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高橋一平 / D-LOW / NANAKO 〜神様からの贈り物。〜
高橋一平 / D-LOW / NANAKO 〜神様からの贈り物。〜
シンガー・高橋一平とダンサー・D-LOWの才能が共鳴しあって始まった音楽活動に、最近強力サポートとして加わったNANAKOらが、今までにないエンターテイメントを仕掛けようとしている。音楽とダンスシーンとの新しい相乗効果。“やりたいことをやるだけ”、表現者としてシンプルに生きる3名に話を聞いた。

高橋一平高橋一平

スタジオミュージシャンでもあった父親の影響を受け、幼い頃からソウルミュージックをはじめとする多彩な音楽を身近に感じて育つ。アメリカでの高校留学R&Bと出会い、それらを通じて人生観、恋愛観について多大な影響を受けたことから音楽活動を始める。07年にはHIPHOP,R&B シーンに数々の楽曲を提供するトラックメーカー【TRAK STA】コリオグラオファーの【D-LOW】を迎え、プロデュースチーム[GIFTED ONE]を結成し、独自の世界感を構築している。
http://ameblo.jp/ippeitakahashi/


D-LOWD-LOW

w-inds.、ARIA、SS501、NANA from OH GIRL!などの振付やバックアップダンスなど、ダンサーとしての活動と共に、2007年6月、「株式会社ハイブリッドエンタテインメント」を設立。高橋一平のプロデュース、プロデュースチーム“GIFTED ONE”としてダンサーの枠を超えて精力的に活動している。
http://jp.youtube.com/DANCELOW


NANAKONANAKO

東京を中心に圧倒的なパファーマンスで一躍トップに上り詰めたGIRLSチーム“OH GIRL ! ”のメンバー。MTV JAPAN USHER DANCE CONTEST優勝、Missy Elliott JAPAN TOUR OPENING ACTなど、海外のアーティストからも一目置かれる存在である。個人としても、AI、DOUBLE、MAY-J、ARIA、FOXY MISQ など日本を代表するR&Bアーティストのサポーターとして活躍している。今回高橋一平のバックアップダンサーとして参加しており、10月13日に行われる彼のリリースパーティーのオーガナイザーを務める。

Produce Team [GIFTED ONE]

GIFTED ONEGIFTED ONEとは「神から唯一無二の才能を授かった者」を意味する。文字通り彼ら高橋一平、TRAK STA、D-LOWの3人はそれぞれシンガーソングライタートラックメーカー、マルチクリエイターとして非凡な才能を持ち合わせ、 作詞・作曲・演出を同時にこなし、自らの世界観を「常に新しいもの」にアップデートし続けている。2007年に始動したばかりだが、GIFTED ONEの独自のブランディングを進めるとともに音楽のみに留まらない、新しい価値観やライフスタイルをアジアから世界に向けて発信するブランドとして近い将来に期待がよせられる。
http://www.myspace.com/giftedone4eva
http://www.rocbattle.com/TRAKSTA

今は、ダンスサイドに訴えかけるものがあってもいいのかなと。

TDM

まず、このメンバーで活動している経緯を教えて頂けますか?

高橋

もともと、昔からダンスは好きで・・・といっても踊れないんですけど (笑) 。生バンドでのライブをやっていたので、とある知り合いから、「やばいダンサーの友達がいるから、プライベートレッスンでも習ってみたら?」と言われて、その流れで、紹介されたのがD-LOWと出会ったきっかけです。彼のダンスを見た時に、歌詞とリンクしている表現方法だったので、これはかっこいい!と思いましたね。あと何と言ってもオリジナル性ですね。

でも、結局プライベートレッスンは一回もやってもらってないんですけどね (笑) 。

全員

(笑) 。

D-LOW

今のような深い関係になっている理由は、お互いでしか共鳴できない才能を感じ合ったからですね。彼のメロディーラインとコーラスワーク、あとは、歌詞の選び方に惹かれました。ただ、まだ確かな結果は出ていないので、これから証明していくものだと思っています。その辺は、信頼し合っていますよ。

いろいろ大変な面もありますが、ダンスの面ではまずはSCREAMのNABEくん。さらにNANAKOたちがサポートしてくれるので、厚みが増しました。ある一定以上のレベルになってしまえば、世間の評価をどれだけ得られるかどうかだと思います。

TDM

NANAKOちゃんが今回のダンサーとして参加するようになったのは?

