DJ JURIとの出会い。ボクサーを経てエンターテイメント業界へ。
TDM
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エンターテイメントに携わる前は、まったく違うお仕事をされていたとお聞きしましたが?
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柳川
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もともとビジネスをメインにしていました。2003年頃からオーストラリア大使館で働いて、オーストラリアからのサービスや商品に関するコンサルタントをしていました。
私は元ボクサーでもありまして、すごく健康オタクなので、扱っている製品の専門分野は、サプリやオーガニックなどの健康食品などです。
まさか、エンターテイメントの仕事をやるとは思ってませんでしたけどね。
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TDM
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今回はDJ JURIとの出会いからエンターテイメントに関わることになったそうですが、JURIと出会ったきっかけは?
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柳川
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2007年くらいに、函館港にオーストラリアのタスマニア製の船が就航する式典があったんです。普通、船がどこの国製なのか、あまり気にしないと思いますが、大使館の上司からは、「タスマニア製ってことをアピールできるように何かしろ」と言われました。
船の前に、まず関わる人間から攻めよう!と思い、北海道出身で、タスマニアで楽曲を作ってくれて、タスマニアが母なる大地っていうイメージがあったので、その条件を満たす女性を探していました。
その頃、たまたまクラブに遊びに行ったときに、JURIさんが回していたんです。
太鼓DUBのアースな感じにすごく惹かれて、DJが誰か聞いたら、北海道出身で音楽を作れる女性でした。「この人だ!」と思い、次の日に大使館に呼び、「こういうプロジェクトがあるので、私と一緒にタスマニアに行って曲を創ってくれませんか?」とお願いをして、一緒にタスマニアに行きました。
現地ではレコーダーで牛の声や風、水、鳥などの音を録音して、JURIさんからの「自然を感じながら創りたい」というリクエストに答えて、タスマニアの山小屋を借りて、機材をレンタルで借りてきて、仮設レコーディングスタジオを作りました。そこで完成したのが「TASMANI@.jp」という曲です。
自然のアナログな音と、電子音をミックスさせて、未来のタスマニアを思わせるようなクラブミュージックになりました。
その曲を、就航式典で大使が見守る中、音楽親善大使のJURIさんに披露してもらい、クラブイベントでも演奏してもらったりしたのがきっかけで、私がエンターテイメントに関わるようになりました。
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TDM
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山でのレコーディングって大変そうですね。
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柳川
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大変でした (笑) 。川のそばに1週間くらいいましたね。
でも、一曲作るのにあれだけ皆エネルギーを使ってやってるんだと思いました。
政府のプロジェクトとして、クラッシックならまだしも、クラブミュージックを作ることに対しては、いろいろ問題はありました。
ただ、幸いなことに、プレゼンで偉い方たちに「私はこの人がいいと思うんです!“ドン・ドン・ドン・ドン・・・”」とクラブミュージックを聞かせたら、オーストラリア人はノリが良かったので、「今のタスマニアに若いエネルギーを入れるのはいいかもしれない。」と企画が通って、実現しました。
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人に受け入れられ始めたときの達成感。
TDM
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そして、今はショウケースを企業にプレゼンしていくことに携わられていますが、その経緯は?
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柳川
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式典のプロジェクトのおかげで、音楽を作るにはこだわりやストーリーがあるということがわかりました。しかし、実はもともとクラブミュージックが好きじゃないので、普通に聞いているだけだと、こだわりもストーリーも何もわからない。伝わるとしても音楽好きの人だけだし、普通の人はそこまで耳は肥えていないんですよね。でも、どうにかそれを人に伝えたいと思いました。
もともとマーケティング専門なので、物の価値をわかってもらって、そこにお金を払ってもらうという仕組みを勉強してきました。
音楽って価値が理解されていないんじゃないかと思い、私の力でなんとかJURIさんの音楽へ込められたストーリーを、耳で理解してもらいたいと思ったんです。
それにもいろいろ問題はあって、まずはクラブは小箱が多いので、聞く人の人数が少ない。メジャーな会場はもっとポピュラーな音楽が求められているので、コアなJURIさんの音楽はなかなか理解してもらえませんでした。
なので、クラブの外で聞いてもらうしかないと思い、1年間はクラブ以外の見せ方に挑戦しました。昼間のイベントに出たり、DJだけではなく、実際に太鼓を叩いてパフォーマンスとして見せるようにしました。すると、まずお客さんがワッとこっちを見るんです。さらに、お年寄りなども皆手拍子をしてくれました。
それまでは本当に辛くて、音楽を変えるわけにもいかないし、どうやったら理解してもらえるかを悩んでいましたが、クラブでのコアな人にしか理解されなかったものが、試行錯誤の結果、それまで接していなかった人に受け入れられ始めたときに、達成感がありました。
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TDM
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柳川さん自身は初めからJURIの音楽が良いと思っていたんですね。
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柳川
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良いとは思っていたんですが、その音楽性がわかったらもっと良いなと思っていました。
ワインと一緒ですね。美味しいけれども、土の香とか、歴史の匂いなんかのいろんなウンチクをわかったら、もっと美味しく飲めるんだろうなと思うのと同じです。
人って忙しかったり、ストレスが溜まっていたりすると、物事を楽しもうとする感覚をブロックしちゃうんです。いきなりクラブ音楽って聞かされても、うるさいと思う人もいると思います。その感覚をもっとオープンにして、耳を開かせることができたので、その達成感にハマりました (笑) 。
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エンターテイメントは生き物。勝算があると思った。
TDM
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では、今もオーストラリア大使館のつながりでJURIをサポートしているのですか?
