TDM - トウキョウダンスマガジン

2004.12.7(TUE) AFRA "Digital Breath" Release Party@DUO MUSIC EXCHANGE
AFRA DIGITAL BREATH RELEASE PARTY
AFRAがTV画面に進出してから、ヒューマンビートボクサーという表現方法が世間に知られる様になった。音楽を構成するビーツからメロディーを始め、様々な音を声とブレス(呼吸)を巧妙に使い分けてビートを紡ぎ出す技術が日本の音楽シーンを含め音楽文化の中でその地位を確立した。そんな新しい形のアーティスト“AFRA”のリリースパーティーに足を運んだ。
開演を待つ長蛇の列!開演時間の近づくの会場は早い時間から長蛇の列が出来ていた。FUJI XEROXのCMで話題にはなったもの、アンダーグラウンドをベースに活躍していたアーティストだから「どれ位の人が集まるか?」ちょっと楽しみにしていた。そんな期待に答えた満員御礼の会場にすっかり溶け込こんだ状態でLIVEパフォーマンスは開始。
スペシャルゲストにはターンテーブルとエレクトーンをパワフルに使いこなす“TUCKER”がライブフル溢れるパフォーマンスを披露。

続いて“HIFANA”の登場。サンプラーにいろんな種類の音を設定し、サンプラーのパッド(ボタンみたいなもの)を叩いてリアルタイムに音楽を作っていくアーティスト。サンプラー以外にもスクラッチやパーカッションを使ってより多くの音を乗せていく。何気なく見ているだけでは「何をやっているのだろう?」思うかもしれないけど、いざ一つ一つの音を別々に聞いてみると「有り得ない!」リズム感とハイクオリティーなテクニックに脱帽してしまう。プログラミングされていない音楽(カラオケではない状態)がそのLIVE感から伝わってくる。パッドをリアルに叩くLIVEは身体全体のパフォーマンスになっている。気の利いたMCをテンポ良く挟みつつ、独特の世界観によるVJも一緒に音遊び。音楽と映像のセッションは会場の空気を“HIFANA”一色に染め上げていた。
TUCKER

HIFINA
AFRAシンプルなビートボックスから始まったAFRAのLIVE。次々と音を重ねて合わせ、完成されるリアルなサウンド。何処からともなく発せられるスムーズな高音がメロディーを作る。鳥肌の立つような感動モノ。ビートボックスを録りこんでトラックを制作し、Prefuseがサウンドを構築するという作品になっている。

デジタル音に強いと定評の“Prefuse73ことスコット・ヘレン”がプロデュースしたこともあって、全体的にビートボックスが全面に出ているわけではないけど、「AFRAのビートボックス=音響パーツ」という構成が面白い。吐息だけを使った曲は力の抜けたような趣があって象徴的だった。

今回は大阪から“啓 ART OF VIVES”というヒューマンビートビートボクサーが参加して、3人のヒューマンビートボクサーによるセッションが行われた。人間だけで繰り広げられる豪華バンド&シンガーがたったの3人で完璧に披露できるのだから面白い。セッションのようなバトルのような、曖昧なバランスの持ち味がアナログならではの味になっている。
AFRA 最後にはアーティストが一緒になってフィナーレを飾る。「みんなで音楽を作ろう!そして遊ぼう!」世界に認められる音楽を産み出していく日本人が、超越的な感性と高度な技術で世界の音楽と結び合っていく空間に居られて幸せ。会場にはHIPHOP、RAPミュージックの第一人者的なスチャダラパーのメンバーから、著名DJ陣が顔を揃えている。それだけ注目なアーティストなのだろう。これからの活躍に期待したい。

最近では音楽(主にトラック)を制作するダンサーが増えているのを実感する。昔のダンスシーンからしたら考えられない事なのかもしれない。音にストイックになる精神をこれからも持ち続け、前進していきたいと思う。“AFRA”の登場がダンスシーンに影響を与えたのは紛れもない事実だと思う。
'05/02/04 UPDATE
Writer:akiko


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