NANAKO

もともとD-LOWとは10年以上の付き合いで、一平さんのライブをプロデュースしてるって聴いて観に行ったらすごく感動したんです。歌がすごく好きで、すごく私のツボでした。

それから、すごく関わりたい!って自分から言いました。それで、女の子のダンサーで私とRENKAが参加することになって、振付もさせてもらうことになりました。なので、今からスタートって感じですね。

あとは、この前、初オーガナイズイベントが結構成功して、その噂を聞きつつD-LOWと今回の流れになった感じだよね?

D-LOW

元々、前から「やって!」ってお願いはしてたんですけど、彼女がイベントをやっている時期とのタイミングが合ったんだよね。彼女の中でのそういうスイッチと合ったというか。でも、これから成長していく段階ですね、お互い (笑) 。

TDM

NANAKOちゃんはアーティストに関わる興味があったの?

NANAKO

はい。単に振付師としての仕事ではなく、こういう近い存在のクルーたちに混ざってエンターテイメントに参加できるのは、自分の中でも新しいのでうれしいです。ダンサーよりも、もう一個上に行けた気がするというか・・・。

D-LOW

今は時期として、ダンスサイドに訴えかけるものが多くあってもいいのかなとは思っています。そういう広告の時期と言うか、“費用対効果で確実性の高い認知度”を上げていこうかなと・・・。

だから、そのためにもNANAKO, RENKA, NABE, MASAYA, KENZOの力を借りています。一平自身もダンスが好きだし、ダンサーが踊ってても、歌うときには彼のステージとして完璧にできる実力があるので、そこを信頼しています。

“GIFTED ONEに関わっているダンサーは凄い”って広めたい。


D-LOW

基本的なダンスの流行の仕方として、アメリカだと、“イケてる”ダンススタイルを持ったダンサーが、アーティストに雇われて、そのアーティストの流行と共に、そのスタイルが世界に広がっていく、というやり方が存在していたと思うんですよ。
例えば、ニュージャックスウィングが流行った時期に、ニュージャックスウィングを歌うアーティストが、たまたまそれに合わせて踊っていた”イケてる”ダンサーを雇って、それが世界に広まっていく。

だから、俺たちもオリジナルのサウンドを創って、“イケてる”ダンサーを使って作品を創っていこうと。そうすることによって、今は日本語の曲しか出していないですけど、アジアに向けて発信していきたいとも思っています。

例えば、オマリオン振付師・ローロ、ジャスティンの振付師・クデルカ、ジャネットジャクソンの振付師・ギルなどではないけれど、“GIFTED ONEに関わっているダンサーが凄い”っていう風に広まっていければいいかなと。

Ro-Ro (ローロ) :
現在のOmarionの専属ダンサー兼コレオグラファー。映画「YOU GOT SERVED」「SAVE THE LAST DANCE」「ARI」では振付師・ダンサーを担当。その他、Marques Houston、Aaliyah、Usher、Back Street Boys、3LW等名立たるアーティストの振付を手掛ける。


Marty Kudelka (マーティー・クデルカ) :
現在Justin Timberlakeの専属ダンサー兼コレオグラファー。2007年「Let Me Talk to You / My Love」ではその年のMTVビデオミュージック・アワード最優秀振付賞。


Gil Duldulao (ギル・ダルデュラオ) :
Janet Jacksonが大ブレイクした時期の専属バックダンサーとして、その名を全世界にとどろかせた、アーティスト専属ダンサーの先駆け的存在。

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今回のリリースパーティーはどういうコンセプトでやるんですか?

NANAKO

一平さんのリリースパーティーということで、今回から自分も関わりだしたので、周りの私の尊敬するダンサーたちを集めて、みんなで盛り上げたいなと。

D-LOWにはD-LOW独自のスタイルがあって、そこは崩さないで尊重しつつ、私は私で、尊重してもらいつつみたいなバランスでやっています。あまり合体というわけではなくて、バランスでいい感じに見えればいいですね。

D-LOW

俺もかなり彼女の感性を信じているからこそ任せているので、自由にやってくれればいいですね。一平の妹もダンスと絡んでると、喜ぶんだよね?


高橋

あ、そうなんですよ (笑) 。中2の妹がいるんですけど、最近ダンスに燃えてて、NANAKOさんとやってるんだよって言うと、「お兄ちゃんとやってるNANAKOさんは別の人でしょ?」ってくらい疑われるんです (笑) 。OH GIRL!のNANAKOさんだよって言うと、驚かれました。喜んでもらえて、すごくうれしいですね。やっとお兄ちゃんぽくなれてるカナ。

TDM

今までミュージシャンと関わっていたのが、今はダンサーに囲まれた音楽制作になっているわけですが、今と昔とで、何か違いはありますか?

