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西林素子〜 “踊りたい”をカタチにする 〜
西林素子〜 “踊りたい”をカタチにする 〜
ジャズダンサー・西林素子が今年3作品目となる公演を開催する。創る作業というよりも踊るための場を創る作業と語る彼女には演出・構成・振付・出演という能力が自然に宿っているようだ。描きあげる世界観を共有できる要素が多く含まれており、これから先の広がりを感じインタビューを試みた。踊っている姿とのギャップも楽しく、ダンスからアニメまで、いろんな話をざっくばらんに語ってくれた。彼女のような踊る場を自ら生み出していく力を応援していきたい。

西林素子●西林素子

1980年生まれ。東京都出身。3歳でジャズダンス、4歳でクラシックバレエをはじめる。東京大学文学部思想文化学科美学芸術学専修過程卒業。23歳で劇団四季に入団したのを機に、『ライオンキング』『キャバレー』『パルジョーイ』等のミュージカルを中心に舞台出演を重ねる。Bump of Chickenの『ゼロ』のPVでは主演ダンサーを務める。2010年に、嶌村緒里江・松田尚子とともにダンスパフォーマンスプロジェクト“YakaYaka-Woka”を立ち上げ、『Ladybug』『イートラング』『CAT WALK』を公演する。また、自身のプロデュース公演にも力を入れており、『Nocturno』『Felinas ~Cabaret in a Crazy Box』『CiudaDedalo』 『Felinas ~Cabaret in a Crazy Box~ episode2』『Marionnette』を企画・構成・振付、『クロスハイム102』を企画する。

気管支喘息からはじまったダンス人生。

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まず、ダンスをはじめたきっかけから教えてください。

西林

2歳ごろに気管支喘息になりまして、肺活量を鍛えるためにお医者さんに勧められたのが、水泳とダンスだったんです。3歳になり、さすがに水泳はまだ早いだろうということで、近所のダンススタジオに行ったのが始まりです。

ジャズダンスから入りまして、4歳の時にそこの先生の勧めでクラシックバレエを始めました。水泳も小学校から始めましたが、嫌いでした(笑)。ダンスはそれから今までずっと続けています。

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ずっとジャズダンスですか?

西林

西林素子 そうですね。最初に行ったのが、宝塚出身の先生が主催されているスタジオだったんです。生徒さんも宝塚が好きな方ばかりで。私自身、祖母も母も舞台が好きでよく宝塚やミュージカルを観に連れていってもらっていて、そういう世界に憧れていました。

高校生の時、NHKで『魅惑のジャズダンス』という番組があったんです。そこで初めて名倉加代子先生のスタイルのジャズダンスを拝見して、一目惚れしました。テキストも買って、毎回放送の度にテレビにかじりついて見とれてました。大学に入って、念願の名倉加代子先生のスタジオに通いはじめ、そのうちだんだんに他のスタジオのいろいろな先生のクラスを受けるようになっていきました。

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プロフィールに劇団四季での経歴もありますが、その頃に入られたんですか?

西林

いえ。実は、大学を卒業した後に就職したんです。学習塾の会社で、帰国子女のサポートのための海外校がありまして、その中にニューヨーク校があり、そこでの勤務を希望しました。

ダンスは趣味として続けようと思っていたので、仕事は仕事でしっかりやって、空いている時間にいろいろレッスンを受けたり舞台を観たりできたら幸せだなと思ったのです。

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ダンスを仕事にしないと思ったのはどうしてですか?

西林

大学の時に、ダンスのお仕事をさせていただく機会が何回かあったのですが、なかなかこれで生計を立てていくのは難しいなと感じることが多かったんです。もちろん、今から考えると、まだ経験もスキルも浅かったからというのもあるのですが。実家の状況も考えて、しっかり働かないといけないなと。

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なるほど。働いていたのは何年くらいですか?

