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S★O★S ~ mayumi × MISA ~

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今では過激な世界観も当たり前になっているが、S★O★Sという女性ダンスチームは約15年前から他とは一風変わった演出で楽しませてくれるダンスチームだった。ダンスイベントDABDABや、DABDABを始める前に横浜のclub HEAVENで開催していたDANCE STAND BYによく出演してくれていた。女性らしさとたくましさを持ち合わせた芯のある踊りで魅了してくれていたmayumiとMISA。安室奈美恵やBoAなどのバックダンサーをいち早く経験し、エルメスのショーなどでも活躍。現在、mayumiはポールダンサーとして日本チャンピオンを経験し、MISAはキッズスタジオ経営者としてそれぞれ活動中。当時から変わらないたくましさで、強く在り続け、それぞれの人生を自分たちらしく突き進んでいる2人に、これまでとこれからのことを語ってもらった。

 

  • mayumimayumi

    19歳で上京、20歳からダンスを始め、MISAとともにダンスチームS★O★Sとしてクラブイベントなどで活躍。また、安室奈美恵や島谷ひとみらアーティストのサポートなどを経て、ポールダンサーとなる。MISS POLE DANCE & POLE KING JAPAN 2016 優勝、SEXY POLE No.1 選手権大会 優勝(BSスカパー BAZOOKA!!!番組内バトル)。現在、ポールダンサー、ポールダンスインストラクターとしてLUXURICA 、STUDIO NIXXでの講師など幅広く活躍中。
     

 

 

 

 

 

 

  • misa_aMISA

    mayumiとともにダンスチームS★O★Sとしてダンスイベントで活躍。また、SMAP、安室奈美恵やBOA、島谷ひとみらアーティストのサポートなどを経て、現在、地域密着型ダンスサークルMISA KID★Sや、REDEIC DANCE STUDIOを設立し、指導者兼経営者を務める。2017年からKIDS POWERと共に保育園、幼稚園、学童にて 教育の中のダンスを展開し、一児の母として更に子供達、ママ達の為に活動中。
    ●KIDS POWER http://kidspower.jp/

     


 

 

 

 

 

 

 

 

■S★O★S結成~アーティストのサポート活動で過ごした20代。

 

TDM ご無沙汰しています!DABDABにはよく出演してもらっていましたね。S★O★Sはまだご健在ですか?

 

 

 

MISA
はい、まだ解散してないので、健在と言えば健在ですが、自然消滅に近いですね(笑)。ただ、後にJIL Entertainment Galleryで、一緒に踊る機会はありましたね。今でも年に何回かご飯に行ったりしていますよ。

 

 

 

TDM
2人の出会いは?

 

 

MISA 代々木のBEATBOXで、MASAKOさんの生徒として出会いました。最初のmayumiの印象は、「アニメだなぁ」でした(笑)。

 

 

 

mayumi
P1060096私はMISAを「生意気な女子高生だなぁ」と思ってましたね(笑)。MASAKOさんは本当にカッコよくて、今でもあんな風に踊れたらなと憧れています。従来のジャズにカッコ良さを加えて、今ではストリートジャズと呼ばれるようなスタイルが当時は新しくて、「やばい!かっこいい!」でした。その後、MASAKOさんプロデュースのJOYというチームで1年ほど業界で活動しました。MISAが19歳で私が22歳の時です。あの活動では、嬉しいことも苦しいこともいろいろ経験させてもらいました。その後が、S★O★Sの活動になります。

 

 

 

TDM
S★O★Sの名前の由来は?

 

 

 

mayumi 「助けて!」ではなくて(笑)、Strong Original Super girlsの頭文字なんです。

 

 

 

MISA
いや〜、どんだけ強くなりたいんですかね(笑)。

 

 

 

mayumi
S★O★S

S★O★S

S★O★Sをたくさん出て知ってもらわなきゃ!と思い、いろんなイベントに出てましたね。そんな中で良くしてもらってたのは、DANCE FLASH、DANCE STAND BY、DABDABでした。AKIKOさんには本当にお世話になりました!

 

 

 

TDM
懐かしいですね!S★O★Sとしての活動はどれくらい?

