01.interview, People

SSDW特集 SHUN×Toyotaka from Beat Buddy Boi

Off 19691

2018年11月19日~25日に開催される国内最大規模のストリートダンスの祭典「Shibuya StreetDance Week(通称SSDW)」。今年で4年目を迎えるこのビッグイベントのメインプログラム“Dance WITH music”のアーティストに就任したのはBeat Buddy Boi!渋谷3カ所のメインスポットでライブを行う“Shibuya DANCE CARAVAN”や子供から大人まで気軽に参加できるワークショップ“LECTURE SPOT”も担当!今回のSSDWの為に楽曲「Beautiful Monday」を書き下ろしたという。Beat Buddy Boi のSHUNとToyotakaに意気込みや楽曲作り、今後の目標などを聞いた。

 


 

  • Beat Buddy Boi

個性豊かなダンサー5人の世界レベルのストリートダンスとSHUNのラップを武器に、HIPHOPを「HIP“POP”」と変え、時にはCOOLに時にはFUNNYにお届けするHIPHOPエンターテインメント集団。2015年5月に「come again」でメジャーデビュー。デビュー1年目にして「MTV VMAJ 2015」で見事「NEXTBREAK ARTIST賞」を受賞。その後、ワゴン1台で47都道府県を周り全国の中学高校ダンス部に無料ダンスワークショップを開催。6都市でのファンミーティング~各地の109,109MEN’Sでのライブ~他イベント出演によるライブと、日本中を巡るプロジェクト「NAKAMA PROJECT」を大成功に終え、着実に人気を獲得しつつ日本の音楽シーンを刺激し続けている。

 

●SHUN

独自のフロウとクリアなマイクパフォーマンスを得意とする大阪出身の期待度No.1ラッパー。デビュー前から清水翔太の客演を務める。2011年3月23日デビュー・アルバム「AFTER SCHOOL」をリリース。オリコン・インディーズ・ウィークリー・ランキング2位を記録。また、加藤ミリヤ「今夜はブギー・バック feat. 清水翔太&SHUN」に参加し話題になる。2013年夏にSMEレコーズよりMINI ALBUM 「DA NOVΛ」でメジャーデビューを果たした。 2014年には気鋭のエモーショナル3ピースロックバンド“Lyu:Lyu”とコラボした楽曲「Never Change」がテレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト- 疾風伝」エンディングテーマに起用される。 2015年4月、ストリートダンスシーンで絶大な人気を誇るBeat Buddy Boiに加入する事を発表。 2015年5月にBeat Buddy BoiとしてもSMEレコーズより『come again』でメジャーデビューを果たした。 今後はラッパーSHUN、そしてダンスボーカルグループBeat Buddy BoiのSHUNとしてさらに活動の場を拡げている。

●Toyotaka

慶応義塾大学卒業後、社会人を経験しながらもBeat Buddy Boiのメンバーとして活動を続ける。卓越したアイソレーションとグルーヴを駆使した踊りで観客を魅了する。 またHuman Beatboxerとして表現の幅も広げるだけでなく、単独LIVEや映像でも演出を努めるなど多岐に渡り才能を発揮。EXILE世界とのダンスチーム「FTHEB」のメンバーとしてアンダーグラウンドシーンでも活動中。 最近では舞台「BREAK FREE」のメンバーとしてイギリスでBest Performance Awardを獲得し国内外で活躍している。


■ SSDW 2018メインアーティストとしての想い

 

TDM:早速ですが、SSDW 2018のメインアーティストに選ばれた感想を聞かせてください。

Toyotaka率直に言って、めちゃめちゃ嬉しいです!ずっとBeat Buddy Boi(以下BBB)として活動してきた中でリハーサルやミーティングはいつも渋谷だし、曲やパフォーマンスなど何かと渋谷で生まれてるんです。もちろんSSDWの存在は以前から知っていたので、渋谷×ダンスなのになぜSSDWの現場にいないんだ!と悔しく思っていましたので(笑)今回、メインアーティストとして参加できるなんて、もうこれは盛り上げるしかない!と思っています!

SHUNBBBは、ダンスとラップやHIPHOPの音楽が“こんなにカッコいいんだ”ということを幅広く伝えたい想いがあるので。東京のど真ん中の渋谷という地で、しかもこんな大規模なイベントで、その想いを表現できるのは嬉しいことだなと気合いが入っています。

TDM:今回のメインテーマソング「Beautiful Monday」は書き下ろしたのですよね?