西林

あ・・・は、半年です・・・(照笑)。

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あ、意外と短かったですね(笑)。

西林

はい。その会社では本当にお世話になったので、一人前の戦力として働けるようになる前に辞めてしまって、今でもまだ申し訳ないことをしたなあと思ってるんですけど・・・

働いていた時に、劇団四季のオーディションが新聞に載っていたんです。 仕事にはやりがいを感じていましたが、心の片隅にほんの少し舞台への未練があって。「受かりたい」というよりも、受けて、落ちて、きっぱり気持ちにけじめをつけて、仕事に専念しようと思ったんです。が、予想に反して合格しました。

すごく迷ったんですが・・・会社を辞めて劇団四季に入りました。

3人でYakaYaka-Woka始動、そして、セルフプロデュースへ。


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舞台に立たれてどうでしたか?

西林

西林素子すごく楽しかったです。入団して最初に出演した『ライオンキング』は演出も斬新でおもしろい作品でしたし、劇団での生活は、舞台に立つ上での心構えなど、すごく勉強になりました。

しばらくして劇団以外の現場も経験してみたいと思って劇団を辞め、いくつかミュージカルに出演させていただきました。

ミュージカルは“歌、演技、踊り”の三拍子揃った総合芸術で、そこが私も大好きなところなんですけど、ただ、自分のことをよくよく考えてみると、やっぱり自分はダンスが特別に好きなんだなと。それで、ダンスの公演のプロデュースをはじめました。

最初は1人ではなく、松田尚子さんと嶌村緒里江ちゃんとでYakaYaka-Woka(ヤカヤカウォカ)という企画を立ち上げました。それが4年前ですね。通常の照明の代わりにプロジェクターでの映像投影を使う作品を中心に公演を構成し、今までに3回公演しました。

私と緒里江ちゃんは歳が近くて、最初は2人で「何かおもしろいことをやろう!」と話していたんです。尚さんは大先輩で、2人とも尚さんの作品が大好きだったので、図々しいかも・・・と、どきどきしながら思い切って「2人の踊る作品を振付してください」とお願いしたのです。そうしたら、本当にびっくり仰天したのですが、「私も踊りたい」と言ってくださって。そんなわけで3人で公演をすることになりました。

プロジェクターを照明として使うという尚さんのアイデアから、簡単な素材を組み合わせて尚さんが作った映像を「こう当てたらおもしろいかな?」と手でプロジェクターの位置をずらたりしながら、アナログな感じで作品を創っていました。

今ではプロジェクションマッピングが盛んになって、すごくハイテクなことがぽんぽん行われていて、すごいなあと溜息が出ます。でも、アナログにはアナログの良さがあるはず!と前向きに考えようと思ってます。

その後、なかなかメンバーのスケジュールが合わなかったりして公演が出来ない期間が続いてしまって、踊りたくてうずうずして「もう自分でやるしかないな」と思ったのが、自分で公演をはじめるきっかけになりました。

「創りたい」というよりは、「踊りたい」


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その時にアウトプットしたかったものがあったんですね。

西林

うーん、そういう感じではないような・・・私は「こういう作品を創りたい」というよりも、「踊りたい」という気持ちが強いんですね。

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あくまで踊り手としての発信ということですね。

西林

西林素子はい。“踊りたい”という気持ちがまずあって、“じゃあどういう踊り手さんとどういうものをどういう形で踊りたいのか”ということを考えていくと、なんとなく作品が形になっていくという感じでしょうか。作品ができていく過程は、楽しいですけれど、でもちょっと苦手意識もあって・・・創るの、難しいです。

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さんざん創ってらっしゃいますけども〜(笑)。

西林

(笑)。それは、自分でやらなかったら、踊れる場がない、という切羽詰まったところでぎりぎりがんばってるんです・・・(笑)

20代の後半には、「自分で何かはじめなくちゃいけない」ということはぼんやり考えていたのですが、公演は一人ではできないことなので、人との出会いが公演実現の大きなきっかけになりました。

