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「フロアプレイ」 Robin Windsor & Jessica Raffa スペシャルインタビュー
「フロアプレイ」 Robin Windsor & Jessica Raffa スペシャルインタビュー
ストリートダンスと違って、ボールルーム (社交ダンス) は男女ペアで魅せるダンス。単独で踊るよりも難しくもあり、それこそが最大の魅力でもある。今年9月に再来日を果たすダンス・エンタテインメント『フロアプレイ』ではそんなボールルームを極めた競技ダンス界のトップアスリートたちが、華麗で迫力あるステップを繰り広げる。前回の来日公演に引き続いて出演するRobin & Jessicaペアへのインタビューをお届けしよう。

Robin Windsor & Jessica RaffaRobin Windsor & Jessica Raffa
(ロビン・ウィンザー & ジェシカ・ラファ)


ロビンはイギリス出身、28歳。5歳からボールルームを学び、ダンス歴23年。世界選手権、全英選手権、インターナショナル選手権ではファイナルの常連だった。ジェシカはオーストラリア出身、23歳。4〜13才までオーストラリア・バレエ団でバレエを学び、その後、ボールルームに転向。国内大会や国際大会で上位入賞の成績をおさめる。2000年のシドニーオリンピックの閉会式に出演。

競技大会ではライバル同士が、ここでは無二の親友になれる

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まず、お二人はボールルームの世界で素晴らしい成績を収めてきた競技ダンサーだったそうですが、バーン・ザ・フロア・カンパニーに参加することになった経緯を教えてください。

Robin

競技大会で踊っていた僕のダンスを見て、ジェイソン・ギルキソンが誘ってくれたんだ。2002年1月のことだったんだけど、ジェイソンから「バーン・ザ・フロアに出演してみないか?」って電話がかかってきた。実はそのとき、クルーズ船のショーの仕事が決まりかけていたんだけどね (笑) 。迷わず「バーン・ザ・フロア」に参加することにしたのさ。

Jessica

ジェイソン・ギルキソン&ピータ・ロビーといったら、私たち競技ダンサーにとっては雲の上の存在、スーパースターなのよ!今、こうして二人と親しくなれて、同じカンパニーで活動していることが夢みたい!私の参加のきっかけは、もともと私は4歳からクラシックバレエを習っていたんだけど、13歳からボールルームに転向して、競技大会に出場していたの。そのときにジェイソンからダンスレッスンを受ける機会があって。それで「バーン・ザ・フロア」に誘ってもらえたの。17歳のときだったわ。

ジェイソン・ギルキソン&ピータ・ロビー :
オーストラリアのラテンダンスチャンピオンとして16連覇の記録をもつダンサー。97年に競技から引退するまでの32年間ペアを組み、国内外で活躍してきた。99年にイギリスで開幕した舞台『バーン・ザ・フロア』に主演し、ジェイソンは翌年からこのショーの芸術監督・振付をつとめ、2006年にバーン・ザ・フロア・カンパニーを立ち上げた。

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バーン・ザ・フロア・カンパニーの魅力は何だと思いますか?

Robin

なんといってもメンバーだよ!こんなダンスカンパニーは他にはないと思うよ!競技大会ではライバル同士だった奴らが、ここでは無二の親友になれちゃうんだからね。ここには争いはなく、ひとつのユニットとして活動していける。そこが素晴らしい。

Jessica

そうね、こんなダンスカンパニーは世界中どこを探したって見つからないかも!それぞれが小さい頃から競技会で活躍してきたダンサーばかりで、そんなみんなが毎日、ショーをやりながら切磋琢磨して、成長していける。私はここに参加して6年目になるけど、みんなが同じ夢を共有して、成功を目指して進んでいくビッグファミリーって感じ。

パートナーとの間に“特別なつながり”と“科学反応”が生まれる

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今回のステージを成功させるために、自分の能力や役割として意識していることはありますか?

Robin

意識してること?・・・うーん。いつも本番前にはナーバスになるんだけど、こういった緊張感を持ち続けることは、自分の成長のために必要なことだと思っている。それから僕は常にジムに通って、体を鍛えて、筋肉作りやシェイプアップに励んでいるよ。ぷよぷよの脂肪のついた体のダンサーなんて誰も見たくないだろ (笑)?

Jessica

『フロアプレイ』を成功させるために・・・ってわけじゃなく、私自身は人として、ダンサーとして常に成長していきたいの。カンパニーに参加した頃よりも、ダンスへの情熱がどんどん増してる感じ。これは他のダンサーたちも同じだと思うわ。今度の日本公演では「17歳の小娘からすっかり大人のレディになったジェシカ」を見て欲しいな (笑) 。

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「フロアプレイ」は“ダンス・エンターテイメント”と謳われていますが、“ダンス・エンターテイメント”についてどう捉えていますか?

Robin

『フロアプレイ』の目指すところは、まさしく観ている人を楽しませる、つまりエンターテインすること!それこそが僕らの最高の表現手段ってことさ!

