TDM - トウキョウダンスマガジン

2004.7.31(SAT) MAIN STREET@CLUB CITTA'
90年代のダンスシーンを牽引してきたイベントの筆頭に上がるのがこのMAIN STREET。2年振りに復活するということでオーガナイザーのRAHAの気合も並々ならぬものがあった。『これはいいイベントになりそうだ』と当日を迎える前から楽しみにしていたのだが、いざ会場の入り口に着いてみると、そこにはすでに長蛇の列。中に入り、プレス席につくと、横に並ぶカメラの数に、このMAIN STREETの話題性の大きさを実感する。これだけメディアの取材が入るダンスイベントは、思い返しても中々浮かばない。ダンスシーンの成長を嬉しくも思った。
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見たところ、2000人以上の集客があっただろうか。沸き返る会場を見ながら、漠然とそんなことを考えているうちについにショータイムがスタート。

オープニングの”RATHER UNIQUE”のLIVEから会場の雰囲気はいきなり絶頂に達するような熱気に包まれた。”EXILE”のメンバーでもあり”RATHER UNIQUE”のメンバーとして活躍しているMAIKIDAIやUSAも、MAIN STREETの舞台を経て新しいダンスのスタイルを形作っていったダンサーでありアーティストだ。
MCを務めるZEEBRAも同様。現代のエンターテイメントシーンを担う人材がこのイベントを作り、そしてここから生まれていったのは紛れもない事実であり、そのイベントの復活を出演者自らが喜び、歓迎し、彼らのモチベーションを更に高めているように思えた。
さて、そんなイベントに出演した栄えあるダンスチームを紹介したい。
『伝説のイベント MAIN STREET』が全盛の90年代中頃に、まだダンスシーンに接していないだろうと思われる若手ダンサーから抜擢された女の子4人組”OH GIRL!”。20代前半のメンバーで構成されるとは思えない演出で、各人の存在感は2000人を超える会場の雰囲気を呑み込むぐらいのオーラがあった。
メンバーの調整もあって2人で臨んだ”COSMIC FUNK”。紅白で衣装を揃え、自己のダンススタイルでPOPを見せ切った。POPの王道とも言えるようなTATSUのスタイルと洒落たスタイルのRYUZYのバランスが心地よく目が離せなかった。
HIPHOPシーンの中でもシェイクのスタイルの第一人者のチームとして流行を確立した”HIPNOTIC BOOGIE”。3人3様のスタイルが上手くフュージョンしている。パフォーマンス中に見せるKOTAの笑みが何ともいえない良い雰囲気で、見ているこちらまで気持ちよくさせるダンスだったと思う。
ネクスト・ジェネレーションのダンサーとして、現在のハウスシーンを代表するメンバーで構成された”ALMA+ZERO db”。MAIN STREETで、大御所ROOTSが使ってきた10曲ぐらいの名曲をテンポ良くつなぎ、踊りこなした。過去を現在へつなげるようなその演出、一方でその演出に気が回らないほどに見とれてしまう彼らの足さばき。まさにMAIN STREETのために結成されたメンバーによる、MAIN STREETのためのショウケースだったのではないだろうか。
今年で10周年を迎える”STRUT”。ショウケースの始めにスクリーンにSTRUTの10年間の歴史映像が流れた。彼らのショウも多々見てきたが、ここまでの演出は滅多にないことだった。生涯現役ダンサーの風格を見せつけ踊り続けるKAZUと、”BUTTER”のO-SHIMA、SHINICHI。ルーティーンとそれぞれのカラーを存分に出したソロ。MAIN STREETに彼らの歴史を重ね合わせて今回のMAIN STREETに臨んでくれたのではないだろうか。
MAIN STREETだからこそ実現する事ができたと言っても過言ではない”MO'PARADISE”。遊び心満載の演出は会場の雰囲気を一変させた。高いエンターテイメント性と技術を思う存分使った、起承転結を感じさせる展開で、純粋に見ていて楽しめるパフォーマンスであった。
オオトリで、今回のメインディッシュでもある”ROOTS”の復活。彼らの醸し出すグルーブは勿論、作り出す雰囲気が素敵だった。楽曲も90年代懐かしい“Technotronic”の「Pump up the jam」なども織り交ぜていたように思う。メンバーのYANとKAIEが最後に参加し、各メンバーの得意技(現役時代にトレードマークでもあった技)を披露しながら楽しそうに踊る姿には心打たれるモノがあった。今や古きよき時代だったといえる10年前のダンスシーン知る(やや?)年配層のダンサーには、”ROOTS”のメンバーが久々に集い、彼らが楽しそうにステージで踊っていること自体に喜びを感じたし、彼らの喜びも伝わってきた。最近はDJとして活動しているKANGOが『踊り復活しようかな』と最後に漏らしていたが、つまりは、90年代に活躍したダンサーたちを体現する空間がこのMAIN STREETであり、90年代の良さと2000年期の新しい空気をMIXし、新しい価値を創り出していたように感じる。
いろんな時代のダンサーが融合し、様々な楽しみ方をした一夜。クラブタイムもセカンドフロアーもバックヤードも尽きる事のない会話やバトルが繰り広げられた。現在活躍するダンサーがニュージャック時代のステップでバトルを繰り広げ、バイブフルな空間を作っていた。DJもKENBO、BOBBY TONES、KOBOO、KAZと様々なジャンルと新旧が入り混じって、多種多彩。ダンサーはもちろん、ダンスミュージックを愛するクラバーが音楽とお酒、人との触れ合いを堪能していた。
ダンサー、クラバーが、新旧の年代を超えて集まり、そのエネルギーを集結させ、創り上げているのが”MAIN STREET”だろう。(だからこそ、ネクスト・ジェネレーションが作るイベントと異なる何かがそこに存在している。)今後も定期的に開催してくれることを切に願う。
<文責:AKIKO>
※公なところでのレポートとして、全ての敬称を省略させて頂いただきましたこと、関係者各位様にお断りいたします。
'04/09/24 UPDATE
Writer:Akiko Editor:Kyoko
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