3年前にBUMP OF CHIKENの『ゼロ』というPVで、鈴木陽平さんとデュオを踊らせていただくチャンスをいただきました。

私は元々鈴木さんの大ファンで、舞台で見る度に素敵なダンサーさんだなぁと思っていて、でも、面識はなかったんですが、そのご縁でお知り合いになることができました。

せっかくお知り合いになれたので、なんとかご一緒させて頂きたいと思い、改めて思い返すと非常識で赤面しちゃいますが・・・企画内容を考える前に「一緒に踊っていただけないでしょうか。」と。そこから最初の公演『Nocturno』の企画が始まったんです。

その時は、男女3人ずつのデュオをメインに流れを創っていったんですけど、先に作品の構想があったのではなくて、素敵なダンサーさんたちとの出会いがまずあって、その方たちのイメージを膨らませていったら、気づいたら作品ができていたという感じでした。

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『Felinas』を一緒に創っている絹靴下のPiPPiさんとの出会いは?

西林

PiPPiさんとは、3年前、映画『モテキ』のオープニングシーンの撮影で出会いました。私はフロアで踊っていて、PiPPiさんは高いところでポールダンスをされていて、その姿があまりに素晴らしくて、撮影の合間を見つけては、見上げて見惚れていました。でも、オーラがありすぎて、どうしてもその場で話しかけられなかったんです(笑)。

その後、教えてらっしゃるポールダンススタジオをネットで検索してレッスンを受けに行って、発表会のナンバーも出ることにしました。そして、ある日の発表会リハの後、突然「この後お食事いかがですか」とお誘いし、初めて2人でごはんに行って、その席で『Nocturno』のご出演をお願いしたんです。さぞびっくりされたことと思います・・・

『Nocturno』ではポールを使う予定はなかったのですが、立っているときの佇まいや、歩き方、仕草、表情等、素晴らしい存在感を持つ方なので、どうしてもご一緒させていただきたかったんです。

『Nocturno』の後すぐに、『Felinas』の企画をお話して、一緒に創って頂くことになりました。

それまでも、キャバレー、というかショークラブ、というか、そういうテイストのものをやりたいなと思ってはいたんですが、そういうカラーを持つ踊り手さんって周りにあまりいなかったのです。PiPPiさんはもう存在がショーガールそのもので、この人がいたらまわりの空間は自然にキャバレー色に染まってしまうに違いない!と思ってわくわくして。

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まず、お近づきになってから、西林さんからまっすぐに気持ちを伝えていくという丁寧な過程を経て、出会ってこられたんですね。

西林

本当に今まで幸運な出会いに恵まれていて、すごくありがたいと思ってます。

目指すは寅さん、水戸黄門。


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今回の作品について、教えてください。

西林

『Felinas』は、第一幕で“キャバレーフェリーナス”のママと踊り子たちの物語を、第二幕で“キャバレーフェリーナス”のショータイムをお見せしています。

これまで、episode1、episode2とやってきて、ママと踊り子たちがわいわい暮らしている様子を描いてきたのですが、今回の作品は、episode0として、episode1よりも前の、“キャバレーフェリーナス”ができるまでのお話を描いてます。

以前『Felinas』をご覧いただいたことのない方でももちろんお楽しみいただけますし、以前ご覧いただいたことのある方には、よりお楽しみいただけると思います。

会場は毎回渋谷のTrumpRoomでやっています。TrumpRoomに初めて足を踏み入れたとき、シャンデリアと鏡のきらめきに圧倒されました。これが、“キャバレーフェリーナス”だ!と思ったんです。内装も含めてお楽しみいただけたら嬉しいです。

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いつもリハーサルはどれくらいやられるんですか?

西林

4時間のリハを週に2〜3回のペースで3ヶ月くらいやります。

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このプロジェクトの目標はありますか?