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柳川
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一度、大使館は辞めて、契約上、大使館のコンサルタントとして関わりつつ、2年前にいわゆるエンターテイメントに従事する会社を立ち上げました。
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TDM
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JURIとの活動がきっかけで、エンターテイメントで生きていくと決めて、退職・起業までしちゃったんですね!
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柳川
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はい。でも、最初に言ったように、基本はコンサルタントなので、今までは健康食品、現在はエンターテイメントという商品を扱っているというところで、根本は一緒なんです。
どちらも買ってもらうために、どうにか価値をわかってもらわなくてはいけない。特に、エンターテイメントは生き物。人間そのものや、その人たちの“気”みたいのがすごくある。ビジネスをはじめようと思ったのは、勝算があると思ったから。
最近、世の中に元気がなくて、そういうエネルギーを唯一出しているのがエンターテイメントで、その元気が価値なんです。それでお金が回るようになればつまりは世の中が明るくなることになると思い、ビジネスのプロジェクトの中にエンターテイメントを入れ込むようにしています。
普段アーティストが活動している場所とは別の場所でパフォーマンスさせたり、歌やダンスだけではなくて、ヘアメイクやネイルアーティストの技術もアートとして見せられるような構成を組んだりしています。それをいろんなところで露出している感じですね。
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TDM
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そういう活動をしていて面白いと思うところは?
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柳川
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アーティスト自身が面白いです。世界観と独自の価値観を持っていて、アーティスト同士でコラボすると、刺激し合って新しいアートを生み出したりする。そういう人たちから出る“気”みたいな、バイブスを感じたときは快感ですね。
今は「Rhythm Beauty Theatre(リズムビューティーシアター)」というプロジェクトで、JURIさんの音楽と美容をコラボさせたエンターテイメントのパッケージをいくつかやっています。
六本木ヒルズ最上階に、期間限定のスカイアクアリウムという水族館のイベントがあるんです。“アートアクアリウム”と言って大きな水槽の中の魚たちとそれを照らすライト、水槽のデザインなどでなんとも言えないアートな空間が生まれている毎年人気のイベントです。
私はコンサルタントとして、そのスカイアクアリウムを海外に進出させるプロジェクトに関わっているのですが、そこのディレクターが海外ではエンターテイメントの要素を入れたいと思っていたところで、リズムビューティーシアターのパフォーマンスを見てもらったときに、イメージに合ったようで、海外進出した際にはエンターテイメントとしても参加できることになりそうです。
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売りにくいアーティストたち (笑) 。
TDM
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ビジネスの世界から新しくエンターテイメントという分野を開拓して起業して、今はもともとのビジネスのスタンスとも同じ感覚として、勝算を持っているんですね。
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柳川
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ただ、私が売り込もうとするアーティストたちは売りにくいタイプなんです (笑) 。
JURIさんの音楽“太鼓DUB”にしろ、メインダンサーCHIEちゃんのバリ舞踊をベースにしたオリジナルのダンス“バリアージ”にしろ、世界で唯一のものなので、他の例えができなくて説明しづらい。でも、言い方を変えると、一度その価値がわかったら影響力は強いし、他にまねできない価値だとは思います。
それを融合させて、厚みを出して見せていこうとしているので、そういう独特の世界観を必要とされる場を探せば、絶対評価されると信じています。
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TDM
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柳川さんの中でその独特のアーティストたちをどのように見つめていますか。
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柳川
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とてもフラットな関係です。それぞれの持つ世界観が、どのように組み立てれば、崩れずにより立体的に見えるかを考えます。JURIさんの音楽の世界観を伝えるには、もっと目で見せるパフォーマンスをしようとか、感性の合うアーティストとコラボさせようとか。
そうすると、アーティスト同士で自発的に「こういうのやろう!」と新しいものを産み出そうとします。どんどん話が膨らむと「予算ないから!」とこっちが大変になりますが (笑) 。でも、それって素晴らしいことで、自然な形でどんどんそれはやってもらうべきなんですよね。私はあくまで彼らが生み出したものを、どこでどのくらいのお金と時間をかけてどんな風に売ればいいか、を考える役目なので。
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TDM
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アーティストを売るという作業の上で、大事になる感覚はどういうものですか?
