来る11月19日～25日に開催される国内最大規模のダンスの祭典Shibuya StreetDance Week（通称SSDW）。今年で4年目を迎えるこのビッグイベントのアンバサダーに今年選ばれたのは、世界的な活躍をみせるダンサーFISHBOY。昨年のアンバサダーDA PUMPのKENZOに続きアンバサダーに就任した彼は、学生時代をずっと過ごしてきたという愛着のある街・渋谷で行われるイベントのアンバサダーとして、企画会議にも積極的に出席しSSDWを盛り上げているという。そんなFISHBOYが、11月25日に代々木公園で行われるメインイベントの見所を語ってくれた！

• FISHBOY

2009年「JUSTE DEBOUT」世界大会優勝。アディダスオリジナルから日本人ダンサーとしては初めてスポンサード契約を受ける。即興の能力に長け、様々な音やグルーブ、空間時間を形あるものに昇華させるマニアックでパワフルな踊りが持ち味。オリエンタルラジオの中田敦彦氏の実弟であり、RADIO FISHとしても活動中。

■SSDWは僕が青春時代を過ごした渋谷と大好きなダンスが融合したフェスティバル

TDM：早速ですが、今回Shibuya StreetDance Week2018（以下SSDW）のアンバサダーに就任されたお気持ちを教えてください。

FISHBOY：僕は、中学校に上がるときに山口県から引っ越してきて、渋谷にある中学校に入りました。それから大学を出るまでの間、ずっと青春時代を過ごしてきた愛着のある街と、僕の大好きなダンスが融合したフェスティバルということで、アンバサダー就任を大変光栄に思っています。

TDM：SSDWは、東京都という行政が主催していますよね？

FISHBOY：そうなんですよ！東京オリンピックに向けて、東京のシンボリックな街を盛りあげる文化事業として、丸の内はクラシック音楽、六本木はアート、恵比寿は映像、下町は伝統芸能など、さまざまな街の特徴的なイベントが開かれてる中で、「では渋谷はなんだ？」というときに、渋谷はストリートカルチャーの発信地であり、ストリートダンスの聖地ということもあって、渋谷でSSDWが立ち上がったそうなんです。
今年も、渋谷の商店街組合や観光協会など、街を上げて協力して頂いています。僕が小さな頃には、ストリートダンスに行政が手をとって協力してくれる時代が来るなんて考えもつかなかったです。非常にいい時代がきたなと思うと同時に責任を感じていますね。今ここで、僕やダンサーが街を汚したり、マナーを守らなけらば、街との信頼関係が急に崩れてしまう。だから自らの行動にある程度の責任を持たなくてはいけない。もちろんこれは僕だけのことじゃなくて、今活躍するダンサーやダンスを練習している若い子すべてが感じなきゃいけないことだと思います。
重たく感じたかと思いますが、責任をシェアするって楽しいんですよ。そのことの当事者になれるので。だから、参加してくれる人たちにも、SSDWに遊びに来て「SSDWって楽しいな」だけではなく、「僕たちもSSDWの一員なんだ！」という‟楽しむ担当“としての意識を持って動いてくれたら、もっとSSDWを楽しめるし、このSSDWというイベントの意義があるのかなと思っています。

TDM：今、責任という言葉が出ましたが、メジャーシーンでも活躍するストリートダンサーとして、どういう思いで活動されてますか？

FISHBOY：僕にはコンプレックスがあるんです。「今何をやってるの？」と聞かれて「ダンサー」と答えると、‟お金がなさそうだな“とか‟行儀悪そうだな”という視線を向けられるのが非常に嫌でした。そういうコンプレックスをなくしたい、これからの若いダンサーたちにはそういうことを感じて欲しくない。今、社会を動かしている30代～60代に認められる存在にならなくては若いダンサーへのサポートを求めたり権利を主張する場にすら立てないんです。ですから、「ちゃんと見られるにはどうしたらいいか」という振る舞いを意識して活動してるんです。

TDM：そんなFISHさんのライフスタイルは、若いダンサーからも理想的だと思うのですが、今の若いダンサーにメッセージいただけますか？

FISHBOY：最近、若い子たちからめちゃめちゃ相談受けるんですよ。だから、ここでメッセージを…というより、「悩んでいる子がいたら、DMでもいいから、相談したいってメッセージくれれば相談に乗るよ！」というのがメッセージです！

