今年8月から、名古屋、札幌、大阪、福岡、東京の5大都市ツアーGKKJ JAPAN TOUR2019を敢行するGKKJ(ゲコクジョウ)。今年、株式会社となり、一つの覚悟を決めた彼らが、ダンスシーンに一石を投じる!主要メンバーであるYOSHIKI、DAIKI、TOM、MASAの4人に、これまでの活動や、それぞれが抱える信念を語ってもらった。全国ツアーでは今までになかった、GKKJにしか起こせないムーブメントが起こる予感。彼らの今後の活動にも注目したい。
・GKKJ
公式サイト https://gkkj.tokyo/
■GKKJ NIGHTで大きなムーブメントを起こしたい!
TDM:GKKJを結成したきっかけを教えてください。
YOSHIKI:
2010年に結成して、イベントを打つようになり、今年2019年の1月から株式会社にしました。なぜ、会社にしたかというと、法人じゃないと出来ない事が多すぎるので、この先デカい事をやる為です。
そもそも、GKKJのイベントをやろうと思ったのは、ダンスイベントMAIN STREETの影響が一番大きいです。当時川崎のチッタにお客さんがオープン前からずらっと並んでいて、その横を出演するダンサーが通っただけで「やばい!○○さんだ!」と、ダンサーにファンが付いていた光景に当時20歳だった自分は憧れていました。あのステージに出ていた人たちは、当時DANCE DELIGHTで有名なダンサーだったり、いわゆる渋谷系と呼ばれる渋谷のクラブのゲストダンサーだったり、アングラでイケてるダンサーたちがこの日の為に全国から集結してオープンからクローズまで凄い盛り上がりをみせていました。
さらにMAIN STREETにはダンサーだけでなく、有名なラッパーやDJたちも必ず出演していたし、演出もダンスイベントの枠を超えていてこんなすごいイベントは他にはない!と思いましたね。
それから数年が経ち、MAIN STREETが終わると聞いて、凄いショックだったけど、だったら、俺たちの世代でも同じくらいのムーブメントを起こしたいと思い、すぐにSAPPYとTOMに「イベントやらない?」と提案して、「いいね、やろうやろう!」と盛り上がりました。
当時、親しいダンサーの中にs**t kingzやTHE TEAMがいて、俺はD-BLASTをやっていて、「俺たちは若いけど、イケてるし勢いがある!」と勝手に思っていました。だから、それぞれのチームを合体させて、オールスターチームを作って、自分たちを見てもらえる場所を作れば、MAIN STREETと同じくらいのムーブメントが起こせる第一歩になるのではと思い、そこから始めたのが、GKKJ NIGHTです。
当時は、ゲストじゃなくてもいいダンサーがたくさんいるのに、イベント最後のゲストの時だけ見に来て、終わったらすぐ帰るみたいな現象がすごく嫌でした。だから、自分たちが間違いないと思うダンサーたちとチームを組む事、そして、自分たちがオープニングアクトで踊る事によってお客さんは最初から見に来るというシステムでやりたいと思っていました。あとは、コンテストやバトルで優勝しないとゲストになれない当時の風潮も、
俺的には「ショーとしていいダンサーはたくさんいるのに、それが評価されないのは何でだろう?」と思っていたので、優勝経験がなくても俺たちがいいと思うダンサーに出てもらいました。
TDM:実際にGKKJ NIGHTをやってみてどうでしたか?
YOSHIKI:正直、ここまで大規模に出来ると思っていませんでした。でも、みんなが協力してくれたおかげで、どんどん仲間が増えて、周囲が支えてくれるようになり、ここまでお客さんが感動してくれるようなイベントが出来るようになりました。今は、「やるしかない」という責任感を感じています。
今、ダンサーじゃない人で、ビジネスとしてダンスイベントを打つ人が増えていて、企業がスポンサーについたりして、規模は大きくなっていると思うのですが、ダンスを知らなかったり、主にダンス初心者がすごい!と思う内容をやっているので、質が薄くなってきているかなと感じます。そこの違いを分かってもらうためには、それを超えるしかないんですよね。だから、俺たちも企業化して、ビジネスでやっているダンスイベントを超える規模でいいイベントをやれば、ちゃんと認識されるかなと思っています。
■人事担当・GKKJのボスYOSHIKI、勢い担当・アイデアマンDAIKI
TDM:ここで、今日のメンバーを紹介していただけますか?
