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「まえあつライブ」特集 ATSUSHI×MAEDA from Blue Print

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昔からダンサーはお笑い好きが多いが、ダンス×笑い×芝居の融合を新たに確立してくれそうなのがATSUSHIとMAEDA。ダンサーの中でも、2人は新しい立ち位置にいる。間もなく開催される「まえあつライブ」を前に、彼らは、模索し、壁にぶつかりながらも着実に1歩ずつ進んでいた。この2人の挑戦にはセンスを感じるし、きっと多くの人を笑顔にしながら切り拓いていけるエネルギーがあるはず。これからも、ダンサー自身が新しく何かを開拓する機会が増えていくことを応援し続けたい。

 

  • atsushi小ATSUSHI
    1997年、沖縄アクターズスクール入学。ボーカル&ダンスを学び、同校のトップグループB.B.WAVESの一員として日本武道館コンサートに出演。1999年の上京をきっかけにストリートダンスに目覚め、2003年にダンスチーム『AFROISM』を結成。数々のダンスコンテストやダンスバトルで好成績を収め、日本テレビ『少年チャンプル』番組出演。年間を通して都内、地方で数多くのダンスイベントのショーに出演し、メジャーからアンダーグラウンドまで垣根を越えて活躍の場を広げている。Blue Printではエキセントリックな動きと演技で個性的なキャラクターを演じている。 

 

 

 

 

  • maeda小MAEDA
    1999年、16歳からダンスを始める。HIPHOPダンスを中心にストリートダンサーとして活動。2002年以降何度も渡米し、LAにて様々なジャンルのダンスを習得。その中でもKRUMPダンスに強く影響を受ける。帰国後、2005年に日本で最初のクランプヒップホップクラウンチーム「KAMIKAZE CLOWNZ」結成メンバー。2008年、日本人で初のHIPHOPクラウンズとしてTOMMY THE CLOWN 、LIL TOMMY のもとで本場のクラウン活動をし、バースデーパーティーやスクールツアー等でLA各地を回る。小柄ながらもパワフルで躍動感溢れる動きは定評があり見るものを魅了する。芝居経験もあり、Blue Printでは主役から脇役までこなすマルチプレーヤーとして活躍している。また楽曲制作や編集、動画やデザインの作成、アートやクラフト系アイテムの製作など多方面の創作活動を『MAEDA KOUBOU』として行い、様々なアーティストのPVやライブに作品提供している。

 

 

  • Blue Printとは
    2012年「SMAP×SMAP」や数多くの有名アーティストの振り付けを手がける、ダンサー・振付師のJUNを中心に結成。メンバーには、ストリートダンス世界大会チャンピオンのTATSUO。DA PUMPメンバーのTOMO。劇団SETの大竹浩一。映画、ドラマに多数出演中の山根和馬。各ジャンルで活躍中のダンサーKUNI NISHIZAWA/ATSUSHI/MAEDA。舞台版「逆転裁判」などの作品も数多く演出している劇団SETの大関真。エキセントリック・ダンステイメントをコンセプトとし、個性溢れる登場人物達が繰り広げるコメディーにクオリティーの高いダンスパフォーマンスを取り入れ、演劇、ダンスの枠に捉われない総合エンタテイメント作品を創作している。

 

■たくさんの挑戦。やりたいなら自分たちで機会を作らなくちゃいけない。

 

TDM 「まえあつライブ」の進み具合はいかがですか?

 

 

 

ATSUSHI 今回、初めて自分たちだけで台本を書いていまして、それに結構時間が取られてますね。コントと芝居とダンスの要素のある約1時間のライブをやろうとしてるんですが、約3週間前の現時点で、やっと20分くらいが書けたところです(苦笑)。

 

 

 

TDM なかなか難しい挑戦ですね。どんなライブになりそうですか?

