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ママダンサー特集 Medusa

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ママダンサー特集記念すべき第1回目に登場するのは、世界的ストリートダンサーYOSHIEに認められ、共に「ebony」として活動するなど、シーンの第一線で活躍するダンサーMedusa!まさに順風満帆のダンサーライフ真っ只中だった昨年12月、出産しママとなった。一般の職業でも、「キャリア」と「出産・育児」の両立は苦難がつきまとうイメージの中、8か月の女の子のママとしても、そしてダンサーとしても活躍し続けるMedusaに話を聞いた!

 


 

  • Medusa

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YOSHIE、LEE、MEDUSAからなるチーム「ebony」、矢野祐子とのユニットで活動している。「ebony」でJAPAN DANCE DELIGHT vol.21 準優勝。REDBULL BC ONE イタリアにてゲストショーに出演。KinKi Kids、MISIA、三浦大知、遊助ら多くのアーティストのバックアップや、様々なダンス公演、ミュージカルにも出演。また、KITEとMAIKOが創設したダンスクリエイター集団『Acanthus』所属。結婚、出産を経て、現在も多方面にて活動中。

 


 

■「妊活させてください!」から始まった妊活生活

 

TDM:子供を産む前の現役時代は、出産についてはどう思ってましたか?

Medusaずっと子供は欲しいと思っていたんです。お母さんに孫を抱かせてあげたいという思いがずっとあって、それが一番の親孝行だなと思っていたので。でも、実際子供を作るとなるといろんな葛藤はありました。

結婚生活3年目くらいのときだったんですけど、せっかくebonyとしてJAPAN DANCE DELIGHTで準優勝して、これからっていうときだったので…。

でも、年齢のこともあるし、ebonyをやるとなったら気持ちが中途半端じゃできないと思ったし、深夜の練習やイベントもあるので、朝起きて夜寝る生活じゃないと妊娠も無理なのかなと思ったので決断して、YOSHIEさんに「妊活させてください!」といって、ebonyを休止させてもらいました。それから、自分が出演する仕事を全部やめて、振付などの裏方の仕事だけして、2年間妊活しました。

 

TDM:活躍したいと思えば際限なくできた状況で、よく決断できましたね。

 

Medusaほんとに「チクショー!」みたいなこともたくさんありましたよ(笑)。海外の話などがきて、「あー!行きたかった~!」みたいな。

でも、そういうお仕事はお話がきてから本番が2~3か月後とかなので、いつ妊娠するかわからないし、それを伝えて「ちょっと厳しいです」ってお断りして、その中で、もしかして妊娠するかもということを踏まえてでもOKと言ってくださる単発のお仕事だけは受けていましたが、基本的には自分が出演するものは全部お断りして、レッスンも遅い時間のものは辞めたり、早い時間に移動させてもらったりして調整しました。

でも、子供は欲しいけど、やっぱり現役で踊りたいし、YOSHIEさんとLeeさんが踊ってるのとかを見て、「めっちゃかっこいいし、自分も踊りたかった!」と思ったり、だいぶ苦水飲みましたけど、自分が何を選ぶか考えたとき「子供が欲しい」という気持ちを選んだので、そこは乗り切りましたね。

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TDM:でも、2年間は長かったですよね?

 

Medusaもしかして出来なかったら…とか、自分が母としてやっていけるのか?など、ちょっと思った時期もありましたけど、できてしまったら、そんな思いはすべて吹っ飛びました!

全部浄化されたというか、フラットになって、できてからはハッピーでしかなかったです。

妊娠がわかったのは、大きな舞台の振付の仕事が2つあって、それが終わってこれから何もないというタイミングのときだったので、この子は仕事がひと段落したときを狙ってきてくれたんだ!と思ってます。

 

TDM:産休はいつから?

 

Medusa9カ月までは踊っていて、レッスンもやってましたね。その後はすごいお腹も大きかったんで、まったく踊らず穏やかに過ごしていました。普段レッスンや仕事があると、人に会う時間というのがなかったんですけど、時間ができたんで、先に出産していたダンサーのママとか、地元の友達とか、会いたい人に会いまくってました。お互い妊娠してる仲間からいろんな話も聞けたし、その時間があってよかったなと思います。

 

娘を見た瞬間思ったのは「毛深っ!」

 

TDM:出産のときはどんな感じだったんですか?