DAIKI:
GKKJの代表はYOSHIKI君で、俺はナンバー2をやらせてもらっています。SAPPYとTOMとYOSHIKI君の3人がイベントをやり始めた頃、俺は企業でコンサルをやっていてダンスシーンにはいませんでした。サラリーマンを辞めて、ダンスシーンに戻ってきた時に、「THE TEAMに入ってほしい」と言われて入りました。YOSHIKI君とは面識がなかったんですけど、YOSHIKI君の方から「GKKJに入ってほしい!」と誘ってもらって入りました。その時は、イベントの制作には関わらず、ダンサーとしての加入でした。
YOSHIKI君の性格は俺とは真逆で、ドラクエの作戦で言うと、俺は「ガンガンいこうぜ」タイプで、YOSHIKI君は「いのちをだいじに」タイプ。俺が「これやりましょう、絶対いけます。」って言っても「本当に大丈夫?」と細かく詰めてくれます。基本的には、いい意味で「やりたいことをやりなよ」と任せてくれているんですけど、それがこけないようにちゃんと見ててくれる安心感があります。リスクがあるからと止められる事もなく、ちゃんとリスクも一緒に背負ってくれるし、それが失敗しても成功しても、やる事に意味があるからとGOを出してくれる。そこへのリスペクトは強いですね。
あとは、人を見る目がすごくあります。だから、YOSHIKI君の厳しい審査を潜り抜けた優秀な人材が、ここに居る3人です(笑)。
全員:(笑)。
DAIKI:YOSHIKI君からすると、ダンスチームとはまた違った一緒に会社をやって行くという関係性として、今までになかった争いも生まれると思うし、そこも踏まえて一緒にやっていけると思ってくれたのが、この4人なんだと思っています。頭が切れて仕事が出来る奴はいっぱいいると思うんですけど、ダンスシーンにおいてちゃんとかっこいいイケてるものを発信できるアンテナがあるかどうかも大事ですね。
YOSHIKI;その人にちゃんと気持ちがあるのかないのかって、行動を見てたらわかるんです。俺のモットーは言葉じゃなくて行動だと昔から思っていて、それをいろんな人のダンス以外の面も見てきた上で、この4人がベストだなと思っています。だから、順調でしかないです(笑)。
全員:おー(笑)。
TOM:僕たちが同じラインで仕事をするのは喧嘩をしてしまうと思ったので、縦の関係というか、トップにはYOSHIKI君がいてそれを俺たちが支えるバランスがいいんじゃないかなと思いました。それは、全部YOSHIKI君に任せるのではなく、それぞれの適材適所があるので、その役割をそれぞれが全うしていくのが一番いい方法だと思っています。
DAIKI:一般的な会社で言えば、人事がYOSHIKI君。それぞれの得意分野を生かした役割を割り当てるのが上手いです。だから、それぞれがアベンジャーズみたいに、得意な特殊能力を伸ばしながら仕事ができている感じです。
YOSHIKI:DAIKIは人事の俺から言うと、勢い担当。「絶対いける!」と自信がある時の発言力やアイデアがすごいので、それをどうサポート出来るかだと思います。それがダンスシーンやダンサーのためになる事だと思ったら、「それはリスクを負ってでもやった方がいいよ」と言います。ただ、そのアイデアの中にたまに「え!?大丈夫!?」と思うようなものもあるんです。それをサポートするのが俺や会社の役目でもあるので、DAIKIの発想のいい部分を伸ばしてあげたらどんどん形になるし、実際に実現しています。
DAIKIが発案した企画で、去年、アーティストライブフェス「GKKJ SUMMER VIBE」というのもやりました。最初は正直「え?それって客、入るの?」って思ったんですけど、よく聞いてみたら、ダンスチームと、KOHHという日本人ラッパーや、韓国ラッパーが同じ並びで、アーティストとして表現する新しいライブフェスをやりたいということで、「超いいね!よくそんなこと思いつくな!」となりました。
結果、かなりのマイナスを背負いましたけど、今年になって、利益になって戻ってきてるんですよ。だから、やってよかったなと思いますね。たぶん、「そんなリスクは背負えない」「お金にならない事はやらない」と思う会社もあると思うんですけど、そうじゃなくて、DAIKIがダンサーとして「ダンスシーンを良くするために、これをやったらいいと思います!」というものを「うん、間違いない!」と俺たちも思ってやった行動のおかげで、今は成功したと言える結果になっている。だから、DAIKIは、俺たちにとって‟超面白い事を言ってくれる奴“ですね(笑)。
