。

 

TDM:今までの転機や印象に残っている出会いや言葉はありますか?

 

ゆうすけ:15年ほど前、バトルに出始めた時に、ジャッジだったRICKYさんにサラッと「関東にもこんな奴がおるんや」と言われたんです。まだ僕は有名でも何でもなくて、バトルが終わった後にフラッと近くに来てくれて「どこの人?」「千葉です」「関東にもこんな奴がおるんや。頑張れ。」と言われて、ものすごく嬉しかったです。認められたと感じて、自信にもなりましたし、自分は間違ってなかったんだなと思えました。あとは、HANAIさんやU-KIさん、今のチームメイトと出会った事も大きいです。

 

チームメイトに関しては、俺だけ3つ年上だったんですけど、一緒に練習してくれて、そのままチームになってくれたので、出会った事に感謝してます。

 

 

■feelin’に加入。1人では出来なかった事が実現可能に!

 

TDM:今はどんな活動をしていますか?

 

ゆうすけ:今は、ダンスを教える仕事と、WDCやSuper Fridayなど、feelin’が運営するイベントのバトル部門のディレクションをやらせてもらってます。ディレクションと言っても自分が全て決めているわけではなく、ルール、ジャッジ、DJ、コンセプトなどを提案して形にしていく感じです。

 

TDM:いつからfeelin’のチームに加わりましたか?

 

ゆうすけ:6~7年前くらいにU-KIさんから声をかけて頂きました。僕も40歳になった今は分かるんですが、だんだん歳を重ねると、若い世代の声が届かなくなってくるんです。当時僕はバトルにも出ていたし若い世代とも繋がっていたので、U-KIさんから「若い世代を繋いでほしい。どうせやるならディレクションをやってみるのはどうかな?」と誘って頂きました。

 

僕はジャッジやゲストで国内外いろんな所に行く機会があるんですが、当時の東京は他に比べてダンスイベントが多過ぎている印象だったので、「個人で動くよりも、東京の中心にちゃんと入って、そこから発信する方が、自出来る事が多いかもしれない」と思い、feelin’に入らせて頂きました。

 

TDM:実際にスタッフとして活動してみていかがでしたか?

ゆうすけ:いろいろ気づく事がありました。遅かれ早かれ僕1人でも何かコンセプトを持ったバトルイベントはやっていたと思うんですが、ステージを組んで、音響や照明を手配して、ちゃんと売り物にする作業が、僕1人の考えではだいぶ荒かったと思います。

 

僕がイベントの中身を作らせてもらい、U-KIさんが外側の部分、スポンサーの方と話したり、撮影スタッフの人と「こういう角度で撮った方がかっこいいよね」とか話していて、最終的に僕も一緒に「こっちの方が臨場感あると思います」「OK、じゃ、そっちにしよう」っていう擦り合わせが、1人だったら出来ない。先輩方から良い視点を色々と学ばせてもらっています。

 

 

■配信イベントONE NIGHT STANDの成功

 

 

TDM:9月30日のWDC 2020 SPECIAL EDITIONは生配信という事ですが、同じく生配信で好評だった先日のONE NIGHT STANDの盛り上がりを受けて、期待は高まりますね。ONE NIGHT STANDをやってみて、どうでしたか?

 

ゆうすけ:まず、コロナの影響を受けて、結構早い段階でオンラインのコンテンツの準備をしていました。僕個人でも動画提出型のロッキンバトルKICKS OFFという、提出した動画をジャッジがリアルタイムで見て、直後にどういう理由でどっちが勝ちかを説明する部分まで放送しているオンラインイベントをやっていたので、準備の過程のイメージはある程度出来ていました。不安な部分もあったんですが、早めに準備をしていたので、早くやりたいという気持ちが強かったです。

 

コロナ対策を最大限に考慮しつつ、観客も小規模で入れたんですが、あの場にいた人全員が幸せそうでしたね。僕も出演したんですが、「久しぶりに人前で踊れた」「踊りを観れた」っていう喜びや優しさの溢れた空間になっていて、皆渇いてたんだなとビシビシ伝わってきました。現場では声を出さず、全部拍手で反応してくださいというルールにしていたんですが、マスクの中から「んん!!ん゛ぁー!!」と声にならない声が漏れていましたね(笑)。

 

結果、約600名の人が生配信を見てくださいました。当日は、導入した九州地方の豪雨災害義援金や各出演者に向けた投げ銭システムも結構利用してもらえて有難かったです。

 

あとは、リアルタイムで飛んでくるコメントをMC USKさんが拾って、ショーの後のトークで盛り上がっていたのも楽しかったです。U-KIさんがZAIKOという映像配信業者に依頼していたので、映像も音質もすごく綺麗なもので、音ズレなども無く、概ね成功じゃないかなと思います。

 

■ダンス観覧者の増加、現場の価値の高まり

 

TDM:ゆうすけさんご自身へのコロナの影響はどうでしたか?