西林

西林素子寅さんや水戸黄門みたいな、愛すべきシリーズ物にしていけたら嬉しいです。

毎回出てくる人たちがいて、「うんうん、やはりそこでこうくるよね」という展開が必ずあって、でもそれで飽きちゃうのではなくて毎回しっかりおもしろい、という。

それってすごく大変なことではあるんです・・・とりあえず、今の私に確実にできることって、とにもかくにも公演を続けることなので、がんばって続けていきたいです。

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やってきて、大変なことはありますか?

西林

けっこうたくさんあります・・・(笑)。私が制作も兼ねているので、創るのと制作業務が同時進行してすぐワタワタしますし・・・シリーズが増えるにしたがってネタがなくなっていったり、前作よりおもしろくしなくちゃいけないというプレッシャーがあったり(笑)。

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参考のために、他のダンス公演やイベントを観る機会はありますか?

西林

参考にするというより、観るのが好きなので、自分の趣味としていろいろ観に行こうとおもってます。なかなか全部は行けなくて残念ですが。

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公演のスパンは?

西林

1年に3回、というのを目標にやってます。今年は、2月と6月にやってまして、今度の11月で、3回目ですね。

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1年間、ほぼ制作期間ですね。

西林

そうなんです。31歳になって公演をするようになって、でもちょうどその頃、怪我が多くなってきて、スタミナもなくなってきて、自分はこれからどのくらい現役で踊っていられるのか考えて、すごく焦っていたんです。

例えば、1年に1回のペースで公演するとしたら、いったいあと何回公演できるだろうと思って。2回でも少ないし、でも4回だと物理的に無理、だから年に3回やろう、と。

赤字が出ようがトラブルが起ころうが、まず3年は続けようと、自分で勝手に決めました。来年で3年になります。

来年は久しぶりにYaka Yaka-Wokaも公演したいなと思ってます。

夢は自社ビル!!  


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西林さんは演出、構成、振付、出演ができて素晴らしいなと思います。ダンサーだからこそできる演出があると思いますし、今後もっと増えていくといいなと願っています。

西林

西林素子ありがとうございます。

自分の中では、構成、演出、振付は、別々の独立した作業を全部やっているという感じはなくて、なんという呼び方をしたらいいのかわからないですけど、ある一つのことをやってる感覚なんです。結局は皆同じことというか・・・

もちろん、他に演出の方がいらして、その方の世界観を自分なりに解釈して振付で目に見える形にしていくのものもすごく好きですが。

自分で作品を発信するとなった時に、“構成を作って、振りを作って、演出をする”というのは、一緒のことなんです。

でも、創り手と踊り手の両立はやっぱり大変です。作品を外から俯瞰的に見る立場と、作品の中で生きる立場というのはやっぱり相容れないんですね。自分がどういう風に見えているのか、絶対に客観的には見られないので。

本当は、作品のクオリティを追求するなら、創り手に徹するか、自分は踊り手に徹するかするべきなんだろうなとは思うのです。

でも、大前提として、“自分が踊りたい”という気持ちからはじまったことなので・・・

そこで、今年の6月の『クロスハイム102』では、自分は出演に徹して、演出と振付を柳本雅寛さんにお願いしました。このときも、非常識で図々しいのを承知の上で、思い切ってお願いしたんです。

思いがけずお引き受けいただけたものの、踊り手としての自分がいろいろなことをできなさすぎて、すごく情けなくてリハ期間中落ち込みっぱなしでしたが・・・すごく丁寧に演出していただいて、自分のキャラクターでできることを探っていき、本番ではありがたいことに好評をいただくことができました。素晴らしい作品で踊らせていただけてすごく幸せです。やっぱり私は“踊る”ということが好きなんだなあ、と改めてしみじみ思いました。

しみじみ思いつつも、またもや創り手と踊り手に挑戦しようという野望を抱いて、『Felinas』に向き合っているわけですが・・・

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なるほど。いちダンサーとしての目標、展望はありますか?

