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三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜  
三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜
三浦大知の産み出すエンターテイメントに必要不可欠なダンス。単なる“歌って踊れるアーティスト”ではない。ストリートダンスをしっかりと体にしみこませ、自身の作品にも十二分にその要素を投影している列記としたダンサーである。今回のWORLD WIDEでは、SHOTA、ENDo、Kazuki、Puriらと共にパフォーマンスを披露してくれる。ダンスイベントでのステージに意気込みを見せる彼と、初期から支えているメンバーのSHOTAに、創り上げるエンターテイメントについて聞いてみた。そこには、ダンスへの愛情を持った三浦大知とだからこそ実現可能な化学反応が起こっていた。

三浦大知

三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜 ‘97年 Folderとしてデビュー。著名なアーティストなどより和製マイケル・ジャクソンと称される。‘00年から変声期の為一時活動休止。その間はダンスに専念し、オールドスクールからニュースクールまで幅広いダンスを体に浸透させていく。

‘05年の活動再開第一弾シングル「Keep It Goin’On」では、LAでのPV撮影を敢行し、日本人のPVに初出演となるRSCのCrazy Legsらと共にステップを披露している。続く「Free Style」では、LAで活躍するSuper Daveによる"Groovin'"という彼提唱の最新スタイルでの振付・PV出演を実現させた。現在までシングル6枚アルバム1枚をリリース。1st Album「D-ROCK with U」ミュージックマガジン紙 ベストディスク J-POP部門 第9位に選出、movement紙 男性アーティスト部門ベストライブアクトに選出されるなど、その音楽センスとステージパフォーマンスには評価が高い。その甘い歌声と併せて持つ武器であるダンスは、世界基準のスキルをもち、独自のダンスエンターテイメントを徐々に形成していく。

2008年7月23日、6枚目のシングルとなる「Inside Your Head」をリリース。今作から本人による振付となり、サポートするダンサーたちが悪戦苦闘したほどの見事なダンスを披露している。先行アナログ盤は、CISCO 総合/R&Bチャート1位にランクイン。そして、2009年2月11日、待望のニューシングル「Your Love feat.KREVA」をリリース。若干21歳の、歌って踊れる次世代のR&Bシンガーである。
http://www.visionfactory.jp/
http://www.avexnet.or.jp/daichi


SHOTA

三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜 POPダンスチームAFROISM(アフロイズム)メンバー。今回デビュー当時から現在まで、三浦大知を支えてきた要人として登場してもらった。フィーリングとニュアンス、その場のグルーヴ感を大切にしたスタイルには安定感と存在感がある。幅広い感性を持ち、ポップに限らず、様々なダンスを通してエンターテイナーとしての気持ちを大切にする。都内、地方問わずダンスイベントで多数ゲスト出演。コンテストでは多数、上位入賞。また、チームでテレビ、DVD,ボランティアイベントなど様々な分野に出演。個人でもテレビ、CM、映画、舞台、ライブの演出、振付、バックダンサー、インストラクターなど、ジャンルを問わず様々な分野で活動中。

“踊れるシンガー”ではなく、“歌えるダンサー”。

TDM

これまで何度か大知くんのライブを拝見していて、ダンサーの部類に入るクオリティと、ダンサーとの距離感が素敵だなと思っていました。まだ21歳とお若いのですが、エンターテイナーとしての芸暦から教えていただけますか?

三浦大知 (以下、大知)

三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜 Folderとしてのデビューから数えると11年目ですね。変声期に入ってからグループを抜けてから5年間休業していたんです。変声期中はのどを酷使すると変声期後の声に影響してくるということでまったく歌わずに、その間はダンスを集中的にやりたいと思っていたので、ダンスと部活のバレーボールだけの日々でした。三浦大知としてソロデビューしてからはもうすぐ5年目になります。

TDM

ご自分の中で歌とダンスのバランスをどう捉えていますか?