 

ゆうすけ:仕事は全て無くなりましたが、国が結構サポートしてくれたので、いい休憩にもなったし、個人的にはダンスは現場で見たり感じるのがいいとは思ってるんですが、今回の自粛期間中にダンスを見る人を増やすいい機会になったんじゃないかなと思います。結局大きいクラブや会場でダンスイベントをやっても、生で楽しめるのは1000人くらいだと思うんですが、映像だったら世界中の何万人以上の人に見てもらえますし、今はテレビだけではなく自分たちで配信出来るので、今後は逆に映像の方が見やすいという意見も出てくるんじゃないかなと思います。

あとは子供といっぱい遊べて良かったです(笑)。4歳と2歳の女の子がいるんですが、何しても好きって言ってくれて今が一番いい時期ですかね。いつか好きとは言ってくれなくなるだろうし(笑)。

 

TDM:今後の理想のダンスライフは?

 

ゆうすけ:出来れば、小規模でいいので人と一緒に、人前で踊る時間は残って欲しいですね。個人的にはオンラインのコンテンツが増えて、現場が貴重なものになってくると思うんで、その準備をしていこうかなと。何が見たいのか、オンラインレッスンにしても、どういう風にやれば成長してもらえるかなど考えています。

 

TDM:レッスンはもう通常通りに戻りましたか?

 

ゆうすけ:はい、レッスンは全部戻っていて、オンラインレッスンも続けているので、実質忙しくなりました。受ける人によって配信媒体を変えていて、ZOOMとか顔を見ながら出来る場合、先生に見られてるほうが集中出来る人に向いてて、インスタライブとか一方的に映像を見てやる場合は、ダンスDVDなどの教材を見ながら黙々と練習したい方向けにやっています。どちらも受けてくれる人もいますが、ZOOMを受ける子たちは20代以上とかで、会話しながら楽しんでくれていて、インスタは比較的もっと若い人が多いですね。

 

 

 

■ネットが苦手な方も楽しむ仲間になりましょう!

 

TDM:今後のWDCはどう考えていますか?

 

ゆうすけ:今年の開催は見送っていて、もともとWDCは日本vs世界の2on2バトルをメインにしているので、来年海外勢を呼べるのか、どんな形にすればいいのかはまだ考え中です。本来であれば北海道、東北、関東、近畿の4エリアでの予選覇者と、キッズ部門の優勝もしくは準優勝チームを東京に呼んで、海外のバトルゲストと中国の代表チームそれぞれと戦う図式です。今後は5Gが入る事によってリアルタイムのやり取りがより鮮明に見えるんだったら、オンラインでつながる事も視野に入れたいですね。

 

個人的には、オンラインで出来る2on2のルールをどうにか作って、国内と中国の代表者を決めて、海外勢は適切な距離感を保ちつつ1か所に集めて、限られた人にはなりますが現場を楽しんでもらって、来れない人には臨場感のある映像で楽しんでもらう、そんなオフラインとオンラインの共存が出来るのがベストなのかなと考えています。キッズに関しては、開催が夜間になるのでオンラインでの参加を想定しています。状況によっては海外勢を呼べないかもしれないですが、許されるなら招待して踊りあってもらう形式が取れたらと思っています。

 

何にせよ、準備をしっかりして放送しつつ、現場の空気も高められるような仕組みを作れたらと思っています。

 

TDM:最後に読者にメッセージ、そして、WDC 2020の見どころをお願いします!

ゆうすけ:ダンサーの皆さんは、たぶん、気を使いながら練習やトレーニングをやっていると思うので、来るべき時が来るまでその刀を磨いておいて欲しいなと思います。人前に立つ時が来るまで、見せる身体や技術や感性を磨いて、今はギューッと高める時期にして欲しいです。

 

これから、ダンサーじゃなくてもダンスを見て楽しむ人が圧倒的に増えると思うので、インターネットが苦手という方に向けても、買ってもらいやすいコンテンツの売り方も考えています。とても面白い事をやっているし、慣れればどうって事ないので、煙たがらず、嫌がらず、どうぞ慣れてもらえたら嬉しいです。出来るだけ簡単なシステムを作ったり、僕ら作り手も尽力しますので、一緒に楽しむ仲間になってもらえたらと思います。

 

interview by AKIKO
edit & photo by imu
’20/09/24 UPDATE

 

→[PICK UP]心躍る瞬間を生中継・生配信で。「WDC 2020 SPECIAL EDITION」

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