西林

んー・・・今の時点では、もうただ踊りを続けていきたいという漠然とした感じですけど・・・具体的にはわからないんです。

ダンスの世界って、明確な成功の形だったり、そこに至るための王道みたいなものってあまりはっきりしていないように思うんです。人によって様々な道があるし、成功の形は様々で。そして、私は、私にとっての到達点ってどこなのかよくわからずに動いているんです。逆に、そこを見極めるために今踊っている、というような気もします。

ものすごく大きな夢としては、いささか大き過ぎて、もはや妄想のたぐいではあるんですが、自社ビルというか、劇場やショークラブやライブハウスのようなパフォーミングスペースと、床材の素晴らしいリハーサルルームがある建物を建てて、そこでカンパニーを育成しつついろんな種類のパフォーマンスをしたいなというのはあります。たまに宝くじを買った時に、発表までの短い期間であれこれ想像しますね(笑)。

神経の数が増えた気がします。


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ボディケアは何かされていますか?

西林

西林素子筋肉と脳の結びつきを活性化させて、身体本来の機能を活性化させることを目的とするPNFという理学療法に2年くらい前に出会い、パーソナルトレー二ングを受けています。

以前は怪我も多かったし、腰痛が持病で、毎週、鍼に行かないと腰が痛くて踊れないくらいだったんですけど、みるみるうちに身体が変わって、腰痛もよくなって驚いています。

今は2週間に1度くらいの頻度でトレーニングに通っています。そのときの自分の身体の問題点を改善するメニューを組んでもらって、それを持ち帰って毎日やるんです。筋トレ三昧なので辛くて地味で、たまに飽きちゃうこともありますが、でも、身体の調子はすごくよくなるんですよね。

最初はショックなこともありました。それまであれだけたくさん踊っていて、腹筋運動も真面目にしていたので、まさか自分が「腹筋弱いですよ」って言われると思っていなくて・・・

「腹直筋などのアウターの筋肉はしっかりついてるけど、インナーはほとんど使えてないです」と言われました・・・それが腰痛の原因だったんですが。

「私が今までやってきた通算何億回かの腹筋はなんだったんだろう」とすごくショックでしたね(笑)。でも、気づかせてもらえてよかったです。

もともと勢いと力頼みで激しく踊るタイプだったんですが、それはアウターの筋肉をぎゅっと固めるようにして動いていたようなんです。そういう動きで使っていた筋肉が、PNFをやりはじめてからどんどん落ちていきました。固まったアウターによって制限されていた身体の可動範囲が広がって、すごく動きやすくなりましたし、30歳半ばにして身体が柔らかくなりました(笑)。

例えば、小さいころから前屈が全然できなくて、いくら柔軟体操をしても駄目で、生まれつきの股関節の形が問題だからしょうがないのかなと半ば諦めていたんです。でも、股関節周りとお尻の筋肉を柔らかくしてバランスを整えてあげると、楽に前屈できるようになるんです。びっくりしました。 そういう驚きがたくさんありました。

この1年で、身体の状態に関する感覚が鋭くなって、筋肉と脳をつなぐ神経の数が増えた気がします。単に「なんとなく体が重たいなー」と思っていたことが、「あ、ここの筋肉が固まっている。」と分かるようになってきました。

こういうことを若い時からやってたら、いろいろ違っていたんだろうなってときどき思いますけど、なんといっても地味で孤独な作業なので、怪我もしないでバンバン踊っていたあの頃に出会っていたとしても、興味を示さなかっただろうなとも思います。

漫画、アニメ好きです。


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リラックスする時間はありますか?

西林

漫画を読んでだらだらしてます。

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何系が好きですか?

