TDM - トウキョウダンスマガジン

トウキョウダンスマガジン 10th & ストリートダンスマガジン 1st ANNIVERSARY PARTY × DABDAB 2008.11.06
トウキョウダンスマガジン 10th & ストリートダンスマガジン 1st ANNIVERSARY PARTY × DABDAB 2008.11.06
「ダンサーがモチベーション高く臨めるイベントになるためには…」「もう少し飛躍するためには…」「ダンサーの可能性を広げるためには…」等、DABDABはいろんな要素を考えながら作っているイベントで、今回はそんな実験をふんだんに詰め込んで企画した。

まず、ダンサーの、ダンスだけでは無い、いろんな可能性を活かしたくて企画した“TAKE A CHANCE!!” CROSS MEDIA AUDITION。この企画は社会にダンスを広げる可能性を持つメディアやその関係者の人々に協力してもらい、ダンサーの視点だけではなくダンスをやっていない人の視点を重要視したもの。“いいものはいい”という観点からダンスを評価してもらい、良ければそれなりの対価を得られる様に基盤作りを試みた。いろんなダンサーにこの趣旨が上手く伝わったのかという面では反省点も多かったが、収穫のある一日になった。

- Line up - ※各ページにジャンプします。
“TAKE A CHANCE!!” CROSS MEDIA AUDITION
【フォトグラファー部門】
・mayaka (選出:塩崎亨)
se-co" (選出:薮内努)
【アパレル部門】se-co" (選出:"en4th")
【メディア部門】
mayaka (選出:トウキョウダンスマガジン)>
・ALL WE HUV (選出:ストリートダンスマガジン)
【アーティスト部門】該当者なし
【WORLD WIDE部門】該当者なし
【DABDAB出演】MIHO / mayaka / ALL WE HUV

DVD SHOWCASE : 映像に込めた世界観を具現化してくれた。
DJ TIME SHOWCASE : 今宵も素敵な瞬間にたくさん出会えた。


■“TAKE A CHANCE!!” CROSS MEDIA AUDITION

【フォトグラファー部門】se-co" (選出:薮内努)



今回初めて審査員という立場でダンスイベントに参加していろいろと勉強になった。普段はカメラマンとしてイベントのレポート撮影だけなのですが、ダンサーを被写体として選び、撮影する。いつもなら、自分が選ばずとも、ステージにはいわゆるカッコいいダンサーが出てきてくれて撮影する。という与えられた環境下での撮影とは違い、選んだ理由、撮影したいという理由を見つけることが、本当に嬉しかった。

選ばせてもらったse-co”のどこが良かったのか?と聞かれると、「なんとなく、良かったから。撮影したいと思ったから。」となんとも曖昧な返答になる。

たぶん、ダンサーから見て、何であの人?という疑問もあったかと思う。それは当然なことで、踊ってもいない人に評価されるのはどうかと思う。というのも僕自身の正直な意見のひとつでもある。しかし、結果的に彼女を選んで正解だったと思えたのは、写真を撮ってみて確信できた。まず、一目見て絵(写真)が出てきたのは彼女だけだった。僕だけにしかない見方で踊りを観て、僕だけにしかない直感で決定していた。それは何に関しても自分の直感や感性で「イイモノ、ワルイモノ」「スキナモノ、キライナモノ」をファインダー越しに観て、とってきたからかもしれない。

前に、TDMの対談インタビューをさせてもらったときにも言ったが、「なんとなく」というのは決して適当に言っているのではなく、「なんとなく」という曖昧な表現の中にこそ、すごくたくさんの要素、価値観、理由なんかがあって、それはすごく追求することのできるものだったり、追求され続けたものだったり、見えないモノだから「なんとなく」しか言えない。何かを評価したりするのに、時には明確に万人に理解できるように理由付けしなきゃいけないときもあるだろうが、写真もダンスも人も僕は「なんとなく好き」という理由でいい気がした。

「この人のダンスが良い、好き」と理由を何かであらわすとしたら、それはダンスの写真で見せられればいい。「何でこの踊りを踊っているのか、好きなのか」と理由を表さなければいけないのであれば踊りで見せればいい。写真もダンスも、同じだと常々言っているのは、目に見えない「なんとなく」や「奥行き」に感動させられたりするからだと思う。そう確信できるだけでも、もっと写真が好きになったり、ダンスを撮りたくなったりする。そういう自分の気持ちや考えが再確認できたし、被写体になってくれたse-co”との撮影でそう思えた。彼女の今後の活躍に役立てればと思いながら、自分の見た彼女のカッコいい部分が撮れた気がする。

それと選ばれたダンサーも含め、このオーディションに企画に参加した全員に感動した。目的はそれぞれ違っただろうけど、ダンサーがダンスのイベントで評価されるのではなく、違ったメディア人に評価される=アピールする=チャンスをつかみにいく=夢をかなえる、みたいな。

まずはその第一歩を踏み出した勇気(なんていったら大げさかもしれんが) がすごいと思った。チャンスって人からもらえるのを待ってても手に入るもんじゃない、自分からいかないと、と思うのはカメラマンの仕事も同じだから。そりゃ仕事は人(編集とか)からもらわないと撮影できないけど、そういう“もらう”ではなく、もっともっと上に上がりたかったり、すごい仕事をするには、自分の技術を磨くのはもちろん、写真を他人に観てもらい、評価してもらわないと自己満足で終わっちゃう。他人に自分のを評価してもらうのには勇気がいるし、怖いし、少なくともあそこに来たみんなは、結果は別として自ら進んでオーディションに来た。その勇気に感激した。

