TDM - トウキョウダンスマガジン

B-BOY PARK 2001
ダンスシーンにおけるイベントとしては忘れてはならないのが“B-BOY PARK”。すっかり日本のヒップホップを代表する「夏祭り」となった。諸事情により公開が大幅に遅れてしまったが、その模様をお届けする。

今回のレポートはMCバトルとダンスバトルとの2部で構成されてます。

MCバトル
8日にONAIR WESTで行なわれた予選から、ONAIR EASTで行なわれた本選まで、B-BOYバトルの盛り上がりに負けずとも劣らないバトルが繰り広げられた。その場でDJに繰り出されたビートにのって、完全即興でラップするフリースタイルと呼ばれる形で戦われた。

日本人ラッパーのセールス上の成功もあってか急速にスキルが上がっているヒップホップシーン。シーン全体の盛り上がりを反映してか、素人目から見ても見事なバトルが繰り広げられた。
似た音を持つ言葉を組み合わせて詩を展開する韻(ライム:rhyme)を踏む技術、完全なトップオブザヘッドであるかどうかの「即興性」、そして客の心をつかむことができるか。

一対一のトーナメントで戦われるこのバトル、様々な要素が同時に要求されるMCの実力が如実に現れるものだった。その中身も強烈で、ほとんどのMCのリリックが相手の服装やスキルをとにかくこきおろすという、ハードなリリック(詩)で相手を威圧しようとした。
ギャングスタノリで強圧的な態度、相手を徹底的に攻め立てるKENSHINやKREVA(前年度優勝)等と、本当に即興で並べ立てたライムに落語の三題話ノリでオチをつけるMOTOY(前年2位)など、面白いキャラクターで攻める派等、強烈な個性がぶつかり合った。
その分、自信のなさそうなMCや、緊張をコントロールできなかったり、型どおりのリリックしか出てこないMCなどは人間的なところまで攻撃されていてちょっとかわいそうなくらい…。

結局優勝したのはKICK THE CAN CREWのKREVA(なんと3連覇!)。2位にはダークホース、若干19歳という金田シャーロックが入賞した。3位には様々なイベントのMCなど各方面で活躍するKENSHINという結果となった。とにかくインパクトあるバトルで、ダンサー、ラッパーといった枠を超えて楽しめるレベルであることは間違いない。
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