Toyotakaはい。作詞はSHUNで、作曲はいつもBBBの楽曲を作ってくれている、ダンサーでもありトラックメーカーでもあるGROOVIN/SLASHのSNG(シンゴ)にお願いして、僕とSHUNとSNGで毎日やりとりをして作りました。

SHUN今回は、SSDW2018のために書き下ろしというのもあってイメージしやすかったです。
今年のワンマンツアー以来、‟皆で一緒に踊りたい“、‟BBBのダンスを見せたい”など、やりたいことを形にする楽曲作りは初めてだったんですけど、ワンマンツアーの期間にメンバーと自分の考えるBBBのビジョンを擦り合わせてきていたのでいつもよりはスムーズに作れました。

TDM:曲のイメージは最初からあったのですか?

Toyotaka インストで聴いてもダンサーが踊りたくなる楽曲を目指して、楽器の使い方やBPM、ハッピーな雰囲気がいいということ、みんなで踊れるようなサビにしたいということ、 変調のニュアンス…などを全部文章にまとめてSNGに渡したら「全然わかんないっす」って言われて(笑)結局、口頭で全部説明しました。
そして、最初のデモが上がってきたときに「もっとサビにパンチが欲しい」と思って、いろいろな曲を聴いてヒントを探して、Daft Punk の「Get Lucky」でギターのカッティングが裏で鳴ってるのを聴いて「これだ!」と思って、シンセでギターのカッティングを入れてもらったんです。でも、シンセの音よりやっぱり生音がいいなと思って、ギタリストの方にお願いして入れてもらったり、修正や調整を繰り返してようやく完成させました。

TDM:楽曲「Beautiful Monday」の詩に込めた想いなどありますか?

SHUN基本的には曲からイメージを沸かせて、歌の譜割りをして、そこに言葉を乗せていくんですけど、今回は、最初からハッピーなものにしたいと思ってテーマを考えました。
いつもライブを土日にやるとファンの子たちから「今日を楽しみにして1週間頑張りました!」という言葉を聞いてやりがいを感じるんですが、きっとライブを終えた後の現実感や、明日からまたいつも通りの日常が始まる憂鬱さを感じるときもあると思うんですよ。俺も、あんなに大勢の前で歌っていたのに、ライブ後の月曜日は、家で1人で寂しくいたりするし、理想はずっとライブやっていたいし。楽しかった時間を終わらせたくなくて、もがいている感じがあるんです。だから、“月曜日って憂鬱だけど、そんな月曜日も楽しもう!”というテーマにしました。
俺らは、音楽で皆の人生をどれだけワクワクさせられるかってことを常に考えているので、ちょっとでも週明けの憂鬱さをBBBの音楽やダンスでハッピーにできたらいいなと思っています。

TDM:振付はどなたがつけたんですか?

Toyotakaみんなで考えました。今回は、せっかくSSDWのメインテーマになるということなので、聴いても楽しめるということはもちろん、がっつりダンスを見せるパフォーマンスにしようというコンセプトを決めてたんです。
実は、僕は今年の8月に1カ月間、スコットランドのエディンバラでブレイクダンスの舞台に出てたんですけど、そのときにブレイクダンサーの構成の作り方などアイディアを溜め込んで、BBBで新しいエッセンスとして入れたいなと思ってたので、トラックができ上がってから3日間、ひたすら家にこもって構成を考えて、メンバーそれぞれにパート分けして振り付けてもらいました。
1ヴァース()目は、僕がやりたかったので僕が担当して、2ヴァース目は、メロディとSHUNのラップが入ってくるのできれいな振付が得意なgash!にお願いして…など、構成ができると「この人がハマるな」というのはだいたい思い浮かぶので、絶大な信頼を置いてお願いしています。でも今回RYOが振り付けたパートは、恐ろしく難しい振付を作ってきたので、みんなで必死で覚えました(笑)。
あとは、僕たちはinstagramなどで面白いダンス動画があるとシェアし合っていて、以前SHUNが、人が人の上に飛び乗ってる動画を「俺、これやってみたい!」と送ってくれたことがあったので今回振付に取り入れました!
サビの部分もメンバーでディスカッションしながら考えたんですけど、最初はなかなかハマるものがなくてヒントを探しているとき、インド映画のダンスってみんなで踊りやすかったり、ストリートの要素もけっこう入ってたりするなと思いつき、インド映画をYouTubeで漁って、みんなに「こういうのどう?」とシェアしたりしてインド映画をヒントに決めていきました。代々木公園で大勢の人たちが踊ることを想像して「もうちょっと手の動きをつけたほうがいいんじゃない?」とか意見を出し合いながら、レクチャー動画を撮影する1時間前くらいにやっと完成したんです(笑)。