 

 

 

mayumi
1~2年くらいですね。すぐにお互いに仕事が入ってしまい、忙しくなったんです。私は安室奈美恵さんのオーディションに受かりまして、あれは人生を変えた出来事でした。その後も島谷ひとみさんや堂本光一さんの舞台などやらせて頂きました。

 

 

 

MISA
私も安室奈美恵さんや島谷ひとみさん、BOAさんの仕事が決まって、お互いイベントになかなか出られなくなりました。

 

 

 

TDM
20代の最初にS★O★Sを組んで、それから20代はすべてアーティストのサポート活動・・・いわゆるダンサーエリート街道ですね。

 

 

 

mayumi
いやはや、あの時代は、いろいろ学ばせてもらい、たくさん揉まれましたね(苦笑)。

 

 

 

MISA
私の知り合いはストレスで円形脱毛症になったりしましたし、過酷な日々ではありましたね。でも、私たちは仕事する前までもさんざん苦労したから、私たちは大丈夫だったのかもしれないですね。周囲と言うより、自分自身と戦ってきました。

 

 

■自分がトップとして居続けるために、ずっと同じところにはいたくない。

 

mayumi
P1060118アーティストとのお仕事を6〜7年やった20代が終わり、それから私はポールダンスの道に進みました。その前から、細々と始めてはいたんですけど、仕事の需要も当時は今みたいになかったので、自分が楽しむダンスとしてやっていました。あの浮遊感や妖艶さ、女性らしさ、芸術さはわたしが感じた床のダンスでは表現しきれないと思ったので。また、一時、役者を目指した時期もあり、ミュージカルやアクションなどもやっていました。もともとダンスの前に演劇をやっていたんです。2005年にREIKOさんがポールダンスの世界チャンピオンになって、スタジオを立ち上げる時に、講師として声をかけてもらってから今の生活になっていきました。

 

 

MISA
私もMISAKID☆Sというキッズサークルを20代からやってて、ダンサーとして必要な強さをどうすれば教えられるだろうかと考えながらやりはじめましたね。mayumiがポールやり始めた頃、私が26歳で結婚しまして、30歳を前に子供がほしくなってきて、SMAPさんのツアーを最後に家庭とスタジオ経営に切り替えました。自分が出るというよりはバックアップに回ろうと決めました。

 

 

 

mayumi
年齢的に、その決断は早いと思いましたよ。MISAは本当に人生の展開が早いんです(笑)。 事前にある程度、計画してあるのがすごいです。

 

 

 

MISA
結果、そう見えているかもしれないですけど、自分の中では、どんどんレベルアップしていきたいから、自分がトップとして居続けるために、ずっと同じところにはいたくないと思っちゃうんです。自分のダンスを突き詰めようか、スタジオに来てくれてる子供たちのために生きていこうか悩みました。つまり、自分を大事にするのか他人を大事にするのか、分かれ道があったんです。その時に自分にはもう満足だったから、これからは周りの人のために動いていきたい気持ちが勝ったんです。

 

 

 

TDM
とてもまっとうな考えだし、30歳で自分のプレイヤー生活に満足できるほどやり切れたのもすごいですね。

 

 

 

MISA
満足の理由の1つは、自分の家族や親戚にテレビで私を見てもらいたいという目標が叶ったからでしたね。

 

 

 

mayumi
それは私もありますね。私は鹿児島出身なので、テレビやツアーなど、ダンスを通して地元のみんなに会いに行けたことは、上京してダンスをやる上での目標でした。それが叶えられて良かったです。

 

 

MISA p01私はコアではなく、メジャーを選びたかったし、仕事としてダンスをやりたかった。突き詰めるタイプではなかったかもしれませんね。父からダンスへの理解がなかなか得られてなかったこともあって、きちんと仕事にしなくちゃと思っていたことも影響していると思います。小さい頃からバレエをやっていましたが、母はダンスのことはわからないという感じでしたし、父は私が最後と決めたSMAPさんのツアーの時に、初めて私のステージを観に来てくれました。父はジャズピアニストでメジャーな仕事もしていたので、業界の厳しさをわかっているからこそあまり勧めてくれなかったのかもしれません。でも、ダンスが好きだからこそ仕事にできましたね。 

父は最後の私のステージを見て、「良かったな」と母に話したそうです。

 

 

 

mayumi
そんなお父様との関係を知っていた私は、MISAの結婚式でお父さんとバージンロードを歩いてる姿に号泣でした!(笑)。

 

 

■ずっと同じ先生のもとにいたら上手くならないし、離れないと自分を確立できない。

 

TDM
それからREDEIC DANCE STUDIOが誕生していくわけですね。MISAさんの中でプレイヤーから指導者兼経営者への切り替えはどのように起きたんですか?

 

 

 

MISA
その切り替えにはとても葛藤がありましたし、寂しさもあり、すごく孤独でした。周りの同年代はまだまだ踊っているし、30歳での決断が早すぎたのか、間違ってなかったのか、よく考えました。でも、ここで自分を変えないと何も起こせないと勇気を出しての決断でした。

 

 

 

TDM
それから、まず具体的には何をしましたか?