 

Medusa予定より9日遅れたんですけど、予定日に病院の先生から「子宮口が1㎝しか開いてません。歩いてください」って言われて、3日後までにまだ生まれなかったら入院ということになったんです。だから、その日から4日間1日25㎞くらい、24時間マラソンみたいに100km歩いて(笑)足の小指に血豆ができて、かかともひび割れて、3日後に病院行ったら、、、何も変わってなかった!「嘘だろ!?」ですよ!(笑)それで、入院して陣痛促進剤を打って、8時間かかって自然分娩で産みました。

でも、陣痛がきて、もう1回強い促進剤を打たれたら、陣痛の痛みが強すぎて吐いてしまって、その瞬間に破水して、そこからは、叫ぶつもりなんかゼロだったのに、「グゥワァーッ!」っとエクソシストみたいに叫びまくって、実際痛くて死ぬかと思いました(笑)。でも、「吐きそう!」っていった瞬間、救急救命士をしている旦那がビニール袋をすぐ持ってきてくれて、一滴も漏らさず仕留めてくれて「すごい!」と思いました!仕事柄冷静だったのか、落ち着いて写真を撮ってたので、看護婦さんから「旦那さんカメラマンさんですか?」って言われたくらい(笑)。でも、歩くのも一緒に歩いてくれたし、そんな旦那がいてくれてすっごい心強かったですね。

 

TDM:旦那さんが救急救命士とはほんとに心強いですね!産まれた瞬間は覚えてますか?

 

Medusa産まれた娘を見た瞬間「毛深っ!」って思いました(笑)。「ほんとにこの子私から出てきたの!?」と。未知との遭遇というか、感動もありましたけど、肩の毛とかもすごかったんで、将来小学生になったら全身脱毛に連れて行こう!って思ったくらいですが、どんどん減っていってくれたんでよかったです(笑)。

でも、一番最初の授乳の時、気合入りすぎて、遠山の金さんみたいに片肩まるだしで脱いで授乳してて、あとから肩は出す必要ないんだってことに気づきました(笑)。出産は、過ぎてみればけっこう面白かったですね。この辛さは人生1回は経験しといてよかったなと思います。

 

TDM:出産後はどんな生活でしたか?

 

Medusa新生児時期はヤバかったですね。お母さんのアドレナリンてすごいなと…。私はそれまで睡眠は8時間以上とらないとダメな人だったんですけど、1時間おきにおっぱいあげて、おむつ変えて、寝かそうとしても寝なくて…みたいなことを1か月やったというのが、今考えると自分でも怖いです。その期間は、旦那がご飯作ってくれたり、最大のフォローをしてくれてたのでやれましたね。逆に至れり尽くせりで、産後うつとかにもならず元気だったので、保健師さんが訪問にきたとき、いろいろ聞きたかったのに「あなた大丈夫ね」って言われてさっさと帰られちゃったくらいです(笑)。

 

TDM:お子さんが出来てみて何か変わりましたか?

 

Medusaほんとにかわいくて毎日写真撮ってます(笑)。今までダンサーとして生きてきて‟自分自分“だったんですけど、娘が生まれて、‟自分“よりも‟周り”に感謝でしかないですね。当たり前だったことが当たり前じゃないことに気づかされました。ちょっとした時間でも、一緒にいる時間は娘中心なので、その中で自分だけの時間をとることがどれだけ大変かっていう…。リハするにしても母や旦那に娘を見ててもらって、その限られた時間で踊らなきゃいけないので。今までは踊ることが普通だったけど、だからこそ今は踊れる時間が幸せ過ぎるんです!復帰して、YOSHIEさんのレッスンを1年ぶりくらいに受けたときの幸せ感は半端じゃなかったですね!

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■今はなにごとにも‟感謝“でしかない!

 

TDM:産後はじめて踊ったのはいつですか?