 

 

 

MAEDA イメージとしては、お笑いライブの構成に近いです。昔から仲のいい芸人さんがいて、よくライブを観に行っていたんですが、漫才、コント、フリートークではお客さんとやりとりするようなライブでした。今回、あんなライブが僕たちなりにやれたら面白いかなと思ったのと、台本を誰かに頼むのではなく、自分たちで書くのも勉強になると思って、挑戦しています。
 

 

 

ATSUSHI P10307192015年のBlue Printの本公演が終わってから、少し時間が空いたんです。その頃、何かやりたいけれど、まだまだ知られていない自分たちに誰かが芝居のオファーをしてくれるわけでもないし、やりたいなら自分たちで機会を作らなくちゃいけないなとMAEDAと話していました。それで、うちの会社Blue Printにサポートしてもらって、実現しました。2人でやるのは今回で2回目になります。去年2月に1時間45分ほどの2人舞台をやったんですが、その時はBlue Print、Red Print、ゲストの方のお力を借りしました。今回は舞台よりも軽めで、気軽に見に来てもらえるようなものをしたいと思っています。あと、今年4月はまたまえあつ企画の舞台公演があり、8月にもBlue Printの本公演が決まっているので、それに向けても力をつけていこうということで、ライブ形式にしました。

 

 

 

TDM
具体的にはどんなことに挑んでいますか?

 

 

 

MAEDA
たくさんありますが、舞台では、本番中のお客さんとの空気感がとても大事なので、それを身近に感じながら芝居をすることと、僕ら2人の関係性や間を高めることですね。あとは、このおもしろ人間なあっくんをコントロールできるようになりたいんです!Blue Printの公演では、いろんなキャラクターをうまく回す役目を大竹が担っています。他の人ではなかなかできないんですよね。僕はキャラもそこまで濃くないですし、その力も弱いので、もし大竹がいない本番でも、僕も立ち回れるようになれば、きっとBlue Printに良い還元ができるだろうという想いもあります。ただ、今回は2人ライブなので、僕がボケて、あっくんがそれをコントロールすることもあると思います。そのバランスが自由に変わってもOKなのが、この「まえあつライブ」です。

 

 

■どうせやるなら難しい方をやりたい。

 

 

TDM 今向き合っている挑戦はダンスシーンでのチャレンジと違う感覚ですか?
 

 

 

MAEDA P1030212違いますね。ダンスは人前で見せる大なり小なり機会がたくさんありますが、今の自分たちがやっているものは、芝居とコントも含んでいるので、見せれるフィールドがかなり少ないんです。そのため、自分たちの経験を積むためにこの機会を作りました。おそらく、経験が積まれてきたらダンスと通ずる感覚もあると思います。また、2人の間が上手くいくように、ネタの練習はしますし、阿吽の呼吸でできるようになるくらい反復しないと上達しないのはダンスと同じです。今もネタを作るのにかなり時間がかかっていますが、ゆくゆくは短くなっていくでしょうし、そういった個人の向上が、2人の向上になって、それがBlue Printの向上にもつながると思っています。

 

 

TDM 2人のネタではダンスイベントには出れないのでしょうか?

 

 

 

ATSUSHI
んー、厳しいですね(苦笑)。どちらかというとお笑いライブなら出れると思います。昔、BOBと大竹と僕の3人でお笑いライブに出たことがあるんです。観客の投票で1位になったら次のネタも披露できるシステムだったんですが、こんなにもお笑いを目指してる人はいるのか!と思ったほどたくさんの人がいたにもかかわらず、僕らが1位になりました。お笑いライブに出続けることで上を目指す方法もあると思います。ただ、そんな風に5分のネタをたくさん作ることよりも、芝居やライブのような長尺の作品を作る方が大変ですし、どうせやるなら難しい方をやりたいと思っています。今回のライブも軽めとは言え、大変なことには変わりないので。Blue Printは、もともとプレイヤーの集まりですし、そこに属しているだけでは、誰も何も与えてくれません。今回のように全部自分たちでやることで、初めてわかることもありますし、大変ですが、結果自分のプラスにしかならないので、やってよかったですね。

 

 

 

TDM どんな風に稽古しているんですか?

 

 

 

ATSUSHI 今は台本を読み合せながら、変更してはまた読むのを繰り返していますが、「そろそろ変えずに覚えようか」という段階です。

 

 

 

MAEDA
芝居とコントの割合のさじ加減が難しいですね。芝居部分は笑いを強くすると、コントの時間もあるから、最初は笑いなしの芝居オンリーで進めていこうか、でもあまり長いと、持たないかもしれないからやっぱりコントで進めても良いんじゃないかとか、そんなことを毎回話しながらやっています。かなり時間はかかりますが、これが自分たちの成長につながると思っています。

 

 

■ダンス以上に誤魔化しが効かないし、シビアな世界。

 

TDM
ステージ上でダンスと違う感覚はありますか?

