Editor: Yuri Aoyagi Update:2019/04/28
4月11日(木)~16日(火)に、浅草ゆめまち劇場にて開催されたsuzuyakaプロデュースによる舞台「凛 ~女、有りの侭、此の先、~」。
suzuyakaにとって3年ぶりの自主公演となる本公演は、ダンスはもちろん、バンドやシンガー、ポールダンスにエアリアルなどを盛り込み、1幕はsuzuyakaの過去作品や新作を女性の偉人達の格言を題材に、ハットやステッキが印象的なボブ・ホッシースタイルや、クレイジー・ホースさながらに照明を巧みに使ったナンバーなどをオムニバスで展開。随所にエアリアルやポールダンスが華を添え、その緊張感のあるパフォーマンスに会場は息をのんでいた。
2幕は、ポピュラーな楽曲のメドレーを、生バンドとシンガー、ダンサーが一体となって贈る華やかなレビューショー!
この5月に閉館が決まっている浅草ゆめまち劇場で行う最後の公演とあって、suzuyakaの世界観が色濃く表現された、まさにsuzuyakaの集大成のようなステージであった。
■1幕 「凛 ~女、有りの侭、此の先、~」
■2幕 「show time!!!」

■suzuyaka interview
TDM:本番お疲れさまでした!今回は3年ぶりの自主公演という事ですが、公演をやる事になった経緯を教えてください。
suzuyaka:前回3年前に松GORIとやった公演の時は、1人の生徒に後押しされ開催しました。今回も同じで生徒に後押しされました。
7年前の公演は自分もがっつり出演していたのですが、約3カ月間のロングラン公演、長くやってる中でやっぱり私は自分の公演には出演したくないなという思いが強くなってしまい、そこから自分発信で公演を開催するのを辞めていました。
TDM:それはステージに立ちたくないという事ですか?
suzuyaka:私が「こんな世界を観たいな」という理想の世界の中に私みたいなダンサーはいなくて……なんか違うんです(笑)。例えば、可愛くて、身体の線がキレイで…みたいな、その理想の世界に当てはまるダンサーに踊って欲しい。だから、私は作る側でいたい。自分がステージに立つより、みんなが輝いてるほうが好きなんです。
TDM:では、どういうダンサーでいたいと思っていますか?
suzuyaka:正直困っています(笑)。振付けや作品作りは大好きですが、自分がプレイヤーとなると……。私は黒木由美さん主宰のJIL Entertainment Galleryというラテンの団体にいたんですけど、そこが唯一プレイヤーとして「この人の下で学びたい」と思ったところで、その団体の活動が終わった時に、もう自分がラテンのプレイヤーとしては終わりでいいかなと思っちゃった。でも、このままだとプレイヤーを辞めてしまうと思って、何かやりたい事はなんだろうと考えて、思いついたのがお芝居だったんです。そこからはRed Printや梅棒の公演に出たりしているので、今は、自分が出るのはお芝居の舞台が主ですね。
こういう若い女性が目立つ作品スタイルが好きだからかもしれませんが、今年30才になるので、前面に出て「suzuyakaです!」って踊るのが何か疲れちゃった(笑)。それは若い子に任せたいんです(笑)。
TDM:それでも今回公演をやった理由は?
suzuyaka:今回のキャストにはAnriという私が10代から教えている生徒がいるんですけど、3年前の公演の時は、Anriが一人立ちしようと頑張っていた時期だったので、‟私の生徒“という目で見られるより、自分で頑張っていったほうがいいと思い、Anriをわざと誘わなかったんです。でも、最近Anriがまた私のところで踊るようになって、「3年前の浅草公演に呼んでもらえなかったのがすごく悔しかった」と言われたんです。彼女も20代後半になっていろいろ悩んでいた事もあって「思いっきり踊れるうちにあの劇場に立ちたい」と言われて、決断したんです。そして、準備を進めていたら、急にこの劇場がなくなる事になったと聞きました。もしAnriの事がなかったらやらなかったかもしれないと思うと、これは運命だったな、と思いました。
TDM:今回でこの劇場は最後となりますが…。
suzuyaka:今回のような1幕でオムニバスと、2幕でレビュー、そのどっちもやれる劇場はここしかないので、このスタイルでやるのは最後だと思います。例えば、クラブだと友達は呼べるけど親は呼べないし、劇場だと椅子に座って観るだけだから構えちゃうので、一緒に楽しむというのは難しい上に、オムニバスをストーリー展開して演劇みたいに見せないと厳しいとなると、自分のやりたい事とどんどん離れていっちゃう感じがするので、この劇場だったからやりたいスタイルが出来たという感じがします。
TDM:若い子たちの「出たい」という気持ちを背負ってやっている感じですか?
suzuyaka:ずっとこの公演に出るのが目標だったという若い子たちがいるから、というのはあります。公演は大変だから、皆が本気でやりたいと思って頑張ってくれないと出来ないんですよ。生徒に後押しされなかったら絶対やらないので(笑)。だから、逆にいえば、生徒のおかげでダンサーを続けてらいれるので、かけがえのない存在ですね。
今回のポールダンサーとエアリアルダンサーの子も、もともと生徒だったんですが、「ダンサーだといっぱいいるから、違う形でsuzuyakaさんの公演に関われるようになりたい」と言ってくれて、私から一度離れて、こういう形でまた関わってくれたんです。
TDM:今回のキャストの中で、suzuyakaさんイチオシのダンサーはいますか?
suzuyaka:Anriは、私のところで一番長く頑張り続けてくれていて、今振付師としてもプレイヤーとしても活躍してきている中、私へのリスペクトを忘れないでいてくれていたり、性格もダンスも全て良いイチオシのダンサーです!今回はスロ―のジャズナンバーを1曲Anriに踊ってもらったんですが、このナンバーは、20代最後に‟美しく強く“じゃないナンバーを1つ入れてみたくて、カッコつけて踊ってきた20年間の裏にはたくさん一人で泣いた日もある、という本当の私を表現しているんです。正直お客さんには伝わらなくていいという思いでこのナンバーを作ったんですけど、Anriにだけどんな気持ちで作ったかというのを伝えたら、泣いてくれたんです。そして、いっぱい悩んで、考えて、踊ってくれた。そういうナンバーも託せる存在です。
もう1人は、BETTYちゃんですね。彼女が踊ってるのを見てナンパして出てもらいました(笑)。彼女はとりあえず個性的!身なりだけじゃなく、踊りもオーラも。それは私の振りに慣れてる子たちの中だからというのもあるかもしれませんが、個性という部分で、全部引っ張っていってくれました。
TDM:今後はどういった活動をしていきたいですか?
suzuyaka:プレイヤーとしてのお仕事は流れに任せて、オファーをいただいたらそこに全力を尽くすのみです。希望は、三十代の目標でもあった、振付やステージングなどの裏方のお仕事の方が増えていって欲しいなと思っています。
今回みたいなスタイルの公演を続けていくかどうかはわかりませんが、今回初めてシンガーさんのオーディションをやったら、SNSで募集しただけなのにダンサーより集まったんですよ!歌がめっちゃ上手い全然知らない人がたくさん来てくれたので、そうやって出逢ったシンガーさんやバンドさんと一緒に広げていくのも楽しいのかなって思います。
それに、私のやりたいスタイルに合いそうな劇場を勧めてくださる方もいたりするので、そうやって繋いでくれる方がいるなら、ご縁を大事にしたほうがいいかなと、思ったり……。やっぱり何かしらはやると思います(笑)。
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