レギュラーでやらせてもらってる撮影などでいっぱいになって、挙句の果て「時間がない」なんていってる場合じゃないと思わされました。やっても結果がついてこなきゃ意味がない。確かに。でもやってみようとする。まずそれが大事で、それができてる。やろうとしないやつもいるし、やってる人を鼻で笑う人もいる。どこの世界にも。YAB-CO

やり続けたらいいと思う。とことん。

そんながんばるダンサーの手元に残る写真。いずれそれが武器になる写真を撮影するのがこのイベントでの僕の役目。ほんとギブ&テイク・こんなイベントがダンサーのために開かれるのはほんとにすばらしいこと。それに参加できたことに感謝です。アザっす!もっともっと大きなイベントになってたくさんのダンサーが参加してもらえたらいいと思います!はい。

薮内



【アパレル部門】se-co" (選出:"en4th")



se-co"さんのダンスは非常に愉しみながら、且つ力強い踊りを魅せていただきまし た。ダンサーさんと観る側の双方が愉しめるダンスをこれからも魅せて下さい。

"en4th"プロジェクト 企画開発マネージメント 爲谷謙治



【メディア部門】mayaka (選出:トウキョウダンスマガジン)
TDM:
今回のオーディションでメディア部門に選ばれて、翌日にはMISIAダンサーオーディ ションにも合格。最近はリハーサルで忙しい毎日だと思うけど、ここ最近で環 境って変わってきたのでは?


mayaka :
mayaka日頃の積み重ねがあったとは思うんですが、ここ何ヶ月は環境が変わってきてい ますね。MISIAに関しては全部がはじめてなので、自分が出来る事をただ一生懸命や るしかないです。

TDM:
リハーサルに参加してどうだった?


mayaka :
ストリートのクラブシーンで踊るときは“自分がどう映るか”が1番にあると思います。 自分も今までそのシーンしか知らなかったので、衣装さんがダンスをわからない人 だったりとか、ステージ映えするアーティストがあっての考えだったり、お客さんに見 せる立場は同じなんですけど、“アーティストの曲に対してどう映るか”という感覚面では新 しかったですね。でも他のダンサーさんはもう慣れていらっしゃるので、曲げな い部分もある中で、でもちゃんと考えていて、踊りでもスタイルが見えてくると ころがいい経験になっています。

今までダンサーが決めてこうだろうなと思っていたことが、全く違うプランに なったりするので、その環境に対応できる様に、ただ頑張るだけですね。 本番がはじまってみないとわからないし…。実際、想像はするんですけど、何万人の前で踊るので、想像は超えると思います。

TDM:
今まで、大事にしてきたスタンツはある?


mayaka :
mayakaダンスをずっとやってると上手くならないときがあるじゃないですか。踊りの面で も人間の面でも、YOSHIEさんの言葉で凄く変わったんです。東京に 来る前に2年ぐらい大阪を拠点にダンス活動していたんですけど、その時は変なプラ イドがあって全然上手くもならないのに、それをプライドで隠していたんです。 それをYOSHIEさんに突破割られたというか、自分でも気が付いていたんですけど、 誰も言ってくれない、言われないで居たんですよね。東京に上京してきて、 YOSHIEさんのレッスンの後に話す機会があって、その時に、「全然成長してない…自分でも気が付いてるで しょ。」って言われたんです。その時、ズバリ言われて肩の荷が降りたというか…。そこが1番の大きな分岐点ですね。 それがあるから今の自分があるんだなと思います。そこからダンスが楽しくなったし、自分も好きになりました。 なので今回YOSHIEさんと一緒に踊れて本当に嬉しいんです。まだまだなんですけどね…。

TDM:
私もダンスイベントを10年以上やって来て、いろんなダンスイベ ントに携わりながら考えて試行してきたけど、今でも勉強ばっかり。 どんな環境でも“良いものは良い”と己を追及してる人たちが、モチベーション 高く臨めるイベント作りをしていきたいと思っているんだよね。そういうプライド がダンスを表現する可能性を邪魔しないような環境作りをしていきたいね。


mayaka :
自信は必要ですけどプライドはいらないですね。

TDM:
では、読者の皆さんにメッセージをもらえますか?


mayaka :
mayaka自分の為にならないことはないと思うんです。いろいろ見るとか、経験するのは1番 てっとり早いと思います。人間刺激がないと成長しないと思うんです。だから、「こ れは為になって無いだろう」って思ったことでも為になることを探すというか、とにかく 何でも柔軟に見た方がいいですね。あとはダンスを好きでいる気持ちですかね。

1番最初に習ったダンサーのMICHIEさんから手紙を貰ったことがあって、「好きな気持 ちと謙虚な気持ちを忘れないで欲しい」って書いてあったんですよ。それは本当に大 事だなぁって思って、今でも大切に持っています。謙虚さを忘れちゃったら上手くな らないけど、自信は必要っていうか、バランス難しいんですけど。謙虚と自信と楽しむ気持ちを大事にして欲しいです。


【DABDAB出演】MIHO / mayaka / ALL WE HUV



オーディションで可能性を感じたダンサーには当日のDABDABでもパフォーマンスを依頼した。

MIHO
エネルギッシュで真っ直ぐな踊りは心打たれる何かがある。黒さを感じる踊りを披露してくれた。
mayaka
完璧な構成を作りつつ“踊り”を身体に染み込ませ、“魅せる”を非常に意識していた。
ALL WE HUV
フリースタイルが評価されるジャンルの中でもメンバー各人の、そしてチームとしての目指すところをクリアーに打ち出してきていた。

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