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柳川
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作品が“売れる・売れない”の判断は、産み出した本人もわかると思うんです。ただ、それは売れないというよりは、誰に売っていいのかわからない、買ってくれるだろうけどその過程が大変そう、などを感じた時点で、売れないなと感じる。
ただし、うちの場合はそんなことは言っていられなくて、このアーティストの作品が売れそうでも売れなさそうでも、とにかく理解してくれる人を探しましょう、という作業なんです。作品やアーティストを簡単には変えられないので、必要としてくれる人をひたすら探します。
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“将来のにおい”がするんです。
TDM
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どうやって探すんですか?
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柳川
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共感してくれる人を探すために、まずジャンルの壁を壊して考えています。我々の場合、音楽を売りたいから音楽の世界だけに向ける考え方ではなく、パフォーマンスや美容というカテゴリも含めていくと、複合的なエンターテイメントを求められている場所があるんです。
もし、美容をメインで求められても、美容をメインにパフォーマンスすることもできるし、さらに、一度パフォーマンスをすればそれに付随してビジネスにも繋がるというのが私がもともと得意とする作業です。
エンターテイメントとしてだけパッケージにしてしまうと、それを売る場所を見つけるのは大変。ショーだけではやらずに、そのグループで何ができるのかを考えて、ワークショップやセミナーなどいろいろできることと一緒に、何か引っ掛かればショーもやっていく。そこでお金が生まれるなら、ショーは何も変えずにやろうといった調整もできます。
それでも、大変ですよ。世界に行くというと皆やりたがりますが、世界進出で1回や2回やることは難しくないんですよ。ただ、続かない。
あとは世界といってもどこからはじめるのか。私は引っかかりそうな要素がたくさんあるところを探します。近々ミラノに進出しようと思っているのも、あちらでパフォーマンスができることとは別で、美容、音楽、衣装それぞれのニーズを考えます。私には音楽や芸能関係での人脈はゼロだし、ルールもわからない。でも、エンターテイメント以外の分野でどういう風に見せればいいかはわかります。それによって私がやることの意味が出てくる。
昔だったらこういう私の考え方は通用しなかったかもしれないけれど、最近は不景気なので、もともとあった形式が崩れていて、隙間がいろいろできています。大事なのは、においと感覚で、「今、こういう物を見せれば評価されそう!」と察知して、どうにかそれを形にできるように人とお金を集めて世に出して、評価されて次につなげて行けるか・・・ですね。
口で説明すると難しそうですれが、感覚なんです。“将来のにおい”がするんです。
うちのアーティストに関しては、10年後・20年後にはどこの方向に行きたいのか、というのを把握して、「この人とこの人はまだ力がないけれど、将来の方向性として数年後にはこうなっているかもしれない」と予測して、それに向けて人に話したり動いたりしているだけなんです。
バイブスが違ったり、変に計算されると相手の心が読めないので、今一緒に動いている人たちは、私とバイブスが同じで、ものすごくとんがっていて、言ってしまえば不器用なんですが、ものすごくしっかりとしたビジョンを持っています。
こちらは会社を運営していく上で本当に大変なことや綺麗事では済ませないこともありますが、この根本的な感覚だけは崩せないんです。変えてしまうと、勝算がなくなる。そこの本能的な感覚は、アーティストが産みだす物を100%リスペクトしないとできないもので、「そんなの売れるわけない」なんて考えでは何も始まらない。
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TDM
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エンターテイメントはエネルギーを使ったからといって毎回上手く伝わるわけではないけれども、ちゃんと何かしら次に繋がったりしますしね。とにかく常にいいものを作っていくことが第一だと思いますけどね。
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柳川
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エンターテイメントは生き物なので、クオリティが高いものを創れたとしても、力が発揮できずに伝わらないときもありますね。でも、その大どんでん返しが面白いところだと思うんです。
なかなかコンセプトだけではお客さんは観に来ない。本当に良さが伝わって、「面白そうだね」って思わせないと、コンセプトだけ良くても伝わらない。そこが一番伝わらない。
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現状は理想の3%しかできてない。
柳川
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今はプロデューサー的な立場ですが、現状は自分がやりたいレベルの3%くらいなんです。
0%じゃない理由は、今やっているパッケージを露出できる場があるからですが、自分がやりたいエンターテイメントをニーズがあるところに持っていくよりも、場所やお金など外側から固めている作業をしています。
でも、私の一声でアーティストが集まって「じゃ、それだけのアーティストでそんなに面白いことができるなら、私が企業に声かけるから、テレビでも入れてやろうよ!」ってサラッと言うのが夢なんです。そのレベルになって初めて自分の目指しているものになります。
今は今で大変ではあるけれども、理想に比べると本当に微々たるレベルなので、大変なのは当たり前ですね。まだそこまでの力がないんです。力をつけるにはいろんな人と出会って、いろんな努力をして、新しいものを創っていく苦しみもすべて自分の力に変わると信じて、やっています。そうすると、それなりに人が認めてくれて、評価もされます。
