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舞台「ASTERISK~女神の光~」特集 牧 宗孝×YOSHIE

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今週末に迫った3度目となる舞台「ASTERISK~女神の光~」。今回の演出を手掛ける牧 宗孝(MIKEY from 東京ゲゲゲイ)と初出演となるYOSHIEによる特別対談をお届けしよう。ASTERISKの稽古現場から感じる空気は今までにない、ハイレベルかつハイクオリティな才能の相乗。今回は特に踊るだけの才能にとどまらず、ダンサーの歌声で踊り、舞台上でセリフを話し、演技をする表現者としての才能を強く感じる。それらを取りまとめる牧 宗孝と、彼の「いい部下でいたい」というYOSHIEの化学反応は今回の見どころのひとつ。間もなく私たちの前に提示される今までにない一つの物語。しかと、この目で見届けたい。

 

  • 牧宗孝(MIKEY from 東京ゲゲゲイ)mikey

演出家。ダンスカンパニー「東京ゲゲゲイ」、「Vanilla Grotesque」主宰、ダンスチーム「東京★キッズ」リーダー。加藤ミリヤのPV・ツアー振付、MISIAツアー振付・演出・バックダンサーとしても活躍。ASTERISKでの共演をきっかけに仲宗根梨乃と共にBoAの振付を手がけるなど、アーティストからクリエイターとして厚い信頼を受ける。
退廃的な美を基調とした独特の世界観は前衛的ながらキャッチーであり、多くのオーディエンスを魅了している。様々な経験から打ち出された独創的なスタイルを武器にダンス界に限らずさまざまなアーティストからの支持を受け、数多くの伝説を打ち立ててきたカリスマダンサー。

 

 

  • YOSHIEyoshie

日本女性ストリートダンサーと言えば?の問いに必ずや名前の上がる最重要人物。近年組まれたオリジナルなカラーを持つebonyのリーダーで世界最高峰のコンテストにおいて実績を残す他 個人としてバトルでも多数優勝を納める超実力派!世界からも注目され海外からの依頼が絶えない。常に第一線で多岐に渡り活躍中。その表現力の幅と深さは憧れでありながら誰にもマネの出来ない領域でジャンルレスにカッコイイと言える、音楽と解り合える能力を持ち 音への愛を表すダンスは見る者の心を揺さぶる。(Written by Mc USK)

 

 

 

舞台を見に行く人はバトルに出ない、バトルに出る人は舞台を見に行かない。

 

TDM
今回、YOSHIEさんがASTERISKに出て頂いて、取り組んでいる姿勢が後輩たちにいい影響となっていることを多く感じています。コンテストでもバトルでもショーでも、YOSHIEさんはどんなシーンやフィールドでも自分のスタンツを確立されているし、何よりもすべてにおいて真剣に取り組んでますよね。

 

どんなダンサーでも確立できるとしてもフィールドはひとつですよね。でも、YOSHIEさんはどこでも通用していらっしゃる。

YOSHIE
ありがとうございます。2日前はバトルのジャッジをしていたし、その前日はほとんどの人がバレエのという中で舞台に出ていたし、日々、周りの画がめまぐるしくて、自分でも多重人格かと思うくらい(笑)。でも、それが面白いんだよね。

 


いろんな現場へ「行かなきゃ!」という感じより、本当に好奇心や興味を感じるから行くんでしょうね。

 

YOSHIE
舞台もバトルもコンテストも、それぞれ違うからね。前にツイッターで「舞台を観に行く人はバトルに出ないし、バトルに出る人は舞台を観に行かないし、何でだろう…」みたいなことを書いたことがあって。どっちか、みたいな人が多いなって。それが悪いとかではなくて、単純に「なんで?」って私は思う。 

でも、60歳でロックダンス一筋の先輩が、「他に浮気をせず、このシーンを頑張ったから今があるんだ」とおっしゃっていて、そういう考え方もあるから、全部やるのがいいとも限らないし、人それぞれだと思います。ただ、自分がこういう性格なだけで、自分はこうやっていろんなところにいられるのは嬉しいなと思っています。

 

TDM
すべてのシーンに対して向き合い方の軸が一本あるんですよね。

YOSHIE はい、それはブレてないと思います。

 

■大御所扱いになっていけばいくほど、たぶん、自分って衰えると思います。

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TDM バトル、コンテスト、舞台、それぞれのフィールドだからこそ出せる表現力があると思うんですが、YOSHIEさんの中で見える景色はどんな感じですか?