 

Medusa専門学校の卒業公演のイントラナンバーでソロを踊りました。妊娠出産でナンバーも出せなかったし、一年間全部は生徒を見てあげられなかったので、最後だけでもと思ってサプライズで踊りました。それが産後1カ月と18日目だったので、自分でもよくやったなと思います。腹筋なくても踊れるんだ!と思いました。軸はブレてましたけど(笑)。

それから、レッスン再開したのが産後3カ月。そして4カ月目には、台湾にジャッジとワークショップとショーの仕事にも行きました。でも、心配だったので、朝5時くらいの飛行機で行って、その日にジャッジとショーをして、次の日の朝にワークショップして帰ってくるという弾丸で、次の日の寝かしつけには間に合いました!

今は、レギュラーのレッスンは週3、専門学校でのレッスンが週1で、週4つですね。

 

TDM:産後間もない身体で踊るのはハードな気がしますが…。

 

Medusa産後1カ月の頃にお医者さんから「踊っても大丈夫ですよ」と言われてたんですけど、自分の身体って自分でわかるじゃないですか? 具体的には股関節がヤバくて、骨盤が開いてるのがわかるんです。だから踏ん張るとメシメシってなって「これ危ないな、ヘタしたらヤバいな」という感じはわかったので、あまり無理しないようにしていました。

完全に復帰してからも、一回、スタジオの発表会の振付をしているとき、母乳が溜まって胸がどんどん張ってきちゃって、胸を振る振りを踊ったときに、ギュッ!て痛くなって「ごめん、私この振り無理―!」となって、死ぬかと思ったことはあります(笑)。

 

TDM:最初からこんなに早く復帰するつもりだったんですか?

 

Medusa戻ってこれたらいいなとは思ってました。でも、ぶっちゃけ…ちょっと早まったかなっていうのはあります(笑)。身体もまだちゃんとは戻ってないですし、もう少し娘と向き合う時間を持ってもいいのかなと。レッスンしてるから自分の時間が持てて良い部分もありますが、忙し過ぎて子供と離れる時間が長いと自分も寂しくなります。そういうときは、この時期は今しかないから、この時期を大事にしたほうがいいのかな…と、ちょっと葛藤しますね。


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TDM:実際に産後とは思えないくらい活躍してますもんね。

 

Medusaそうやって産後も声をかけてくれたり、オファーしてくれる人に感謝しかなくて、いただける仕事は全部引き受けたいという気持ちでやってました。YOSHIEさんも「戻ってくるのを待ってるよ」と言ってくださっていたので、それがすごく嬉しかったですね。自分を必要としてくれてる人がいたから、自分は戻ってこれたなと思っています。あとは母ですね。全部「大丈夫だから行っておいで」って言ってくれて、その度に茨城から高速バスで来てくれるので、母の協力があってこその今です。とりあえず、今はなにごとにも‟感謝“でしかないですね!

 

■「子供がいるからできない」ではなく「子供がいてもできることをやる」

 

TDM:子育てしながら仕事をすることに対して、周りの反応や変化はどうですか?

 

Medusaたぶん、昔とちょっと変わってきましたよね。スタジオでも「見ててあげるよ」と言ってくれてるところもありますし、専門学校とかでも、どうしても預けられないときには先生方が見ててくださったりとかするんです。

一時保育にも預けたりしますが、かなり甘えさせてもらっています(笑)。

ebonyのLeeさんのお子さんも同い年なのですが、こないだ奈良でebonyのショーがあって、練習も含め3日間あったので、娘のことが不安だなと思っていたら、連れてきて良いよと言ってくださり、Leeさんの生徒でもあり、昔、舞台で私の子役として出てくれてから10年くらい良くしてくれている大阪の生徒のRioが、家族総出でLeeさんの子とうちの子を面倒見てくれて、そのサポートのおかげで私たちはebonyとしてショーができたんです。そうやって協力してくれる人たちがいるからやっていけてる感じですね。

 

TDM:でも、そうとはいえ、時間的に制限がある中で振り作りや曲探しなどをしなきゃいけないですよね?