高橋

音楽は僕の中でコミュニケーションなんです。生でやってる時は、生バンドの人たちとのコミュニケーションだし、ダンサーの人たちとやってる時も、例えば目での合図だったり、笑いあったり、振りを面白く変えたりっていうので、コミュニケーションをとり合ったりします。

音楽があった上でのライブ、その感覚から出てくるフェイクだったりを楽しめるので、そこまで両者の違いっていうのはないですね。どちらからもすごく力をもらえます。これからも生バンドとダンサーという要素はずっと取り入れていきたいですね。

TDM

一平さんにとってはダンスシーンはどんな風に映っていますか?

高橋

純粋にすごいなって思います。正直、音楽に関しては、自分の中で日本よりも海外の方を意識する傾向があって、ダンスもそれと同じで、アメリカの方が進んでるのかなと思っていたんですが、ダンスを観た時に、日本のダンサーにはこんなにやばい人たちがいるんだ!っていうのを実感しているという感じです。

TDM

では、逆にNANAKOちゃんから見て、音楽業界はどう映ってる?

NANAKO

私の好きな楽曲も海外寄りだったりするのでそういう曲を創りたいんだけど、日本では受けなかったりする現実も感じているので、最近そういう葛藤を感じます。自分の好きな音楽と日本で売れそうな音楽が違うというか・・・。

でも、一平さんの音楽は、その狭間を良いバランスでいっているというか、日本人も好きそうだし、外国人受けもしそうで、面白いと思います。

“GIFTED ONE”=プロデュースは音楽業界における究極の営業。


TDM

では、D-LOWから見て、音楽とダンスシーンはどう映ってる?

D-LOW

ダンスシーンが煮詰まっているな、というのは敏感に感じてしまいます。ある程度までダンスを続けていると、“次”が見つからなくなってくる人は多いのではないでしょうか。

ヒップホップにも通じる精神ですが、人と違うことがやりたいので、何で人が失敗していることと同じことをみんながするのか、不思議だった時がありました。そういう時期にアメリカなどに行っていたんですが、自分の価値観と合う仲間とつるんでいると、特に黒人は、踊って、自分でビートを創って、ラップして、売れたい!って思うのは普通の感覚なんです。

ヒップホップなら新しい曲を新しいダンスで踊るからかっこいいんだし、それで生活できなくなったらダンスを辞めなくちゃいけないんだから、当然だろ?っていう感覚で、それを目の当たりにした時に、そのカルチャー性に引かれました。

俺は歌うことはできないので、一平と出会った時に閃いたんです。自分で音創って、自分でダンス創って、演出もしたら早いなと。いわば究極のショータイムですよね。実際Trak Staは、昔は俺のショータイムの音を作ってくれていました(笑)おかげで意思疎通はバッチリです。

ダンサーってダンスするだけじゃなくて演出にも優れているって思うんです。だから必要不可欠なはずなんです。作詞、作曲、演出ができれば明日にでもライブができる。アーティストをトータルでプロデュースする事ができるんです。だから“GIFTED ONE”=プロデュースは究極の営業。

みんなにカッコいいと言われたものはやっぱりカッコいいんです。なので、カッコいいとされる音楽をまずは自分たちで創り出して、その上でカッコいいと思ったダンサーたちを出していけたら面白いんじゃないかなって所ですね。そこがプロデュースをしたいと思った理由でもあります。

良くも悪くも受け身である“ダンサー”の才能を活かせる場所がもっと必要。


D-LOW

ダンスは日本における職業として完全に受け身なんです。アーティストの振付とかをやらせてもらってるうちに業界の構造なども見えてきたんですが、ダンサーのままでは上がりようがないと思いました。じゃ、何が一番良いのか、いろいろ考えた結果、最終的には音楽というエンターテイメントだったんですよね。

例えば、TRFのSAMさんやEXILEのHIROさんが成功して、下の世代のダンサーに貢献している姿は、尊敬していますし、特にEXILEに関しては今、日本での究極なヒップホップだと思うんです。ニュージャックスウィングというスタイルを発展させ、自分たちでアレだけシーンを大きくして、ニュージャックスウィングを次のレベルまで押し上げたこと自体が、ヒップホップだなと感じます。

それと同じで、究極の営業であるプロデュースで、受け身ではなく、自分の良いと思うダンサーをどんどん音楽と一緒に色々な場で推していけたら、自分も何かできるんじゃないかなと思っています。

ダンサーが受け身といいましたが、それは決して悪いことでもないと思うんです。ただ、それを上手く活かせるプロデューサーだったり、土台になる部分が基本的にない。みんな何かをやろうと思ってるのは間違いないんですけど、才能を活かせる場所がまだ足りていないと思う時があります。