(※)ヴァース:フック(サビ)に入るまでのラップ部分

SHUNToyotakaがBBBのブレイン的な存在なので、構成もプロデュースしてくれてありがたいです。曲を書く側としては、振付がイメージと違うというのは嫌ですが、そこは長い間一緒にやってきて、自信満々にできた曲をその倍にして返してくれるという信頼があるので、BBBはいい熱量でやれているなと思いますね。
パフォーマンスに関しては、今までのBBBの集大成と言ってもいいくらい抜け目なく仕上がっています。BBBの「言葉を視覚で見せる」というテーマも一番、体現できてるんじゃないかな。初披露のライブでも、お客さんの反応と俺たちが見せたい場所が完全に一致していたので自分たちでも「完璧!」って思いました(笑)。

Toyotakaそうだね。今までの楽曲と比べるとザ・ダンサーというパフォーマンスになってるいと思います。エディンバラからメンバー1人1人に電話して「こんな風にしたらどうかな?」とずっと話し合ってきたので、今のBBBが考えている結果が「これだ!」と自信を持って見せられるパフォーマンスが作れたと思います。

TDM:メンバー間でとても信頼し合っているんですね。

Toyotaka仲は良いです。グループチャットは毎日動いてますね。ほぼしょうもないことですけど(笑)。

SHUN去年「NAKAMA PROJECT」という企画で全国47か所を2カ月間ワゴン車で移動したんですけど、ワゴン車1台で2カ月もこの歳の男6人で毎日一緒にいるって普通だったらありえない(笑)。でも、好きなモノが一緒だったり、それぞれにリスペクトして刺激し合っているからできたんだと思いますね。

TDM:メンバーの役割分担みたいのものはあるんですか?

Toyotaka:SHINSUKEは、とりあえず何かあったらいじるスポットになってますね(笑)。ムードーメーカーというか、みんなの心の隙間を埋めてくれる存在です。SHINTAROも同じ役目で、集中力が切れたときにSHINTAROをイジり始める(笑)。gash!は、一応リーダーなんですけど、一番リーダーらしくないですね(笑)。でも、みんなのことをしっかり分かってるので、上手くコミュニケーションをとってくれるんですよ。それに、ずっとニコニコしてくれてるから空気がよくなる。6人で揉めたら収集つかなくなるので、gash!がリーダーでバランスがいいなと思いますね。
でも、仲が良い分、仲良しこよしだけでやってはダメ。パフォーマンスに関しては、SHUNも命賭けてマイクを握ってくれている分、僕たちもバックダンサーではないから個人個人がSHUNのマイクに負けないくらい、パワーを打ち出していかなきゃいけないと常に思っています。
だから、ライブ後にビデオを見て、呼び出して「何これ?」と、喝をいれることもありますね。でも、僕は口悪くダメ出ししちゃう分、自分が間違えたときは恐ろしいくらいのスピードで謝りますけど(笑)。

 

 

■もっといろんな世界に飛び出て、ダンサーの枠を越えないといけない

 

TDM:BBBはだいぶ昔から音楽性にこだわって自分たちで音源を作っている先駆けのチームだと思うのですが、ダンサーが曲を作ることについて聞かせてください。

SHUN俺は、デモの段階から自分で作っているんですけど、曲を作って、音楽が分かってくると結局ダンスの上達にも繋がるんです。どの曲を聴いてもドラムの音もバラバラで理解できるし、音楽の見え方が違ってくる。そういう感覚を研ぎ澄ましていったほうが、ダンスを練習するより上手くなるんじゃないかな。今は、パソコンと小さいキーボードがあれば作れちゃうくらい簡単なので、みんなやったほうがいいと思います。

Toyotaka今までバンドとか普通に見ていましたけど、曲作りに参加するようになってから、楽器を弾いている人に着目して見るようになりました。音楽が分かると視点も変わるし、ダンスを踊るときのニュアンスも変わると思います。
最近僕は、トラックメーカーの人がYouTubeにも上げてない著作権フリーの曲をアップしているサイトなどで良い楽曲見つけるのが好きで、そういう楽曲を使って踊ったりレッスンで使っている動画をインスタに上げてるんですけど、トラックメーカーの方の名前で検索してタグ付けすると、だいたい「使ってくれてありがとー!」とコメントやダイレクトメッセージが来たりするんです。この前も、「それ僕の曲なんです。使ってくれてありがとうございます」とコメントをくれた日本のトラックメーカーの方とダイレクトメッセージで連絡を取って、一緒に飲みに行って「一緒に曲作りませんか?」という話になり、今絶賛その彼とSHUNと僕で楽曲制作中です!
SNSの発達のおかげでダンサーとトラックメーカーの距離も近くなったので、いろんな化学反応が生まれてきそうだなって感じますね。

