一言でいうと、「人のエナジー」という魅力が大きいかな。面白いのが、ダンスをやってきたから、といって、ダンスの写真が撮りたい!という風にいかなかったこと。その代わり、昔から音楽や楽器で自分を表現している人達に人一倍憧れがあったのと、私が踊ってるときに一番楽しかったのが、音楽に近づいていくこと、つまり、ライブで踊ることだったっていうその流れで、最初に、音楽のライブの写真にはまっていった。ステージ上のミュージシャンのテンションを感じて、ライブを撮ってる時はすごく楽しいし、別の世界に入ってる自分が居る。そして、神様が降りてきてる瞬間を感じて鳥肌立ったり…。人のエナジーが面白いんだよね。例えそれがとても静かなエナジーでも。そして何よりもステージにいる神様をいつも感じる。
今、私は「人」を撮るのが好きで、セッションの一つ。いかに状況、被写体を観察して、タイミング、メンタル、それを全部感じつつ被写体との時間を撮っていく、っていうプロセスも視野に入れていくとどのシュートも全部違うし、だから一回一回のフォトシュートが私のライブ。それがすごくおもしろい。DANCEと一緒で、踊れば踊るほど、写真は撮れば撮るほど、どんどん次の“stage”に上がっていけるから、エンドレスで楽しみ! ただ、今は自分のDANCEのバックグラウンドが、どう活かしていけるのか、まだ私の中で100%合体していないのね。でも近づいてきてるし、その日は必ず来るから、とりあえず、撮り続けようっていうのが今の目標。 昔、絵を描いている人に、「僕は道具を使わないと自分を表現できないけど、ゆりちゃんは体一つあればできるもんね」っていわれて、当時は「そうかな?」って思っていたけど、違ったことをやってる今ならその言葉の意味がわかる。写真は、表現をマシン(=カメラ)に託さなくてはならない。ダイレクトではなくて、マシンを使いこなすというテクニックが必要で、気持ちだけがあっても、マシンを使いこなすことだけでなく、光を見る目、光を使いこなすテクニックもすごく必要で、今私はそこの部分を磨いている。でもそこを超えなきゃいけないし、今はまさにそれをすべき時期。それを通り過ぎると、それが、呼吸してるのと同じような感覚で、できるようになってくると思う。そしたら、もう一つ上にいけるよね。
そういう意味ではダンスも同じで、テクニックとフィーリングのバランスが必要。テクニックだけ求められてもつまらないし、テクニックを超えて、自分の体の一部として、表現ツールとして使うっていう、また一つその先の部分にいかなきゃいけないっていう部分で、私は、もうちょっと時間が必要。もうちょっとね。
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