大知

ん〜今もそのバランスは探している最中ですね。もともとFolderをやっていたときは、歌もダンスも100%くらいだったんです。それから、歌えなくなって、ダンスの練習が増えたとき、自分の中でダンスの割合がものすごく増えた。変声期が終わって、さぁ、歌おう!としたら、自分の中ではダンスの方が勝ったんです。“勝った”というのは、たとえばライブのときに、「ココは止まって歌った方がいいんだろうな。・・・でも、踊りたい!」という感覚になったんですね。

変声期後の最初は、のどが絞まっててうまく歌えず、そのストレスがダンスに向けられていたんだと思います。自分の意識として“踊れるシンガー”じゃなくて、“歌えるダンサー”のような認識でした。最近では歌で表現する楽しみも一段と増して来たので、ダンスと歌の割合が良くなっていて、エンターテイメントとしてそのバランスを取れはじめてきているかなとは思うんですけど。

TDM

三浦大知として産み出している“エンターテイメント”ってどんなものでしょう?

大知

見せたい部分や感動させたい部分は今も勉強中なので、これは特殊な感覚かもしれないんですけど、僕が「すごいエンターテイメントだ!」と思うものは、“考えさせられるもの”のような気がするんです。見た人が、感じるだけじゃなくて、何かを考えることも、エンターテイメントの要素のひとつじゃないかなと。

SHOTA

三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜んー、僕は逆ですね。わかりやすい方に寄っちゃいます。ライブでも、ショウタイムでも、わかりやすいものに客の反応があるほうが好き。考え抜いた凝った演出よりも、自分が客として舞台を見に行くと、わかりやすい方が印象に残るんです。だから、人に見せるエンターテイメントはいろいろあると思うんですけど、そのバランスは場所によって使い分けているつもりです。

大知

僕の言った“考えさせる”って、今のSHOTAさんの考えと同じ気がしますね。試行錯誤した難しいものに対して「今のってどうなってるんだろう?」って思わせたいということではないです。たとえば、ダンスのショウとしては、メリハリがついてたほうがいい、それによって何かが見えやすくなって、人に見せたいものが伝わる。伝わりやすければやすいほど、人は考えると思うんです。

それは、見方を変えれば“わかりやすさ”でもあって、創る側が見えやすく、なおかつ、ショウとして面白く作ったものがはっきりすればするほど、「あ、これってこういうことなのか!」と伝わると思うんです。

TDM

なるほど。そういう感覚をお持ちなんですね。今は、次回のアルバムに向けて創作中だと思うんですが、描いているものはありますか?

大知

自分はコンセプトを決めてアルバムを作れなくて、今、コレを形にしたいと思ったもの、前からやってみたかったもの、このトラックならこうしたいといったものを詰め込む感じになると思います。

単純に今の三浦大知のやりたいことが凝縮して詰まってく感じですかね。まだ、コンセプトに沿って創っていく余裕がない (笑) 。今は、今やりたいことをとにかく形にして、皆さんにお届けする形ですね。

ダンサーがひやひやしています。なぜなら、大知が踊れるから。

TDM

SHOTAは大知くん以外のアーティストにも関わってきているけど、大知くんの現場はどんな現場?

SHOTA

三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜ダンサーがひやひやしています。なぜなら、大知が踊れるから。だから、後ろの人間は結構プレッシャーで、あおられてます。歌だけじゃなくて、やたら踊りにもバチバチ本気で来るもんだから、こっちはこっちで対抗意識です (笑) 。

今の大知のダンサーには、いろんなジャンルの人がいて、スタイルがバラバラなんです。しかも、大知がすごく高いところを求めてくるから、ダンスを余計に頑張らなくちゃいけない (笑) 。でも、それぞれがやるところとまとまるところがあって、面白いですね。しかも、アーティストとダンサーがいい具合に触発し合ってるのは間違いないです。

TDM

振付はみんなで分担?

大知

今までは振付師の人がいたんですが、この前のシングル「Inside Your Head」から俺が作ってます。

SHOTA

そう、この人が作っちゃうんです (笑) 。トータルプロデュースですよ。周りは、大知がもし何かに詰まったら助けるっていうスタンスになってきましたね。それで、ましてや、歌ったらちょっとうまいじゃないですか。もう全部やれちゃうんですよ。

TDM

ちょっとどころじゃないけど (笑) 。でも、確かに天才的ですね。

大知

いやいや!SHOTAさんには相当助けてもらってますから。最初のバックダンスのときからずっとついてもらっているので、「今回はこういう感じで見せたいんだけど」っていう相談もさせてもらってます。

TDM

素敵な関係ですね。音楽やダンス以外ではどんな風に過ごされてるんですか?

