01.interview, People

舞台「DOOODLIN’」特集 WRECKING CREW ORCHESTRA

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■海外は「盛り上がらなきゃ損だ!」と盛り上がってくれる。(DOMINIQUE)

 

TDM 今までいろんな国に行っていらっしゃいますが、皆さんの中で一番印象的だった国は?

 

DOMINIQUE 僕はシンガポールです。今まで10回程行ってます。TBGというすごいビッグイベントがあるんですけど、それにWCOで8年連続で出させてもらっています。あとは、シンガポールダンスディライトのジャッジでも呼んでもらったり、ほかのイベントで呼んでもらったりしているんですけど。すごく温かい人たちばかりで、僕たちにリスペクトを持ってくれて、すごく愛を感じる国です。初めてシンガポール行ってTBGで僕たちが踊った時、何千人もいたので、すごい歓声をもらいました。その次の日が帰国だったんですけど、シンガポールの空港のトイレで隣の人が、「お前昨日踊ってたやつだな!」って握手して、「汚ね!」っていうのが思い出です(笑)。

 

TDM (笑)。WCOとして初の海外はどちらですか?

 

DOMINIQUE 香港も行きましたが、メンバー全員ではなかったので、WCO全員で行ったのはドイツのBattle of the Yearのゲストショーで呼ばれた時ですね。

 

 

TDM 日本と世界の違いを感じたり、何か衝撃を受けたことはありましたか?

 

 

DOMINIQUE お客さんの熱量がまったく違います。日本の人たちはすごく引いて、冷静に見るというか、「自分たちをビックリさせてくれるんでしょ?」っていう感じでるんですけど、海外の人たち、特にアジアの人たちは、「一緒になって盛り上がらなきゃ損だ!」とワァー!っとすごく盛り上がって見てくれるので、ダンサーとしてもすごく踊りやすいし、やってやるぞって気を出させてくれますね。

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■フランスはWCO、僕にとって非常に重要なターニングポイントでした。(YOKOI)

 

YOKOI 僕もいろいろありますが、ダンスでいうとフランスです。2003年にJUSTE DEBOUTのコンセプトでジャッジを全員日本人がするといことで、僕とACKYとYOSHIEとHIROとジャッジで呼んでもらいました。それまでヨーロッパのシーンを、日本人はまったく知らなかったし、情報もまったく無い状態でした。そして、僕たちが初めてフランスのバトルというものを見て、とんでもない衝撃を受けました。その当時、アメリカのダンスシーンは、少し低迷状態で、アジア人以外のダンスを見る機会がなかった。もともと、僕たちが10代のころ、NYのダンサーたちはメディアに出まくっていたので、日本人がNYのダンスを見る機会はありました。それから、2003年ごろ、アメリカ自体、音楽シーンは成長したけど、ダンスシーンというものはほとんど無くなってしまっていました。でも、ヨーロッパではずっとダンスというものがあったわけです。JUSTE DEBOUTの存在でダンスバトルというもが、すごく大きくなっていて、何百人もの外国人同士がおもいっきり踊っている事実を目の当たりにしました。しかも、アメリカとは全然違う踊り方、表現の仕方がそこにはあったんです。それを見た時に、「間違いなくヨーロッパのダンスシーンが来るな」と思いました。それから、日本に帰ってきて、皆にも「これから絶対ヨーロッパやで!」って話をしました。でも、結局、日本にその影響が来たのはごく最近ですよね。今10年前からそういうものはあったわけです。逆に言えば、僕があのタイミングでヨーロッパを知れたことはすごくいい機会でした。それによって、ダンサーとしての表現の幅も考え方も広がりました。

 

TDM
YOKOIさん自身の?

 

YOKOI
はい。ヒップホップという音楽と共にストリートダンスの文化があって、そこをずっとやってきた僕たちに対して、ヨーロッパはもともと身体表現やコンテンポラリーからストリートダンスにすごい反映されています。WCOで舞台を作っていた僕たちにとっては、そういう考え方でやってもストリートダンスはできるんだなぁと知ったんです。WCOにとっても、僕にとっても、非常に重要なターニングポイントだったと思います。

コトバ 僕もシンガポールです。そのきっかけになったのが、ある日スタジオにシンガポールから英語で電話があったんですね。突然のことで、僕たちも動揺しました。DOMINIQUEさんが先ほど話た、シンガポールの大きいダンスイベント「TBG」のオファーで、20~30分位という条件だったんですけど、僕たちはヒップホップ、ロッキン、ポップ、ハウスなどジャンルが混在してるので、やっぱりせっかく呼んで頂くし、しっかり見せたいなと思い、50分のショーを持っていきたかった。でも、「それは長過ぎる」となり、先方といろいろなやり取りをしました。そして、本番、50分間最後まで踊り終わって、WCO皆がステージの一番前でお辞儀をしているほんの一瞬の間に、お客さんがね、本当に全員立ったんですよ。僕はそれを一番後ろから見てたんですが、WCOが頭下げた瞬間に、全員バタバタって立って…WCOも頭上げた瞬間にスタンディングオベーション状態でビックリしたと思いますよ。日本ではなかなかないシチュエーションでした。僕もどえらい感動しましたね。スタンディングオベーション越しのWCOを観た時は。

 

TAKE 僕はドイツかな。WCOでドイツのBOTYというB-BOYの祭典にショーで招いてもらいました。ショー以外の時間でヨーロッパの皆とバトルしたり、アフターパーティーだったり前夜祭だったりとかで、盛り上がっているヨーロッパの面々を見て、スタイルもそうだし、パワーもそうだし、全然今まで感じたことが無い感覚でした。当時、2006年は日本とドイツとでは文化的にダンスが浸透している感じが違いましたね。アメリカもNYやらロスにも行ったことはあるけど、それとはまた違った感じでした。それはすごく、僕個人的にも影響を受けた時間でした。

 

TDM
何に一番圧倒されましたか?

 

TAKE あれだけ大多数の人、ほとんど全員が自ら楽しんでいたこと。自らしっかり自分のスタイルとか、「自分はこういう風に音を聞いてるから、こういう風に踊るんだ!」みたいなものを感じた。それはドイツだからとかじゃないと思うんだけど、もう圧倒的に踊っていたんです。習ったことをしっかりテクニック的にやるのではなくて、みんな音を浴びながら動いていました。耳で聞いてやっている動作というか、システマチックにやってるという感覚はほとんど受けませんでした。空間の中の一個というか、一人というか、そういう感覚でした。昔10代の頃、NY行った時に、初めてハウスのクラブに行った時と同じ様な感覚に陥ったんです。それは今でも、日本でもあるけど、しょっちゅうではないです。そういう印象をドイツで受けました。

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