互いの才能を信じること。


D-LOW

“GIFTED ONE”としては、これから様々なアーティストに作品を提供したいと考えています。究極の営業の結果を出していきたいなと。一平とTrak Staのような才能に出会い、信頼し合う中で、何かシーンを動かせるようなことができ始めている。これが他にはない俺たちだけの要素だと思います。あとは、計画性という面で、“高橋一平”と“GIFTED ONE”というプロジェクトを軸に、5年計画を立てているんですけど、資金繰りも含めて、楽曲制作とクリエイティブのバランスをどうしていくかなどを把握した上で進めています。

高橋

この意見はもはやダンサーではないですよね (笑) 。でも、D-LOWの才能の見方によって、すごく助かってます。

自分は、メジャーも一度経験していて、そんなに売れなくて、色々考えた時もあったんですけど、単純に音楽が好き過ぎてやめられなかったんです。自分の中では続けるのが当然、という気持ちはずっと変わらずにありました。そして、すごく幸運なことに、人に恵まれていて、苦しい時こそ救世主的な人が現れてくれるんです。D-LOWもその一人でした。そのおかげで続けられています。

僕が、メジャーにいた時には「こうやったほうが売れる」っていう言い方をされることがすごく多かったんですが、彼は基本的に僕のやりたいことを、「じゃ、それやろう」っていってくれて、それをより高めようとしてくれます。僕たちが究極にカッコいいと思うものを創っていこうというスタンスです。

D-LOW

ダンサーに限らず、どんなアーティストでも、色々なスタンスが在って良いと思うんです。自分は、正直、ダンスの技術的な部分だけでいくと厳しいと思ったし、そこだけに興味があるかといえばそうではなくて、自分で確立したダンススタイルをアーティストと共に、音楽と共に広めたい、残していきたいと思っています。

それを実行する為には、良いものを創る云々よりも、続けていくことが大事なのかなと。その意味でも、さっきの5年計画の中でも、運営が回っていけるようなこともちゃんと考えて、そのうちに、ちゃんと利益を産んで、協力してくれた人たちと楽しいライフタイルにしていくっていうのは、ある意味ヒップホップかなと思うんですよね。

もちろん、歳も取っていくし、一人で続けていくのは厳しくもなってくるので、こういうプロデュースチームを組んで、NANAKOを始め、仲間のみんなや、先輩、後輩たちにも協力してもらいながら、やっていければ良いかなと思っています。それが俺が思い描いていることです。

ダンスもやって、プロデュースもやるというスタイルが、究極の形というわけではないです。要はバランスが大事で、ある一定以上のレベルを超えていて、情熱を持って一定以上の作品を創り出せて、一定以上の人を引き付けられて、一定以上の運営をまわせる状況を作れるかどうか、だと思います。

TDM

では、最後にメッセージをお願いします!

高橋

是非、一度ライブに来てほしいですね。お客さんとのコミュニケーションもあるので、体感しに来てください!

NANAKO

ダンスは娯楽の一環だと思うので、趣味の一環としてちょっと関わってみるのも良いと思いますよ!

D-LOW

ダンサーの活躍できる場をもっと増やしていきたいです。 “GIFTED ONE”プロデュース”高橋一平に注目、応援お願いします。

最後に恐縮ですが個人的に、
Shout out to my Dancefather "Swoop".

TDM

音楽とダンスの相乗効果に期待しています。ありがとうございました!
'08/09/26 UPDATE
interview by AKIKO
Photo by AKIKO & imu
Special thanks to GIFTED ONE
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[Release Info] 高橋一平 “Just a friend / Nobody, but U”
[Release Info]
高橋一平
“Just a friend / Nobody, but U”


Date : 2008.10.01 Release
No. : DCRDH-2 (Dream Cast Records)
Price : 1,200yen (tax in)

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01.Just a friend
02.Nobody, but U
03.Nobody, but U [Osamu M club mix]
04.Just a friend -Instrumental-
05.Nobody, but U -Instrumental-

2008年10月1日にリリースするニューシングルとなる本作は、秋から冬へ向かう恋人たちに送るR&Bナンバー。高橋一平が歌うその歌声は、すべての恋する人々に甘く切ない気持ちを与えてくれるだろう。ボーナストラックとしてロンドン、日本で活躍するハウスDJ=OSAMU MのREMIXも収録。クラブファンも必聴なシングルが遂にリリース!
[PICK UP EVENT] 2008.10.13 (Mon) OHGIRL! NANAKO PRESENTS 高橋一平release party 「GIFTED ONE」
[PICK UP EVENT] 2008.10.13 (Mon)
OHGIRL! NANAKO PRESENTS
高橋一平release party 「GIFTED ONE」




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