 

YOSHIE 全部違うなぁ。どれも高い山という感じ。実は、「山」というワードが今回のASTERISKでの自分の台詞に入っているんですが、ビックリしました。私いつも山に例えるんです。「今回も大きな山を登ったな」とか。バトルもコンテストも舞台も、どれもタイプの違う山で、どれも本当に大きく険しい山。でも、どれも私は若くからやってないというのはポイントかも。バトルは34歳で初めて出ましたから。

 

全員 えー!

 

YOSHIE オバハンになってからチャレンジしているんですよ(笑)。もちろん、プレッシャーとかも抱えながらだし、まだまだではあるけれど、今までの経験を踏まえたチャレンジだから、辛さとか、喜びとか、得る物の違いとか、若い時からの挑戦とは感じが違うかもしれません。私がいつも思うのは、ダンス界って年功序列で、年配の人は凄いみたいな空気があります。特に日本はそういう図式がとてもある中で、「本当に実力ってそれ?」と思います。ダンス歴が長くなったりすればするほど、悲しいというか。年齢が上がれば上がる程、大御所扱いみたいになっていけばいく程、たぶん、自分って衰えるんだろうなと思います。 

自分の実力を勘違いして落ちていく一方じゃないかなと。バトルは、対戦相手が自分より若い子だったりするわけだから、つまり、自分から下に下りる作業。でも、そこで負けたらもっとランク付けが下がる状況に自分を置かないと、ヘボくなる一方だと思います。長年やってきた大御所扱いされるほど、怖いです。

 

じゃあ、作品中のあのセリフは“まさに”なんですね。

 

YOSHIE
本当に!私が言うあの台詞は、まさにです!

 

■YOSHIEさんがきっと“ストリートダンスとは”というのを証明してくれる。

 

今回のASTERISKで、YOSHIEさんの様に、リアルとリンクする所が幾つかあるんです。それも見所です。ここでは言えないけど、「その人がそこの役になるって予知していたのかな?」って思う所がありますよ。

 

YOSHIE
そうそう、MIKEYはすごくダンサーのことを捉えている。今まで深く話したことがあった訳じゃないんだけど、そういう物を敏感に感じるのかもしれないね。

 

YOSHIEさんはASTERISKの「日本のトップストリートダンサーたちが一堂に会し」というキャッチフレーズに対して“ストリートダンサー”という表現を使うことに疑問を持たれたそうです。オーディションのシーンはYOSHIEさんに振付をしていただいたんですが、それと、YOSHIEさんがストリートダンスを大事にしているからこそ、キャッチフレーズに疑問を持たれたんだろうなということを感じたので、きっと”ストリートダンスとは”というのを証明してくれるような気がしたんです。YOSHIEさんからリハ中にアドリブで「人生のベーシック、アップ&ダウン」という言葉が出てきました。ふざけてるようだけど、すごく深読みもできる言葉だし、YOSHIEさんならではの言葉だなと思いました。

 

YOSHIE MIKEYから、「好きに創って下さい」と言われたので、私らしく、そして、皆が四苦八苦しながら踊るのがいいのかなと思いました。あのオーディションのリハ中が一番リアルだったよね!

 


そうそう!本当にオーディションの空気みたいでしたね。

 

YOSHIE
ほとんどの人にとって、やったことのない動きもあるだろうし、それでもやらせてしまうのは、私が皆より年上という理由だけかもしれませんが…(笑)。

 

 

TDM
そんな立場で居てくれていますが、みんなYOSHIEさんの振りを踊れた機会に感謝している雰囲気を感じます。振付をもらうという普通な作業に見えて、節々にいろんなメッセージが詰まっていて、そこに大事な要素もいっぱい詰まっていることを皆感じていると思います。

 


それもやっぱりさっきの話に戻るんですけど、YOSHIEさんのフィールドが大きいというのもすごくあって、オーディションのシーンにはいろんな畑のダンサーがいるけど、YOSHIEさんだからこの振りがありがたいとすごく思っていると思います。

 

YOSHIE それは嬉しいなー!自分のスタイルとしては、温故知新というか、古きと新しきをミックスしていきたいので、振付にはオールドスクールを入れているんですが、そこに今の自分の感覚をプラスして作っています。ただ古いものじゃないし、ただ新しいものじゃない。まさにそれが時代を超えて伝わることになれれば嬉しいですね。それが、私が今のいろんなフィールドでやっていることにもシンクロしていて、全てが一つ、溶け合っている感じなんです。

 

 

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