 

 

 

MISA
昔からやっていたMISAKID☆Sの子たちが本当に上手で、私が敵わないと思うくらいでした。情熱も強くて、その気持ちに突き動かされるようにスタジオ経営が始まりました。この子たちがダンサーとして食べられるようにしたいと思いました。ただ、オーディションがたくさんあるわけでも、ましてや受かる保証もないので、せめてスタジオを作ればその講師として居場所を作ってあげられると思ったんです。ダンスで食べていくためには、ただ上手くなるだけだとコアになってしまうので、遅刻をしない、敬語が使える、挨拶などコミュニケーション能力があるなど、そういった仕事に必要なことも指導していきます。 

また、公民館などを借りてやっていたので、生徒を増やして、スタジオを構えるという具体的な目標を立てました。

 

 

 

TDM
率直に、生徒を増やすためには何が必要だと思いますか?

 

 

 

MISA
手の届きそうな目標を立てることですね。あとは目の前にあるものを大事にしていったらいつの間にか達成できていたりしました。別のスタジオでのレッスンをしていましたが、大人の生徒と仲良くなりすぎて、よく遊んだりするようになっていましたが、すべてやめました。ダンスはずっと同じ先生のもとにいたら上手くならないし、絶対そこから離れないと自分を確立できないし、その人の下にいたらずっと2番目だから。ただ、私が先生を辞めても、当時の生徒にMISA KID☆Sの講師としてずっと一緒に仕事をお願いすることができたし、食べてもらいながら、生徒もさらに増えることに結果つながりました。

 

 

■やっぱり、子供たちがかわいいので、指導者は辞められないです。

 

TDM
今のMISA KID☆Sたちはどんな活躍をしていますか?

 

 

 

MISA
20〜21歳くらいになり、 May J.さんやTUBEさんのバックダンサーをやったり、講師もやってくれているし、ダンスで食べている子が何人もいます。嬉しいですね~!

 

 

mayumi
卒業公演もちゃんとやるんだよね。

 

MISA
MISAKID☆S

MISAKID☆S

はい、MISAKID☆Sは高校3年生までしか教えないので、卒業公演では、卒業証書も渡します。毎年、将来どうしたいかを三者や二者面談で聞いていまして、高校卒業したら、生徒から仲間になるか、自分の道に行くのかを選択します。

 

 

 

TDM
まるで学校ですね。面談ではどんなことを聞くんですか?

 

 

 

 

MISA
 夢や目標は何か、どういう風にダンスに向き合っていきたいのか。ダンスへの意識確認と、私の想いが通じ合っていなかったら教えられないと思うので。たくさんいるので、半年くらいかけてやってます(苦笑)。テーマパークダンサーなのか、講師なのか、ダンスに関わる仕事をしたいのか、ただのリフレッシュなのか、ダンサーではなくて保育士になりたい子もいます。私としては必ずしもダンサーになってほしいわけではなくて、いろんな意向に応えられるようにしたいと思っています。それを元にクラスを分けますが、クラスみんなの気持ちを揃えるのも大変です。 

あとは、子供たちは、家庭で起きることが確実にダンスに出るので、面談ではご家族のことも知ることができます。

 

私の経験上での、親御さんへのアドバイスもできますし、ご家庭で直して頂きたいことは、私の方が年下でも、ハッキリとお伝えします。

 

サークルを立ち上げた頃は、私も若かったので、舐められていたこともありましたが、いつか絶対それを変えてやると思って、いっぱいいろんな親御さんの考えを吸収して、今では聞いてもらえるようになりました。

 

親子同士や、親同士の何かトラブルが勃発しそうだなと思ったら、事前に回避することができるようになりました。これは、精神的にもエネルギー使いますし、最近はそれに時間を取られますが、でも、やっぱり、子供たちがかわいいので、指導者は辞められないですね。

 

 

 

TDM
子供たちにはスパルタですか?

 

 

 

MISA
いや、結構何も言わず、みんなに任せています。「信じてるから大丈夫でしょ?」という感じです。小さい子は褒めますが、中学生以上になるとクラスによって分けますね。褒めたほうが伸びる子たちと、褒めなくても伸びる場合もありますね。自分で考えさせて、自立してもらいたい。先生はバックアップするけれども、結果自分で決めて欲しい。あまり厳しくしないし、怒鳴らないので、優しいと言われていますね、たぶん(笑)。

 

 

 

TDM
踊りだけでなく人間としての育成ですね。MISAさんに預けてると安心できそう!