TDM:ダンサーがクリエイターと繋がっていく新しい形ですね。

ToyotakaBBB内でも、SHUNが去年「年間80曲作ってみて自分のアウトプットを生み出していく」ということに挑戦していて、そんなSHUNを近くで見ていたRYOも曲作りを頑張りたい気持ちになったらしく、昔テレビ番組の賞金で貰った100万円をBBBで貯金しているんですけど、それを一回RYOに投資してみよう!と、ソフトウェアなどを買わせて、それからRYOも毎日楽曲を作っています。やっぱりダンスと音楽は密接な関係があるので、音楽の部分でもみんなで進化していきたいですね。

TDM:進化していく中で、今後やりたいことはなんですか?

Toyotaka2、3年前はひたすらダンスすることでワクワクできたんですけど、最近は映像がすごく好きなので、海外のいろんな映像を見ながら、ただダンスをするんじゃなくて、複合的な要素も入れて、「ダンスってこんな面白がさあるの?」という映像を作りたいと考えています。それは、プロを連れてくればできちゃったりするんですけど、全部BBBでやりたいと思って、仕事で出会ったカメラマンさんにお話を聞いたりしてます。
10年くらい前のダンスシーンは、バトルやコンテストで結果を残せば仕事が来たり有名になれたので、僕も、上手くなればなんとかなるという感覚でやってましたが、今の時代、YouTubeやinstagram、TikTokなどで、ダンサーの見え方もいろいろ変わってきて、‟ダンス“と一口にいってもいろんなアウトプットがあるから、1つの分野に着目し続けると後々大変だと思うんです。
例えばバトルで毎回100点とれる人はそこで頑張ったほうがいいと思うんですけど、僕みたいに毎回80~90点は出せるけど120点は出せない人(笑)は、自分のアビリティを見つけて、それとの掛け算で自分にしかなれないオンリーワンのダンサーになって、ダンサーの枠を飛び越えないといけないと思います。だから、ダンサーがもっといろんな世界に飛び出ていくための1つの出口の形を僕らBBBで作りたいと思っているので、もっとスピード感を出して突き抜けていきます!

 

■SSDWで、大勢の人とダンスと音楽で繋がりたい!

 

TDM:SSDWのお話に戻りますが、DANCE WITH musicで踊るときのポイントなどはありますか?

SHUNダンスを上手く踊ろうとかじゃなくて、とにかく音楽を心から楽しんでほしい。日本人はどうしても踊ることに恥ずかしがっちゃうけど、恥ずかしがっている人を見るほうが恥ずかしいから、マインドを開放して楽しんでほしいです!

Toyotaka「Beautiful Monday」のサビをハミングにしたのは、みんなで大合唱しながら踊りたいから。歌いながら踊ると自然と気持ちもノッてくるし、振りも歌いながら踊れちゃうように作ってるので、みんなで歌いながら踊りたい!ダンスをやっているとかやっていないとかの垣根を飛び越えたいですね!

TDM:では、最後に読者に向けてメッセージをお願いします!

SHUNSSDWでは、Toyotakaが即興でビートボックスを入れたり、BBBにしか見せられない、SSDWでしか見ることのできないパフォーマンスをしたいと思っているので、11月20日の「Shibuya DANCE CARAVAN」も11月25日のメインイベントも待ってます!

Toyotakaダンスはどんな人でも楽しめるし、言葉も性別も超えられると信じています!誰とも壁をなくしてみんなでダンスと音楽で繋がって楽しんでいきたいと思うので、ぜひいらしてください!!

TDM:今年もSSDW盛り上がりそうですね!今日はありがとうございました!

 

interview &edit by Yuri Aoyagi

photo by AKIKO

’18/11/15 UPDATE


■Shibuya StreetDance Week 2018

日時:2018年11月19日(月)~25日(日)

渋谷の街をBBBがジャックする!
●Shibuya DANCE CARAVAN
日時:2018年11月20日(火)
時間:12:00~18:50
場所:渋谷ストリーム前金王橋広場(12:00)
渋谷マークシティ1Fイーストモール(15:00)
東急百貨店本店(18:00)
料金:観覧無料

ショーやバトル、コンテスト、青空ダンス教室など盛りだくさん!
●SSDWメインイベント
日時:2018年11月25日(日)
時間:11:15〜15:50
場所:代々木公園(野外ステージ・イベント広場)
料金:観覧・参加無料

 

★詳しくはコチラ!★
http://www.streetdanceweek.jp/

Instagram:@shibuyastreetdanceweek
twitter:@SSDW_2018

 

About the author / 

tokyodancemagazine

Related Posts


Post Tab

最新イベント