TDM - トウキョウダンスマガジン

RIZE 特集第4弾 
THE JAPANESE KRUMPER
MANKEY / SEVA PATO
RIZE特集PART2

RIZE 8月2日に発売されたRIZEのDVDはもうご覧になっただろうか。これまでトウキョウダンスマガジンでは数々の特集を組み、LAへも飛び、クランプとは何か、またその魅力について検証してきた。今回、ついにその最終章を迎える。最後にTDMが総力を挙げてお届けするのは、日本人にクランプの魅力を伝えるには、日本人のクランパーに聞くべし!ということで、現在日本でクランプをスタイルとしてとりいれ、都内クラブイベントやスクールでクランプを伝えている2組、「KAMIKAZE CLOWNZ」のMANKEYと「RAG POUND」のSEVA、PATOのインタビュー!MANKEYはHIPNOTIC BOOGIE、SEVA PATOはPARTY LINEとしてヒップホップスタイルを貫き、既に名実共に有名になっていただけに、彼らのクランプ転向に驚いた人もいたのではないだろうか。今回は彼らがクランプに取り付かれたその理由、その先に、日本人の我々を刺激するほどのクランプの魅力を見ることができた。
※文中敬称略

MANKEY

MANKEY
MASKI、KO-TAと共にHIPNOTIC BOOGIEとして都内クラブシーンで活躍、ZEEBRAのツアーやPVなどに出演。2005年、LAにてクランプを学び、Tommy the clown公認のチームKAMIKAZE CLOWNZを結成。
2006年、映画「RIZE」 の公開記念イベント出演。
その他、HARLEM ”WHOA”、 NUTS ”BLOW” などのイベントオーガナイズなども手がけ、幅広く活動している。

クランプとの出会い〜LAで受けた衝撃
 

3年くらい前にLAで、「YOU GOT SERVED(ユー・ガット・サーブド)」のDVDについてるレクチャー映像を見た時に、そこにほんとちょっとだけクランプの振りが映ってたんだ。「これは何なんだろ?」って思って、映像は英語だったから訳してもらったら「クランプって言って、これから流行るかもって言ってるよ」って聞いた時に初めて存在を知った。それからヒブギ(=HIPNOTIC BOOGIE)のショウにも取り入れ始めたんだ。

MANKEYそれから自分なりに改良したりして研究してたんだけど、映像もないし、ある程度の限界が来た。その時に「SHAKE CITY」っていうDVDを日本で見つけて、それには「RIZE」にも出てるTight Eyes(タイトアイズ)やDragon Slayer(ドラゴンスレイヤー)たちも出ていて、いろんな動きがあった。

その頃LAの知り合いが、Lil’Tommy The Clown(リルトミーザクラウン)っていう人がクランプのレッスンを受けたり、クランパーの集まる場所に行ったらしく、そういうLAの事情を聞いた時に、「こりゃ行かないとまずい」って思って、それでLAに行ったんだ。それが去年の9月くらいかな。

オレの行く3ヶ月くらい前にKAMIKAZE CLOWNZのMAEDAもLAに行ってて、サウスセントラルの教会のセッションがあるって聞いてたから、空港着いてそのまま一緒にその教会に行ったんだ。踊る気満々で行ったんだけど、現地着いたら、その場の雰囲気がものすごくて、出ていけなかったね。恐怖というか、圧倒された。そこにはタイトアイズもいたんだけど、そこでは入っていけなかった。それまで見ていた映像と生とでは全然違った。

バトルゾーン予選セッションに参加…
 

その翌日くらいかな、BATTLE ZONE(バトルゾーン)※に出る為のセッションがあるって聞いてそこに行ったんだ。その場で4人ずつ2組が選ばれてセッションするんだけど、そこで俺も参加したのね。参加者は大体10代とか子供くらいだったんだけど、それでも向こうのエネルギーはすごかった。

※BATTLE ZONE…現在でも毎年アメリカで行われているクランプの大会。トミーザクラウンが審判を務め、その様子は映画「RIZE」の中でも観ることができる。

そこの雰囲気も独特で、全く知らない同士の4人チームなのに、「いけー!いけー!」って、出るヤツの体を叩く。それはエネルギーを与える意味だったんだけど、でもその時の俺はその意味も分からなくて、それでその場で選ばれた他の仲間のことをいきなりは叩けなかったね。それで仲間の輪にも入れず…ほんとにすごい雰囲気だった。セッションは、ケンカといえばケンカにも見える。向こうの人は喜怒哀楽の表現がすごく大きくて、それまで相当怒ってたのに、突然ものすごくふざけて相手をバカにしたりとか、その表情の差に驚いた。終わったあと、見てた黒人のおばちゃんに「more energy.(もっとエナジーを出して)」って言われたよ(笑)。

MANKEYスタイル…
 

これはオレがサウスセントラルに行って見ての感想なんだけど、クランプは精神論だとか、この動きじゃないとダメとか言ってるけど、オレは何でもいいと思うんだよね。現地ではトミーザクラウンの下の人たちと一緒にいる機会が多かったんだけど、彼らはクランプに遊びを入れたような、もう少し踊りに近いスタイルだった。俺はどちらかと言うと、見てて面白いし、すごいとも思える彼らのスタイルが好きだったから、今の自分のスタイルになったんだと思う。

流行?定着?…シェイクとの違い

 

MANKEY今都内でクランプのレッスンを持ってるけど、本当はクランプの本質的な部分を伝えたい。でも、レッスンに来る人も戸惑うだろうし、なかなか難しいところだよね。でもこの間のNUTSでやったイベント「BLOW」ではグループのバトルをやって、かなり熱かったよ。オレの後輩はソロのバトルイベント「CLOWN NIGHT」もやっててそっちも盛り上がって面白かった。

一時期流行った「SHAKE(シェイク)」※は、あまり動きにバリエーションがなかったし、合わせよりもソロが中心で、クランプも、一人で踊って、合わせずらいと頃は少し似てる部分だと思う。日本のダンスシーンでは、合わせやすい動きの方が流行るし、長続きして根付きやすいしね。クランプはシェイクと比べて、動きも多くて、踊りに近い気もするし、取り入れられやすいから、続くんじゃないかなって思うよ。でも、かなり好き嫌いの差があるコアなものだからね。定着すればいいね。

※SHAKE…2001年、NYのHARLEM SHAKERSが作ったとされ、日本ダンスシーンで流行した動き。主に上半身を振る=シェイクする早さや角度で音を取る。

クランプの魅力

 

MANKEY今までいろんなダンスを見てきた中で、クランプが一番衝撃的だったんだ。正直、今の日本のダンスシーンでクラブでのショウタイム中心の流れも、自分はいい流れではないんじゃないかって思ってた。クランプにはチームで合わせる楽しさとは違う、一人で踊れる楽しさがある。踊りの上手い・下手ではなくて、周りを巻込む空気やエネルギーがすごい。HARLEM SHAKERSやELETE FORCEを初めて見た時も衝撃だったけど、クランプが今まで一番だった。

クランプをしてると精神的に最高潮になって、無になるというか、やりきったと思える時がある。そういう時は周囲からも「よかった」って言ってもらえるね。やり初めてから約1年経つし、そろそろバトルゾーンにも出なきゃかな〜。でも、ソロバトルに勝つには相当気合入れないと難しいかも…(笑)。でも頑張りたいね。その辺も視野に入れつつMASAKIもVIBES WORKSってチームでクランプ始めたし、KO-TAはユニットでやっててオレはKAMIKAZE CLOWNZだから、互いに楽しい事をやっていって、またヒブギとしてやる時もそれぞれのいい部分を楽しみたいね。

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