西林

なんでも読みます。どちらかと言うと少女漫画よりは少年漫画が多いですね。

最近はまったのは『進撃の巨人』です。

基本的にグロテスクなのは好きじゃないし、絵もあまり好きじゃないからあまり好きな漫画ではないはずなんですけど、友達が読んでたのをチラッと見始めたら全部一気に読んじゃったんです。「全然好きじゃないのに何で読んじゃうんだろう・・・やめられないじゃないの!」って思いながら(笑)。

漫画を読んだ後に『進撃の巨人』のアニメを見たんです。そしたら、やっぱりグロテスクで苦手なんです。でも、立体機動というマシンで飛んだり馬で駆けたりするときのスピード感がとにかく素晴らしくて、夢中になりました。

アニメ、好きなんです。アニメ専用のケーブルテレビのチャンネルに加入していていろいろ見てます。

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オススメのアニメは?

西林

西林素子ありがとうございます。

『カウボーイビバップ』が好きです。これはまずサントラを聴いたんです。私、大学のときにビッグバンドのジャズのサークルでドラムを叩いていたのですが、そのバンドのメンバーの中でそのサントラが流行っていたんです。ビッグバンドの編成の曲もたくさん入っていましたし。サントラから入って、その後でアニメも見るようになりました。

その音楽監督が菅野よう子さんだったんですが、その後やはり菅野さんが手がけられた『攻殻機動隊』もサントラを先に聴くようになり、その後でアニメを見るようになりました。『攻殻機動隊』に関しては、音や映像はすごくかっこいいんですけど、話が難しすぎてよくわからないという問題はあるのですけれど(笑)。

あとは、『Tiger&Bunny』『スペースダンディ』や『残響のテロル』も最近観ておもしろかったです。・・・すみません、こんな話で(笑)。ご存じないですよね・・・

TDM

いえいえ(笑)。好きなクリエイターの方をきっかけにハマるのもいいですね。今度拝見してみます!

笑いと興奮を提供していきたい。


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ミュージカルもお好きとのことですが、オススメはありますか?

西林

『シカゴ』『キャバレー』『スイートチャリティー』・・・やっぱりフォッシーが大好きです。

ショークラブ、踊り子たち、バンドマン、立ち上る葉巻の煙・・・そういう世界がすごく好きで、憧れてました。

その憧れの延長に、この『Felinas』が生まれた気がします。

TDM

では、今回観に来られる方にメッセージを!

西林

西林素子絶対おもしろいものを創りますので、ぜひ観にいらしてください!・・・って言いたいのですが、言っちゃうとハードルが上がっちゃうから迷うところではありますが、でも言います!(笑)。是非『Felinas』にお出かけ下さい。

1回目は皆さん期待しないで観にいらして下さって、意外とおもしろいじゃないか!という感じだったんだと思います。でも1回目に好評をいただいただけに、2回目は皆様期待を持ってお出かけ下さるので、なんとしも1回目よりもおもしろくなくちゃいけないと思っていろいろ悩みつつおそるおそる公演して。なんとか笑いと拍手をいただいて。そして、3回目・・・

公演の間、他のことは何も考えずに、わははと笑ったりどきどきしたりしたりして、観終わってすっきりさっぱりした気持ちで帰っていただけたら幸せです。

TDM

フライヤーにも「お笑いとお色気」という言葉がありますね。

西林

ハイ、むしろ、第一幕はかなりお笑い寄りです(笑)。第二幕で本気の色気を(笑)。

おもしろいものをやりたいんです。“笑いがある”という意味での“おもしろい”だけに限らず、“興奮する”というようなもっと大きな意味でのおもしろいもの。観ているとアドレナリンがぶわーっと出てくるようなパフォーマンスをしたいです。

ダンスというものを一度も観たことがない方が観にきても、「おもしろかった!」と、ドキドキワクワク興奮して帰ってもらえるようもの。

ダンスをやっている方、ダンスを観るのが好きな方にももちろん観て頂きたいですけど、ダンスって難しそうだな、と思ってちょっと敬遠しちゃう人におもしろがっていただけるような公演を目指しています。

TDM

今回も楽しみにしております!本日はありがとうございました。
interview & photo by AKIKO
edit by imu
'14/09/19 UPDATE
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キャバレー・フェリーナスの踊り子達のお笑いと色気たっぷりの一夜の夢物語。


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