TDM - トウキョウダンスマガジン

TDM Special Report 2006.11.08(Wed)
CLOWN NIGHT 2006 FINAL SP@shibuyaNUTS
TDM Special Report 2006.11.08(Wed) CLOWN NIGHT 2006 FINAL SP@shibuyaNUTS
熱気で溢れ返るshibuyaNUTSのフロアは、DJタイムの時からただならぬ興奮に包まれていた。皆今夜の”DANCE FUNK“「CLOWN NIGHT 2006 FINAL SP」のメインイベントを心待ちにしているのだ。それが、30代のベテランダンサー陣による“OVER 30 SPECIAL BATTLE”。

30歳以上の特別エキシビジョンバトルなのだが、バトルといっても、クランプスタイル限定ではない。「自分の内にあるエネルギーを放心状態に近い精神で表現するダンス」として交わし合うという、いわばクランプダンス発祥の精神にも通ずるセッション。そして、その期待通り、彼らの放ったエネルギーは、かなりエンタテインメント性の高いものとして空間を魅了してくれた。10名5組の組合せ、全てのセッションを動画付でレポート!




Entrance Ceremony −選手入場−

ダンスフロアに作られたセンターサークルの中に先頭を切って登場してきたのはMANKEY。身体の先端の細かいところまでその意識が行き届いていた。エンタテイナーとして高い意識をもち、エネルギーと技術が両立されていた。大らかでエレガントなビッチ、JuNGLEは慎ましやかで傲慢な雰囲気を漂わせて登場してきた。大年のおてんば娘は猪鹿蝶からnon。半分妖精、半分動物みたいな風貌で彼女ならではの演出が見える。カポエイラ界の異端児SHIBA。職人気質たっぷりの熱い男に魅了された人は多いだろう。最近いろんな活躍を魅せるのはKRUMPERとしても活動中のNOB。全てのダンスを自分なりのオリジナルで遊んでしまう、根っからのダンスボーイ。自分の新しい感覚に全力で突き当たっているSEVAの波動にみんなの心も揺れる。こんな外国人、見たことな〜い!実力派FUNNYBOY!FRANK。ジャンルを超え、格闘家・橋本氏の入場曲と共に堂々と登場してきた…が、待機サイドを間違えたPINOに感情の空気は一気に和んだ。いくつになってもブレイカー。やっぱりとことんブレイカーのMIYATA。存在感はいつもXXX LARGE、優しさと冷たさの両面を一瞬に持ち備えるJUN。

今回のオーバー30の戦いは、以上のただならぬ空気とエネルギーの持ち主たちによって構成され、フロアと一体となって盛り上がっていた。

1st Battele

MANKEY from KAMIKAZE CLOWNZ × JuNGLE from NUMERO UNO

大きな子供の代名詞。やるべきことをやってくれるやんちゃなMANKEYワールドに対して、お茶目な天邪鬼、セレブビッチことJuNGLEワールドのコミュニケーションが、唯一無二の空気感を作っていた。
1st Battele
2nd Battele 2nd Battele

non from 猪鹿蝶 × SHIBA from ANGOLA TOKYO

荒削りで勢いのある動きに笑いとどよめきが。「人間 対 人間」の熱く、でも暖かいぶつかり合いが気持ちよく思えた。人間味溢れる感性とエネルギーのリアルさを充分に感じる楽しいセッションだった。
3rd Battele

NOB from VOL.5 × SEVA from RAGPOUND

クランプのイベントとしては王道なメンバー。クランプならではの身体の荒々しさと残像が残るようなムーヴ。
3rd Battele
4th Battele 4th Battele

FRANK from A.G.B × PINO from ALMA

どっちもどっちのスタンスでダンスと向き合っていて、いい瞬間が生まれていた。その瞬間を作り出す理由はそれぞれにあると思うが、トリッキーでファニー、ダンスに入り込んでしまう、その空気に乾杯。
5th Battele

MIYATA from SPARTANIC ROCKERS × JUN from Meltin'Pot

配慮と図太さをバランスよくもってくるのがTAKEOちゃん。見せるところでもっていく、やるべきところでやってくれる男である。エンタテインメントの構成を知っているずるい人。勢いとパワー溢れるスムーズな展開は絶品だった。
5th Battele

今回初めて来たイベントだったが、メンバーのセレクトに凄く興味があって楽しみにしていた。そして、やっぱり楽しめた。あっという間に終わってしまった感覚があったけど、後味もスッキリしていて、見ていて本当に気持ちが良かった。

バトル形式で開催されたが、まるで魂のセッションを剥き出しているような感じを受けて、日本のダンスシーンの経過に、素晴らしさを実感する時間になった。日本人気質と言われるものを、何か一枚通り越して、新しい大人の遊び方=生き方の見本になったのではないだろうか。こんな大人達を見て、若いダンサーは何を感じたのだろう…。少なくともいいエネルギーに変換してくれると嬉しい。個人的には、いいセッションだったと思うし、いい刺激に繋がって“UNDER 30”のダンサーたちが、今後より良いダンスシーンの構築に自然と携わっていってくれると嬉しいなと、心から思った一日だった。

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'06/12/08 UPDATE
text by AKIKO(トウキョウダンスマガジン)
Supported by shibuyaNUTS
Topics
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