DAIKI:ダンスイベントの観客がほぼダンサー、同業者で見合うというのが嫌で、もっと一般の人に見てもらって、そこからもっとダンスシーンが潤う仕組みが出来ないと、ダンス市場が大きくならないと思いました。かといって、観客が集まりやすいアーティストなら誰でもいいわけではなくて、まだ日本になかなか呼べていない海外アーティストだったり、俺たちGKKJらしいセレクトでやりたい。例えばKOHHは、日本のフェスにほとんど出ないし、自分がかっこいいと思う奴としか関わりたくないと思ってるんですけど、俺たちの企画に共感してくれて出てくれました。それによって同じステージに出演するKING OF SWAGやダンサーの事を一般の人たちにも広められると思いました。
YOSHIKI:こういうすごい企画を出してくれるアイデアマンのDAIKI君ですが、一つ、会社員としての欠点があります。それは…物事を忘れがちな所です(笑)。
DAIKI:先の事を考えるたびに、過去の記憶を消しちゃうみたいで(笑)。でも、今日事務所に行ったら、そんな俺への対策として、俺用の掲示板が別に出来ていました(笑)。俺がやるべき事をYOSHIKI君とTOMがまとめて書いてくれます。おかげで俺は忘れなくなります。さすがですね。
全員:(笑)。
■経理担当・覚醒したTOM、実直担当・低姿勢なMASA
YOSHIKI:続いて、TOMを紹介します。TOMは会社で言えば経理担当。もちろん最初は何もわからなかったと思います。経理や営業、企画資料の作り方はコンサルをやっていたDAIKIから引き継ぎして、学んでもらっています。
TOM:
もともと人付き合いは特定の人とだけでしたし、どちらかというと根暗なんですけど(笑)、イベントをやるようになっていろんな人と会ううちに、コミュニケーション力を身につけられてきているかなと思います。営業も企画書作りも挑戦させてもらってます。
YOSHIKI:TOMは変わったよね。もともとこんな風に明るく話せるタイプではなかったかも。
DAIKI:正直、こんなに仲良くなれると最初は思わなかったもん(笑)。俺たちが最高なメンバーに覚醒させましたね(笑)。
全員:(笑)。
YOSHIKI:最後に、MASAを紹介します。MASAはもともとダンサーがやっている別の会社に居て、ダンサーの衣装のプリントや制作していました。その前も、保育園・幼稚園向けの事業をしているダンサーベンチャー企業の立ち上げメンバーでした。
MASA:今年からGKKJの運営メンバーとしていろいろ学ばせて頂く予定です。
YOSHIKI:この低姿勢!これがMASAのいい所なんですよ。話してる感じでその人となりがわかりますよ。特に、クラブで夜中3時くらいに話すと、その人の本音が聞けると思っていて(笑)、そういう時の会話を俺は結構覚えてるんですけど、MASAはお酒を飲んでもいつも冷静で、熱い、そして、嘘がない。目が死んでなくて、まっすぐ。それで、「MASAみたいな人が必要だな」と思っていたんですが、別の会社にいたし、そこの会社ともうちらは仲良くしていたので、そこを無理やり入れるわけにはいかないなと思っていました。するとMASAの方から「GKKJで働きたいです」と言ってきてくれたんです。
MASA:
前にいた会社の立ち上げとして約1年かけて土台作りが出来たかなと思っていたタイミングでDAIKIからGKKJの想いを聞く機会があって、今の自分がシンプルに挑戦したいのはどっちかをめちゃくちゃ考えて、悩みに悩んだ結果、決断させてもらいました。
今はまだまだGKKJで学ぶ段階なので、皆にこれから追いついて、そこから自分が出来るものをどんどん作っていけたらと思います。
YOSHIKI:いや~、ホントに素晴らしい!(笑)。
■GKKJの強み。コンセプチュアルなイベント企画・運営
TDM:こういう仲間とダンスや仕事ができる事は素晴らしいですね。
DAIKI:
それはめちゃくちゃ感じます。やっぱり、やりたい事を個人でやろうとすると、モチベーションに波が生まれて、どこかで疲れて立ち止まりたくなるんですが、同じ思いを持ってる仲間と一緒に進んでいけば、絶対に止まらない。それはすごくいい事ですね。しかも、俺たちは基本揉める事無くうまくやれているので、結構、奇跡的なメンバーが揃ってると思います。
TDM:株式会社GKKJの企業理念は?