 

 

 

MAEDA
あります!特に笑いの部分なんですが、さっきも言ったように、本当にお客さんとの空気感が大切なんです。こちらが予想していなかったところがウケたり、逆に、これはウケるはず!と思ったところがウケなかったり。また、昨日はウケたけど、微妙に間が変わっただけで今日はウケなかったりして、ダンス以上に誤魔化しが効かないし、シビアですね。

 

 

 

ATSUSHI MAEDAは踊れて演じるだけでなく、小道具や大道具を作れたり、絵が描けたり、音も作りますし、最近他の劇団から演出助手を依頼されたりして、本当に多彩なんですよ。
 

 

 

MAEDA
P1030237高校時代に演劇部に入っていて、そこでは照明も舞台監督もやっていたので、舞台の知識はあったんです。でも、その時は芝居よりも大道具作ってる方が好きでした。それから約7年、演劇から離れていたんですが、TETSUHARUさん主宰の舞台「PLANET bite-sized」に出させて頂きました。ダンス公演なんだけど芝居の要素が入っていて、その時に「あ、芝居って楽しいな」と思えたんです。そして、そのときに観ていた原田薫さんに、 junkie bros.の舞台に出てみないかと声をかけて頂きました。そして、その後にJUNさんがBlue Printをはじめる時期にもつながって、今に至ります。ダンスの師匠のMANKEYさんも、ショーにおもしろ要素を入れるのが好きな方だったので、自分も自然と、ただ踊るだけじゃない、お客さんが楽しむ要素のあるパフォーマンスが昔から好きになっていきました。

 

 

 

TDM 最近は、スタジオの発表会でも演劇要素が取り入れられてたり、ダンスシーン全体が変わってきましたよね。ストリートダンスの舞台「ASTERISK」が始まった2013年くらいから特に大きく変わってきたような気がしますが、お2人もシーンの変化は感じますか?

 

 

MAEDA 確かにその頃から、ダンサーの目指す先が分かれてきた気がします。舞台に向き合い始めた人や、演技はやらないって人はクラブやコンテストやバトルなど、ストリートシーンでずっと頑張ってるし、メジャーデビューとか、メディアに出ることに向き合う仲間が現れだしたのもその時期ですね。最近は、裏方の作業も有難くやらせてもらっていますし、この感覚には自信もあるんですが、最近は自分のやりたいことをわがままに向き合う時間も確保していかなきゃいけないと感じています。今回のライブもその1つなので、ぜひ観に来てもらいたいです。

 

 

ATSUSHI
僕は、ダンスインストラクターになりたくて沖縄から上京してきました。22歳から教え始めましたが、教えだけをしていても何にもなりませんでした。そんなときにBlue Printに誘ってもらって本当に楽しい時間が増えました。でも、売れている人はスケジュールが稽古や本番で埋まっているわけで、まだまだ自分たちは舞台だけで食べられているわけではありません。いつかはテレビや映画にも出てみたいですし、それが出来る時には40歳を超えてるかもしれないし、いつ実現出来るかなんてわかりません。今子供もいるので、将来は、好きなことをやりながら家族と不自由なく生きていられればいいですね。今回のライブやBlue Printのがんばりが、そんな未来につながると信じて、目の前のことをしっかりとやっていきたいです。P1030287今年から週に1回、Blue Printのアクティングワークショップを始めたんです。誰でも受けれるオープンクラスなので、ぜひ、今回の「まえあつライブ」にお越し頂きつつ、ワークショップもぜひ受けに来てください!!

 

 

 

TDM 誰もやったことのない事だからこそ、大変な事もあると思いますが、応援しています!今日はありがとうございました!

 

 

[PICK UP]MAEDAとATSUSHIが芝居×ダンス×コントの新感覚LIVEに挑戦!「まえあつらいぶ vol.1」

 

 interview & photo by AKIKO & imu
’17/01/20 UPDATE

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tokyodancemagazine

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