大知

自分には本当に趣味がないので、あえて言えば、最近はクラブに行って、お酒を飲むことが楽しいですね。

SHOTA

結構、一緒に行くんですよ。出会ったころは、いろんなダンサーを見ておいたほうがいいと思って、いろんなダンスイベントに連れて行ったりしました。

TDM

気になるダンサーはいますか?

大知

お世辞抜きに本当にAFROISMはめちゃめちゃ好きなんです。RSCのMASAMIさんに習っていたこともあって、オールドスクールが好きなので。

TDM

それが最初に習ったダンスになるのかな?

大知

三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜もともと、ダンスは子供の頃に通っていたダンススクールの時からなので、いわゆるジャズベースのダンスが始まりでした。東京に出てきて、最初に影響を受けたのは、電撃チョモランマ隊のEBATOさんです。変声期の休業中に習ってたんですが、何でこんなに体がクリーンに効くんだろうと思って、一時期めちゃめちゃEBATOさんに似てたときがありましたね。その頃に、ダンスってすごいな!って思ってどんどんはまっていきました。

その後は、CHEWさんに習い始めて、LAスタイルが好きになっていきました。そして、しばらく後にファーストシングルの振付をしてくれたSuper Daveに出会うんですが、僕はもうめちゃめちゃ大好きなんです!

Super Dave: LAを拠点にBeyonce、Jusutin Timberlakeらをはじめとするコレオグラファーとして活躍するダンサー。ハイセンスかつ音のつながりを見事に体現する、スキルフルで独創性あふれるスタイルにはファンが多い。
 

SHOTA

LAでDaveから振りをもらったのが大知だけだったので、俺たちダンサーは大知から振りを入れてもらったんです。本当に、ダンサーなんですよね (笑) 。

大知

LAに行ったときにDaveが振付けたいって言ってくれて、PVにもDaveやFLO MASTERなどにも出てもらったんです。日本だと、ダンサーはアーティストのバックアップっていう関係が一般的ですけど、向こうのダンサーはガンガン個性を出してくるから、撮影中は俺が真ん中にいるのに、埋もれちゃって埋もれちゃって・・・プロデューサーに、「大知、大丈夫?真ん中に立ってるのに全然見えてこないよ?」って言われたくらいで (笑) 。そのときに「俺、今ダンサーに負けてる!」って思いましたね。それから、「ダンサーに負けないようにしなきゃ!」と、ダンサーをすごく意識するようになりました。

SHOTA

だから、俺たちは気合い入れてるんです。

大知

でも、あの衝撃のおかげで今があるので、本当にあの環境は良かったですね。これからもシンガーとダンサーで分かれるのではなくて、みんなと一緒に創っていけたらすごくいいなと思います。

TDM

マイケル・ジャクソンも、ダンサーで彼の振りを踊れない人がいるくらいの存在で、ダンサーの中でマイケルが一番うまい。大知くんもそういう可能性を秘めてると感じました。さっき今の自分を詰め込みたいっておっしゃってましたが、逆に何でもできる、可能性が限りないと思いました。

ダンサーに楽しんでもらいたい。

TDM

今後描いている理想像などはありますか?

大知

わかりやすくいうと、アーティストではJustin Timberlakeが好きで、振付のMarty Kudelkaが好きってのもあるんですけど、あそこまでクリーンに見せられる感じとか、ピアノも弾けて歌もうまい・・・自分はすごく欲張りなので、全部がトップにいけるように頑張りたいですね (笑) 。

SHOTA

もう、本人がこんな感じだから、僕らは大変なんですよ (笑) 。もちろん良い意味で大変だからこそ、やってるっていうのもあるんですけど。

いろいろ俺たちも考えるし、意見が面白ければ汲んでくれるんです。基本的に、自分とも好きなものの感覚が似てて、たとえばDaveが好きだったり、たとえばカシスオレンジが好きだったり・・・