TDM：それは知らない子でもいいんですか！？

FISHBOY：全然いいですよ。ちょっと前にも、DMで相談受けて、カフェで待ち合わせて、相談受けて、「こうしたらいいんじゃないの？」ってアドバイスして帰したこともありました。
知り合いでは無い子の相談を直接受けるのか、というご意見あるかと思いますが、むしろ、知らない子の相談を受けて何が悪いの？と思っていて、相談を受けたことで知り合いになれるし、悩んでいる人って頑張っている人なので、そういう人と繋がれることが僕の利益になっています。ただの冷やかしだったり、タイミングが悪ければ断ったりしますが（笑）。

■「久しぶりに公園に行ってみよう！」みたいな気軽な感覚で来て欲しい

TDM：では、11月25日に代々木公園でSSDＷのメインイベントが開催されますが、FISHさん目線での見所を教えてください！

FISHBOY：そうですね。今回メインアーティストを務めるBeat Buddy Boi（以下BBB）は、ダンサーが有名になるためのグループとして結成されていて、一般の人もダンサーも楽しめる作品を見せられるチームなので、ぜひぜひ見て欲しいですね。

今年の参加型プログラムDANCE WITH musicのテーマソングも書き下ろしたBeat Buddy Boi

FISHBOY：レクチャースポットでは、僕の近しいところで、KITEさんとMAIKOさんが夫婦でJAZZ HIPHOP&POPの講師を担当してくれるんですけど、MAIKOさんのクリエイティビティは本当に凄いですし、KITEさんがとにかく楽しいんですよ（笑）。あの人のエネルギーはものすごいので、ワークショップで指導を受けるというよりは、何かのアトラクションだと思って（笑）、ぜひKITEさんを見に行って欲しい。見に行くだけでもエネルギーをもらえると思うので！

レクチャースポットでは世界で活躍する豪華ダンサーが顔を揃える

FISHBOY：そして、メインステージのショーのイチオシの一つはGANMIですね。僕が今、一番注目しているチームですから。今ダンスのシーンでは、世界的に見ても、少人数の構成から大人数の組織の構成に変わってきているんですよ。そういうところにいち早く乗っていたり、いろんなことを発信していたり、とにかく新しい。今までのダンスチームのフォーマットは、‟ダンスを習って、練習して、ステージで見せて、その上手さで皆を感動させる“というスタイルが多い中で、GANMIは、それはもちろんのこと、映像や演出、いろんな手法で、今まで誰も考えていない新しい切り口でダンスを見せてくれるチームなんです。僕も毎回面白いなと思って見ていて、若い世代がテレビからYouTubeに移行しているように、ダンスシーンでのYouTuber的存在がGANMIなのかなって思います。GANMIのショーから新たなるインスピレーションがもらえると思うので、ぜひ見てください！
他にもAlaventaとQueenMe！彼らは説明不要の最高のダンサーです。現在、彼らの時代が
間違いなく来ています。今を感じに是非！！！！

今注目の若手実力派チームによるゲストショーケース

TDM：ダンスに馴染みのない人に、おススメの過ごし方はありますか？

FISHBOY：そうですね、今年もSSDWではダンスバトルも開催するんですが、ダンスに馴染みのない人は「バトルって何！？」と思う方は多いと思うんです。でも、バトルは、‟音楽に即興でノッて踊ってる“ということのすごさを感じられる筋書きのないドラマなので、ぜひ生で見てバトルの魅力を体感して欲しいですね。

ジャンル別ソロバトルを勝ち抜いたダンサーが、当日即席のチームを結成して戦う
SSDWオリジナルルールのダンスバトル（※写真は昨年の様子）

FISHBOY：でも、基本的には気を張って足を運ぶものじゃないので、せっかく無料ですし、デートや、「久しぶりに公園に行ってみよう！」みたいな感覚で来ていただいて、その公園が少し賑やかだぞ、という感じで、リラックスして過ごしていただければと思います！

TDM：11月25日のメインイベントは楽しくなりそうですね！本日はありがとうございました！

interview &edit by Yuri Aoyagi

photo by AKIKO

’18/11/05 UPDATE

他にも、参加チームによるステージや、高校生対抗ストリートダンス選手権なども開催
（※写真は昨年の様子）

代々木公園の３つのエリアで同時開催

■Shibuya StreetDance Week 2018

2018年11月19日（月）～25日（日）

ショーやバトル、コンテスト、青空ダンス教室など盛りだくさん！
●SSDWメインイベント
日時：2018年11月25日（日）
時間：11:15〜15:50
場所：代々木公園（野外ステージ・イベント広場）
料金：観覧・参加無料

★詳しくはコチラ！★
http://www.streetdanceweek.jp/

Instagram：@shibuyastreetdanceweek
twitter：@SSDW_2018