あまりにも私がエンターテイメントの世界での実績が少なすぎるがために、こういう気持ちでやっているし、お金も力もないけれども、私はコレがやりたくて、それは絶対に良いもの。私が良いと思ったアーティストが創るものを世に出していくときに、誰が私と一緒に組みたいと思ってくれるかを察知する感覚がすごく大事で、今は「うん、一緒にやろうよ」って言ってくれる人が徐々に集まってきています。
おそらく今から5・10年後は毎日苦しいかもしれない・・・エンターテイメントって楽しい時間より苦しい時間の方が多いんですよね。一瞬の“楽しい!”の前までは全部苦しい (笑) 。それは仕方のないことなので、一生苦しい覚悟ですね。一瞬の“楽しい!”があるなら、やります。
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1人じゃないから、できる。
柳川
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今、音楽業界はいろいろと詰まっていますよね。CDが売れない、アーティストが売れない、だからお金が回らない。
そんな現状は百も承知でやっています。だからこそ私は外側からいろいろと崩しています。業界の中にいる人たちには私にはない知識と経験があるので、どんどん動いていってほしいですね。
私は、業界の内側にいても、いろんなものは理解できないし、実際に内側でやっている人たちのことを理解していては、私のやりたいことを叶えるには遅いんです。だったら外から新しいものを産み出して発信していく方法が、私に合っていると思います。
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TDM
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普段はどういう生活スタイルですか?
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柳川
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今は寝ていないときはほとんど仕事をしています。それは今私が一番働かなくてはいけない立場だから。
アーティストとは雇う・雇われるという関係ではなく、パートナーでいたいので、彼らも命を懸けてやっているのであれば、私も命を懸けて当然。
それでも、今は、私がやりたいことの3%の実力しかないので、失敗して、学んで、私がいいと思ったエンターテイメントを発信するために、どんどん規模の大きいものにできるようになりたいですね。
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TDM
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その気持ちをキープできるのは、素晴らしいことですね。なかなか難しいと思います。
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柳川
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でも、会社立ち上げて、今約2年。この2年間は全然寝てません・・・と言いつつも、実際にこんなに元気だということは、どこかでちゃんと寝てるし、サボってるということなんです (笑) 。やるときはやりますが手を抜くときは本当に抜きます。疲れたら1日半は誰とも会わない (笑) 。
そのモティベーションは何かなと思ったら、1人じゃないから。私の周りの皆もそう感じるからやれるんだと肌で感じます。
皆認めてもらいたいし、苦しい中で、「一緒にやろう」と言われて、信用されてやってくれる人がいると思うとやれる。それだけですね。それを形にできないと、女が廃るなって思います。
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TDM
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女前ですねー (笑) 。
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柳川
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(笑) 。今まで大学院を出て、ビジネスについて勉強してきたその知識を活かせなければ、何のために学んできたんだかわからない。絶対自分が認めてもらえると本能でわかっているものがあって、それを私の知識を活かせば認められるのに、認められないと言うことは、私の実力がないということ。このまま死ぬわけにはいかないですね。
よく「そこまでして儲かるの?」と聞かれますが、もちろんお金も大事ですが、そんな薄っぺらいもののためだけに動いてるわけじゃないですからね。
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TDM
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気持ちのいいエネルギーを持っていらっしゃるんですね。今後のビジョンはありますか?
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柳川
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もっと形にしたいですね。ネキリキとしての“リズムビューティーシアター”というパッケージはありますが、あれはあのエンターテイメントを認めてもらうためというよりも、次のチャンスにつなげるためのパッケージ。あれによって各アーティストの才能を認めていただいて、各人の活動につなげていくことが理想で、それをちゃんとした形でやりたい。それしか考えていないです。
それをやるためにミラノがあって、ミラノに行かせるために資金がいるなら寝ないで働きます。今年に関してはそれだけですね。そうすれば必ず皆に次がついてくる。
だから、ものすごく気合を入れてやっています。
エンターテイメントは終わりがないもの。一生のものですね。つなげられるものはつなげて、見せれる場で見せていく、この繰り返しですね。
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TDM
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今日はその気合を感じました。また何か報告してください。
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