少林寺×ダンス×舞台・・・8年前の発表以来、世界60都市で絶賛の大ヒット作となったsutra(スートラ)が遂に日本初上陸する。カンパニー総勢34名、キャストは19名 の中国少林寺の現役僧侶。彼らを束ねたのは、今最も注目を浴びる舞踊家シディ・ラルビ・シェルカウイ。今回は2度に渡ってスートラに迫る。初回はキャストの現役僧侶のお2人へスートラの魅力を聞いた。

• ファン・ジャハオ(写真左)
  少林寺武僧。スートラに出演する僧侶たちのリーダー。26歳。母語は北京語。少林寺では、各国の首相や大統領など、多くの重要な来賓の前でも拳法実演を行う。また少林拳の促進を目的として、高僧とともに各地を行脚する。森山未來出演の舞台「TeZukA」にも出演。
• グアン・ティンドン(写真下)
  少林寺武僧。2008年のスートラ初演時の初代少年僧役。現在は大人キャストとして出演。18歳。母語は北京語。

■舞台上ではメッセージを伝えることを意識

グアン

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小さな頃に「少林寺」という映画を見て、少林拳の存在を知りました。幼心に強くなりたいという憧れのようなものがあって、両親に相談し、武術学校へ入学することになったのです。武術学校では、自分と同じくらいの年齢の生徒たちも周りにたくさんいて、楽しい日々を送っていましたが、身体や武術の鍛錬にフォーカスした授業を続けているうちに、物足りなさを感じるようになりました。武術だけでなく、精神の修行や鍛錬への関心が強くなっていったのです。そして試験を受けて、少林寺へ正式に入門することになり、今に至ります。

TDM

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普段は僧侶としての務めをされている中で、舞台上ではどういう感覚で立っていらっしゃるんですか？

ファン

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1人の個人として舞台に立っています。リハーサル最初のころは、舞台の経験がまったくなかったので戸惑いがあり、ただ武術を見せればいいという意識でした。ですが、だんだん監督の要求がわかってきて、自分の感情を表に出して欲しい、普段少林寺に向き合いながら生活している様子、舞台の美しさを観客に見せるものなんだということを学びました。

グアン

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(C)Hugo Glendinning ずっと大事にしているのは、少林寺の先輩方、そして、スートラすべてのスタッフの方との関係です。また、最初は単なる自分の武術を披露するという感覚でしたが、今では自分の目つきや、観客の反応、動きの強弱の付け方などを意識することが、メッセージを伝えられる重要なことだと気付きました。

グアン

：

(C)Hugo Glendinning 特にありませんでした(笑)。その逆で、あまりに作品に夢中になってしまい、ラルビさんと2人だけで踊るパートで、音が止まってもそのまま動き続けてしまったということありました。本番後に叱られましたが(笑)。楽しい時間の方が多いですよ。

TDM

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今までで印象的な国の反応やエピソードはありますか？

■少林寺の文化を知って欲しい

ファン

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ステージを通して少林寺の文化を多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。今まではヨーロッパを多く巡ったので、今後、アジアで広めていきたいです。

TDM

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スートラをはじめてから、入門者が増えたのでは？

ファン

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出家した方はいませんが、スートラを観て、勉強しにくる方は増えましたね。

ファン

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すべてです。このパフォーマンスは最初2時間の作品でしたが、削らなくてはいけないため、選ばれた演目だけを披露しています。

TDM

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舞台上でどんな瞬間に心が踊りますか？

TDM

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好きな漢字はありますか？

グアン

：

「忍」です。自分にとって足りないことなので、言い聞かせるようにしています。

TDM

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では、最後に観客の皆様にメッセージをお願いします。

ファン

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少林寺の伝統文化、日常生活では身体だけでなく精神の修行もおこなっているので、その成果を観て頂きたいです。しっかりと準備をして、日本の皆さんに素晴らしいステージをお届けすることを約束します！

TDM

：

スピリットを体感できるのが楽しみです！ありがとうございました！

→Part2に続く

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 interview & photo by AKIKO & imu

’16/09/13 UPDATE