大知

俺、そんなに好きじゃないけどね (笑) 。

SHOTA

三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜あ、たとえばね (笑) 。そういう感覚的にも音楽的にも近いんです。単純に要求してくるレベルが高いので、そういういい意味での大変さですね。さっき言ってってたように、大知とは何でもできそうな気になります。

だから、俺はもっといろんなダンサーとも絡ませてみたいなとも思っていて。たとえば、PINOさんとか、MASAYAさんとか・・・いわゆる俺が好きなダンサーになるんですけど、絶対うまく絡めると思うから。

実はいろいろ構想を勝手に練っていて・・・そういうのを考えるのが好きなんですよね。別にダメだったらダメでいいんですけど、それがリンクできたときに、ニヤつく程度で (笑) 。いつか実現させたいですね。


TDM

では最後に、TDM読者にメッセージをお願いします!

大知

いろいろなスタンスでやってる方がいると思うんで一概には言えないんですけど、結局原点に戻ると、ダンスはやっぱり楽しくないと始まらない。だから、つまずいたら、寝るとか、それくらいシンプルな感覚でいいと思います。

だから、単純にダンサーとの現場のときはダンサーに楽しんでもらえるようにしたいんです。俺の振付とかでも、「あ、なんかこれ面白いかも」って思わせたいんですよね。

SHOTA

俺はまんまとそれにはまってた訳だ (笑) 。

全員

(笑) 。

大知

でも、それは、信頼してるダンサーとだからできることなので。

TDM

そういった感覚をアーティストの立場の方から聞けると思わなかったです。そういう場にいれるSHOTAもすごい。

SHOTA

三浦大知×SHOTA 〜 Inspired...〜自分は前に出て、目立たなくてもいいんです。でも、こいつがいるからうまく回るなって思ってもらうように持っていくのが好き。お互いに見えない部分での支え合いですね。

周りにはいろいろな意見を言う人もいると思いますけど、自分の感覚を信じてやっていくことが大事だと思います。

TDM

本当に良い人間と環境でものづくりをされてるんだと感じました。今度のWORLD WIDEのステージ、楽しみにしています!今日はありがとうございました!
'09/01/17 UPDATE
interview & photo by AKIKO
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Your Love feat.KREVA / 三浦大知

Your Love feat.KREVA / 三浦大知


2009.02.11 in Stores 

↑【CD+DVD】 AVCD-16174/B 1,800yen (tax incl.)
↓【CD】AVCD-16175 1,050yen (tax incl.)



前作に引き続き、Nao'ymt プロデュースによる今作は KREVA をフィーチャリングした、極上Sweet R&B !PVでは今作も三浦大知がコレオグラフを担当。

前作では、コレオグラフも自身で担当しその 卓越したダンスセンスを提示した三浦大知。 今作ではシンガーとしての側面を全面に押し 出した、初のミディアムスローテンポ楽曲。 そして三浦大知の敬愛するアーティスト、国民的RAP STAR?KREVA とのコラボレーションが実現!Nao'ymt による規格破りのソングメイキングに、三浦大知の温かくシルキーな歌声、そしてKREVA にしか出せないコトバのスパイス...。 3者の才能がぶつかり合った、まさに“極上”この上ない楽曲。そしてc/w には、また新たな一面を覗かせる本人作詞?作曲楽曲を収録した、 間違いない一枚です!

そのキッカケは夏。ヒップホップアーティストとして前代未聞の“さいたまスーパーアリーナ2Days” という歴史的な公演を、いちファンとして観に行った三浦大知。( いつか音楽でコミュニケーションがとれるように頑張ろう) という想いを胸に秘め、自身の音楽活動に勤しんでいたある日、KREVA さんから思いがけぬメールが...。「REMIX 作ってみたよ」...と、 開いてみるとそれは、三浦大知にとって初の作詞作曲作品となったあの曲「Magic」のRAP 入りREMIX 音源!その感動が衝動となり、三浦大知本人より直々オファー。今作のコラボレーションが実現しました。

2009.01.23-24 WORLD WIDE-WINTER PARTY-The 15th Party-
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三浦大知、出演。SHOTA、ENDo、Kazuki、Puriらとのステージに注目!!


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