 

Medusaそうですね。振り作りは寝かせてからやってます。「寝た!よし! 」みたいな(笑)。 それか、娘の前で踊る!「こんなんどう?」って見せながら振りを作るとかやってますね(笑)。スタジオで練習するときは、鏡で遊んでてくれたりして、音楽流れてるほうがゴキゲンなので助かってます。自分の時間では動けないので、その中でどううまくやっていけるか…ですが、朝5時には起きるので、1日が長く感じるし、規則正しくて、逆にうまく時間を使えてる気がします。

 

TDM:時間の使い方に変化が出てきたということですが、思考には変化はありましたか?

 

Medusa 考え方が‟母目線“になったと思います。例えば、生徒さんに対して前まではダンスしか見てませんでしたが、今はダンスだけじゃなく、その子の人となりを見て、この子たちはどうやって育ってこういう性格になったんだろうとか、‟人”を見るようになってきました。そういうのってダンスにも出るんですよね。ダンスって人生が出るじゃないですか。そういう目線で見る、もう一個の違う感性が備わった感じはします。今まで「自分が自分が」だったから特にそう思うのかも(笑)。

 

TDM:踊り方にも変化はありましたか?

 

Medusa自分的には変えてるつもりはないんですけど、やっぱり「柔らかくなった」と言われることが多いです。今までは自分を誇示するためにいろいろ着飾ってきてたものが全部剥がれ落ちて、素で勝負し始めた感じです。出産や妊活してた時期も含めて、子供を迎え入れるための期間を経てそうなっていったのかなと。高校生からしていたカラコンもやめたり、けっこういろんなことに自然体になりました。


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TDM:今後の目標などはありますか?                

 

Medusaとりあえず今は子供がいての…というのが前提なので、今後のことはわからないですが、今Des mamans!というママたちのダンスクルーが発足されたので、そこでも活動していこうと思ってます。MAIちゃん(MAIKO)が発案で、企画に携わって、スタジオの方がサポートに入っていただけたりしてるので、「ママになってもいろいろやれるよ、やっていこうよ」っていうことを、いろいろ発信していけたらいいなと思ってます。

メンバーは、だいたい子供が同い年のダンサーが集まりましたが、他にもそこに賛同してくれる人たちがいたら、一緒になにか面白いことやっていけたらいいなとは思っています!


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Des mamans!(左からKIBU・AI・Medusa・MAIKO・yuffy・YUI)+canako

 

TDM:新しい試みですね!では、今後、子育てと仕事を両立していきたい女性ダンサーにメッセージをお願いします!

 

Medusaお母さんへの感謝の気持ちを忘れずに!ということですかね(笑)。家族の協力なしでもやってる人もいるけど、私は家族の助けがあっての今なので、最大のサポーターであるお母さんと家族に感謝してやってけば大丈夫!と思います。

結局は‟自分がどうしていきたいか“だと思うので、自分の道や、やりたいことがあるのであれば、それをしっかり突き進んでいくことが一番だと思います。それには、私もですが、子供を理由にしてはいけないなと思っています。「子供がいるからできない」じゃなくて、「子供がいてもできることをやる」という方向で考えてたほうが、自分にも子供にもいいなと思います。自分のペースでもやれることはたくさんあるので。

あとは、「うまい具合に適当にやれ!」っていうことですかね。神経質になったら終わり。

いい意味で適当がベスト(笑)!なるようになる(笑)!そして‟笑う門には福きたる“が自分のモットーなので、実際、私も不安になったりすることもありますが、なにがあっても笑ってようと思ってます。笑ってればどうにかなるから、子育てもダンスも両立して楽しんでいきましょう!

 

TDM:素敵なメッセージありがとうございました!多くの女性ダンサーの励みになったと思います。今日はありがとうございました!

interview &edit by Yuri Aoyagi

photo by AKIKO

’18/09/15 UPDATE

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胎内音をベースに作られてる寝かしつけグッズです。生後8日目にニューボーンフォトを撮ってもらったときのカメラマンさんが持っていて、これを使ったらすぐ寝たんですよ!子供によるんですけど、うちの子には産後3か月くらいまではめっちゃ効きました!

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