YOSHIKI:ホームページにも載せているんですが、DAIKIが考えてくれました。この文章は、まさに俺が伝えたいことがパーフェクトに表現されています (笑)。
TDM:先日行われたイベントTHE BLOOM OF YOUTH(以下、BLOOM)がとても盛り上がったと聞いています。
YOSHIKI:ありがとうございます。BLOOMはずっとやりたかったイベントで、マジでいいイベントになりました。ここ数年、ナンバーと呼ばれるものを見る事が多すぎて、否定するわけではないんですけど、飽きてきたというか、「何の為にやってるんだろう?」「もっと違う形で見せられないかな?」と思った時に、振付師が信頼している人たちだけで、振付師も含めた一つのクルーとして作品を出せたら、それが本当に振付師の見せたい作品に近いものだと思ったんです。
もちろんチーム活動もいいんですが、個人の良さもあると思っていて、実際にチームに属していなくてもいいダンサーはたくさんいるし、それが存分に出せる場があってもいいんじゃないかなと思いました。そういう場面が舞台だけじゃなくてダンスイベントでも見られたらいいなと考えて、BLOOMを企画しました。今年で5回目だったんですが、全作品が良くて、「やっとみんなにもコンセプトが認識してもらえたんだ。だから、形になったんだな!」と感じられて、個人的に感動しました。本当にすごかったです。
DAIKI:BLOOMのように、GKKJがやっているイベントにはそれぞれしっかりとしたコンセプトがあって、頂点をJAPAN TOURに置いたピラミッド型の図式があります。まず、チームでのし上がるか、ナンバーとか作品でのし上がるかに分けます。
チームで参加する一番下が「BASEMENT」という深夜イベントで、その上にコンテスト形式の「EXPRESS」というイベントがあり、そこで入賞するとGKKJ JAPAN TOURに出演できる流れになります。
ナンバーで参加する一番下のイベントが「CHALLENGER」で、振付師はこちらからオファーするんですが、出演者は一般公募で誰でも挑戦出来る。そこで、いい作品が発表出来てくると、その上のBLOOMに昇格。より作品が洗練されているし、出るメンバーは振付師が選んだ人だけになります。BLOOMで良かったクルーがGKKJ JAPAN TOURに出演出来る流れになります。
このイベントに参加している自分は今ここなんだなと、上を目指すためのわかりやすい指標になります。
■全国ツアーで巻き起こす唯一無二の融合と結束
TDM:8月から年末にかけて、全国5都市でGKKJ JAPAN TOURをやる事になったきっかけは?
YOSHIKI:ツアーは5年前くらいからずっとやりたいと思っていました。一度、自分のバースデーバッシュで、10代の頃から繋がりのあった福岡で地元・山口の友達や、福岡の先輩たちを呼んで、GKKJ NIGHTをやった事があるんですが、それが、思い出に残り過ぎてるんです。
自分たちが福岡に行って、ダンスイベントに遊びに行ったとしても、現地のダンサーと話す機会ってなかなかないんですけど、自分たちでイベントを打って、そこに出演してもらう事で、話す時間が作れたのがとても大事だなと思ったし、もっとやりたいと思いました。
今はSNSが普及していて、地方からもダンス動画を発信している素敵な人たちがたくさんいます。そういう人たちも俺たちとリンクして、もっといろんな人たちに見てもらえる場所を作ったら、本人にとってもプラスだし、全国でムーブメントが起こせたら、もっとダンサーたちの力になると思ったんです。
だから、今回の全国5都市のツアーではアフターパーティーもやって、ちゃんと現地のダンサーと話せる時間を作ります。そんなツアーをやりたいと思っていたので、それを形にします。
各地方それぞれのダンスシーン事情や派閥があると思うんですけど、例えば一つのダンススタジオに出演ダンサーを相談すると、そこに関係する人しか集まらないとか。でも、自分たちがイベントを打って、幅広く現地のダンサーを招くので、どこに属していても集まれると思ったんです。みんなで楽しめたら絶対大きなムーブメントになるのに、すごく狭い世界になってしまうのが俺はすごく嫌なんです。残念ながら、いろんな話を聞きますが、地方でのそういう傾向はなかなか無くならないみたいです。
DAIKI:日本でダンサーが増えて盛り上がっているとは言えども、地方にいるダンサーがメジャーな仕事が出来ているわけでもない。東京で活動しているダンサーは個人でツアーや振付の仕事が出来るので、割とやっていけるんですけど、地方ではダンススタジオを経営するかインストラクターをやるのがほとんどなので、そうなると、お客さんの取り合いにもなってしまう。そう考えると単純に派閥は生まれてしまうだろうなと思います。
理想は、これだけ日本でダンスシーンが盛り上がってきているんだから、狭い日本国内だけに目を向けないで、例えば海外のダンスシーンにみんなで挑戦してみるとか、よく聞く例え話で、もし宇宙人が攻めてきたら、共通の敵を前にするので、地球人が一つになれると。つまり、地方に俺たちGKKJという宇宙人が乗り込んできていいダンスを撒き散らせば、各地方も「俺らも東京に負けてられない!一致団結しよう!」ってなりやすいと思うし、そういうきっかけになってもらいたいと思ってます。
TDM:それは各地方にとってもメリットがありますね。具体的にはどんなツアー内容になりますか?