Jessica

ダンスって、最高に素晴らしいエンターテイメントだと思うの。特に『フロアプレイ』は、お客さんも巻き込んで、見せるダンスショーだしね。お客さんも心を解き放って、自由に楽しんでほしいなぁ。音楽のコンサートで観客が一緒に歌って楽しむように、『フロアプレイ』では、一緒に踊って楽しんでほしい。

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ストリートダンスにはペアダンスという要素に馴染みがないのですが、ペアダンスの魅力・うまくなる秘訣があったら教えてください。

Robin

一人で踊るより、ペアで踊るほうが難しいんだぜ?男は、パートナーの女の子をより美しく見せるために上手にリードしなくちゃならないし、それと同時に自分だってかっこよく踊らなくちゃいけないんだから (笑) 。高度なテクニックが要求されるのがペアダンスってわけさ。このダンスの魅力は、パートナーとの間に“特別なつながり”と“科学反応”が生まれることだよ!これは絶対、一人で踊ってたら体験できないことだね。ダンスの上達の秘訣は、まず自分を信じて、自分に自信をもつことだよ。そして、一生懸命練習して、努力すれば必ず結果はついてくる。

Jessica

今の若い子たちからしてみると、「ボールルーム」って、おじさん、おばさんが楽しむダンスってイメージがあるかもしれないけど、全然そんなことないのよ!ヒップホップのダンスと同じくらい、すっごくセクシーだし、情熱的なんだから!ペアダンスの魅力は、やっぱり男女のカップルが一緒に踊ること!二人で音楽に身をゆだねながら踊る、その特別なつながりを楽しんでもらいたいわね。

“ダンス”はどこでも誰でも楽しむことができる普遍的な共通言語

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今後のビジョンを教えてください。

Robin

ベストダンサーになることだよ。この目標にゴールはないから、できるところまでがんばりたいね。進化し続けたいと思う。

Jessica

私の夢はボールルームの魅力をもっと多くの人たちに伝えること。私は誰にでもダンスを踊る能力はあると思うし、一度、踊ってみればその楽しさがきっとわかるってもらえるって信じてるの。そのために手を貸していきたい。・・・実は、『フロアプレイ』の中で、私が目隠しをしてルンバを踊るシーンがあるんだけど、最初はほんとに見えない状態で踊るのが怖かった。でも、だんだん慣れてきて、「目隠しをしていてもダンスは踊れる」、「きちんとリードしてくれる男性を信頼したら、ちゃんと踊れるんだ」ってことがわかって、そしたら今度は、「実際、目の不自由な人はどうなんだろう?」って考えるようになったの。

目の不自由な人は盲導犬とか杖とかに全幅の信頼を寄せて生活しているけれど、おそらく一度も自分でダンスをしようなんて思ったこともないだろうし、自分が踊れるなんて想像してみたこともないんじゃないかな?だけど、本当は誰でも踊れるんだよってことを教えてあげたくて、それで今はツアーの合間に、病院や学校をまわってダンスを教えたりしているの。これからもどんどんダンスを楽しんで欲しいし、そのためのサポートを続けていきたいわ。

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では、最後にトウキョウダンスマガジンの読者にメッセージをお願いします!

Robin

ダンスの表現方法、フォームはさまざま。『フロアプレイ』の中でも、ワルツ、タンゴ、ルンバ、ジャイブといったボールルームダンスの定番から、リンディホップ、サルサ、ディスコダンスまでいろんなダンスを踊っているんだ。僕らのステージはいろんなダンスのバリエーションが楽しも、『フロアプレイ』を観に来たら、きっと、よい刺激になって、もっとダンスも上達するんじゃないかな (笑) !

Jessica

世界中のどこでも誰でも楽しむことができる普遍的な共通言語が“ダンス”だと思う。初心者でも、経験者でも、どんどん自由に、自分を解き放ってダンスを楽しんでね!

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貴重なお話をありがとうございました!来日公演、楽しみにしています!
'08/05/16 UPDATE
interview by AKIKO & imu
interview photo by 阿久津知宏
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ダンスで世界中の観客のハートをとりこにする『フロアプレイ』
“2008年バージョン”は、この秋、イチオシのダンスエンタテインメント

『フロアプレイ』には10組20名のダンサーのほか、男女2名のシンガーと、パーカッショニストが参加し、ダンスシーンをドラマチックに盛り上げる。往年のスウィングジャズ、ミュージカルナンバーから、80年代ディスコのヒットチューン、ロック、ポップス、クラブミュージックと、選曲もバラエティに富み、まさに“踊るジュークボックス”といえるステージである。「常に観客を楽しませていたい。だからツアーの度に内容をアレンジし、ショーは日々進化していく」と芸術監督・振付家のジェイソン・ギルキソンは語る。今年のワールドツアーから衣裳を大幅にリニューアルし、新しい楽曲も採用し、ダンスの振付もアレンジされているが、日本公演に向けて新たな演出も考えているとか。出来立てほやほやのホットな“2008年バージョン”にどんなサプライズが用意されているのか、9月の日本公演で是非、それを確かめていただきたい。あなたの人生にハッピーなダンスのスパイスを!

公演名 タマホーム presents フロアプレイ
日程 【大阪】2008年9月2日 (火)〜7日 (日)
【東京】2008年9月12日 (金)〜15日 (月・祝)
会場 【大阪】フェスティバルホール
【東京】東京国際フォーラム ホールA
チケット 発売2008年5月31日(土) 10:00〜
詳細・問合せ 「フロアプレイ」公式HP (パソコン & 携帯対応)
http://ktv.jp/fp2008/


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