 

 

 

mayumi
P1050552MISAの信念がちゃんと貫かれてるよね。それが結果につながって、今や200人以上だもんね。最初はチラシ手配りしてたよね〜!

 

 

 

MISA してたしてた~(苦笑)。立ち上げから生徒数十人からスタートできたのは、私についてくれていたキッズの親御さんたちがすごく熱心に取り組んでくださって、あの熱意が口コミと手配りで広がってくれたおかげなんです。

 

 

Were Strong girls!!

 

TDM
今後の2人の展望は?

 

 

 

mayumi
image3私は60歳、70歳になってもステージ立っていたいタイプで、そのための1つとして、ポールダンスのできるお店を持ちたいです。まだポールダンスに対してセクシーすぎると感じる人は多くいると思うのですが、その理由としては、肌の露出が多いこともあると思います。しかし、あのステンレスポールで空中をキープするには、肌でないと止まらないから。一般的な綿の服は滑ってしまうんです。でも、今やシルク・ドゥ・ソレイユの演目にあったり、オリンピック種目入り間近なポールスポーツ、世界各地で大会も行われ、キッズ、ジュニア、ダブルス、ショーケース、ポールアート、ポールシアター、まだまだありますが、いろんなカテゴリーで世界に広まっています。 

ポールダンスは特別なものではなく、誰でもやれるし、なんなら世界中の誰もが一緒にやれたら世界平和につながると本気で思っています。いつか、誰でも気軽に来られるレストランでポールのショーができたらいいですね。あとは長年の夢なんですが、ポールウエアの展開などなど、ですかね。寿命とお金が足りないです!(笑)

 

 

MISA
私は、忙しい親御さんがお子さんを保育園や学童に預けて、習い事ができない子たちが多いので、そういった場所でダンスを広めたいですね。すでに、保育園や学童にダンサーを派遣する新しいフィールドでも2年前から始めてますし、KIDS POWERというプロジェクト(プロフィール参照)が動き出そうとしているので、次の目標はコレの拡大ですね。あとは、引き続きMISAKID☆SとREDEIC DANCE STUDIOの育成です。今の講師の7割は教え子たちで埋まっています。今の時代、講師だけでも食べられるダンサーはたくさんいますし、変な話、ダンスが上手くなくてもいい指導者になれる人はいます。 

日本の企業や町内会の皆さんなどからのダンサーに対する認知は、まだまだ低いと感じます。そこを乗り越えて対等に仕事をするためには、ただ踊れるだけではなく、きちんと挨拶ができるとか、責任感が持つことが大切。そういうダンサーが増えれば、世間をもっと説得できると思います。

 

 

 

TDM
昔よりもダンサーに対する世間の需要やキャパが広がりましたよね。昔はダンスがうまければ生きていけましたし、お2人の様に無茶を無茶と思わないやんちゃな人たちばかりで、突き進むエネルギーがあったから突き抜けられた。 でも、今の若い子たちを見ていると、挑戦する勇気がないのかなと思うことがあります。30〜40代の私たちはチャレンジをするのが当たり前、その為の日々だと思って動いていた。逆に、今の子たちは真面目にダンスができている環境なので、行政や企業とのお堅い仕事もできる感覚があると思うんです。 やんちゃと真面目な感性がうまくリンクしていけると面白くなるんじゃないかな。

 

MISA
 そうですね。私、20代前半に、コアなダンサーさんと私の感覚が交れてないなってすごく感じてました。なんだろうこのコアとメジャーが融合しない世界は!?と。でも、それをAKKOさんが繋げようとしてくださっていると思ってました。

 

 

 

mayumi
突出している人たちと交れないところにいた私たちをAKKOさんは今でも好いてくださる。AKKOさんもMISAも昔からブレてないなと感じます。私はブレブレだなーあはは(笑)。

 

 

 

TDM
いや、mayumiさんのピュアエナジーはハンパないですよ。

 

 

 

MISA
そう!まさに九州男児だよ!(笑)。

 

 

 

mayumi 九州男児かーい!

 

MISA
mayumiは不安を外に出さないもん。友達に相談はせず、自分で決めるもんね。

 

 

mayumi
それはMISAもだよね。2人とも肝の座り方が男だよね!ネチネチ愚痴ったりもしないし!

 

MISA
P1050537そっか!だから気が合うんだね!

 

 

TDM
お2人ともStrong女子ですからね!これからもそのままで!!本日はありがとうございました!!

 

 

interview by AKIKO
photo by imu

’17/09/01 UPDATE

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tokyodancemagazine

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