DAIKI:東京で活躍しているダンサーと、開催都市で活躍しているダンサーがほぼ1対1のバランスでがっつり出ます。そういうイベントはなかなかないと思います。名古屋・大阪では、エキシビションバトルで現地 vs 東京のバトラーで行われるので、現地との融合感がすごくあります。
YOSHIKI:こんなに東京からダンサーが各地に出向いて出演するイベントはなかなかないと思います。BLOOMで選ばれたクルーのメンバーも含めて、総人数で80人くらいですかね(笑)。
TDM:移動やホテルの手配など、運営も大変そうですね。そんな中、GKKJもゲストとして出演されるんですか?
YOSHIKI:いえ、GKKJは正直メンバーのスケジュールを抑えるのが大変になっているので、今は年に1回のGKKJ NIGHTでのみ活動しています。今年はツアーファイナルの東京だけショーをします。
実は、俺の中ではGKKJ CREWを名乗れるのは、来年10年の節目までにしたいと思っています。GKKJという会社自体は続いていきますが、GKKJ CREWは次の世代の形になってもいいんじゃないかなと考えています。
■将来、ダンサーライフが大きく変わる!?乞うご期待!
TDM:今のダンスシーンをどんな風に感じますか?
YOSHIKI:義務教育の中に入ったことで、ストリートダンスの認知度はめちゃくちゃ広がったと思います。その反面、本当に良いものが伝わっていない。ただ、否定しようと思えば簡単に否定出来ると思いますが、それらも受け入れて、さらに良いものにしていった方が俺はいいんじゃないかなと思っています。
別にダンスシーンに物申したいとかはなくて、みんなそれぞれ楽しんでいていいと思うんですけど、今のダンスシーンの中で、良いものを真似して、ビジネスにしている人たちがいます。そういう少しフェイクなダンスイベントが多くなった分、信念持ってやっている人たちが一致団結していけたら、ちゃんと良いものを目にする機会が増えていくと思います。
DAIKI:
俺らはたまたま会社にして、ダンスシーンを動かしたりムーブメントを起こしたりして、ダンスに将来性や楽しさを見出せていて、ただ踊っているだけじゃなくて、頭を使いながら仕事として続けられています。でも、今、逆にそうならなきゃいけない、そうあるべきみたいな風潮があって、それはあまり良くないと思います。例えば、30歳過ぎて何も考えずにダンスをやってたり、レッスンを持ったり、ツアーを回ってる人に対して「35歳になってもそのままでいいんですか?」と20代の子たちが感じている傾向があります。
でも、そういう否定じゃなくて、ダンサーがダンスの事だけ考えてダンスだけやってれば、野球選手くらい一生分稼げるような時代にならなきゃいけないと思っています。
元コンサルなので、数字の比較で言わせて頂きますと(笑)、野球選手はドラフトで毎年12球団から大体70~80人がプロ入りします。平均選手生命は9.5年くらいで、その9年間で平均生涯収入は2~3億。さらに、引退しても監督になれば、毎年平均3000万円、コーチだったら毎年2000万円という余生が保証されていると言われています。
では、ダンサーが、例えば20歳でレッスンだけで生活できるようになり、アーティストのツアーを回ったり、振付したりで、35歳までダンスで生活出来たとしたら、ダンサー生命は15年なので、ざっくり野球選手の約2倍働くことになります。現役プロ野球選手は常に約800人いますが、ダンサーで15年働いて年収1000万以上稼いでいる人はほとんどいません。現実は、プロのダンサーといっても平均年収は200~300万くらいの人が多いと思います。この現実の数字を知ったら、今子供に習わせたい習い事ランキング上位のストリートダンスがランクインしなくなると思いますが…。
だから、ダンサーがひたすらダンスだけやって、プロになって、15年間で2~3億円稼いで、引退した後もいろんな道が残されているような時代になれば、世間は「もっとダンサーを増やそう!」となると思うし、そういうムーブメントを起こしていきたいです。
自分たちだけが上手くいっていればいいとは思わないし、そう思ったら続かないと思うので。
TDM:その熱い信念で活動しているGKKJの皆さんの今後が楽しみです!展望はありますか?
YOSHIKI:展望はありますが、ここでは言わず、今後の行動で示していきますので、是非ご期待ください!
TDM:注目させて頂きます!本日はありがとうございました!
Interview by AKIKO
edit & photo by imu
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